応用テクニック①
雰囲気のある被写体にスポットを当てて切り取る
路地を撮る際は、もちろん道の奥行きを生かして捉えたいが、雰囲気のある被写体を見つけたらそれらをスナップ的に切り取るのもいいだろう。ただし、物撮りやテーブルフォトのようにそれだけを撮るのではなく、あくまでも周囲の雰囲気は盛り込みたい。
路地に入ると、商店の裏壁に情緒を感じた。まずは引き気味に要素を入れ込みつつ撮影したが、主題が判然とせずにイマイチ。
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主題をじょうろに絞り、斜めのアングルから背景ボケを生かして撮影。これも悪くはないが、じょうろを見せる撮り方だ。
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被写体の水平垂直を意識してまとめる
そこで主題はじょうろのまま、水平垂直を意識して平面的に切り取り、被写体の形を前面に押し出した。主題はあくまでじょうろだが、フレーミングで切れたさまざまな形状の被写体が、現場の雰囲気を伝えている。
58ミリ相当 絞り優先オート(F4 1/500秒) +0.3補正 ISO100 WB:オート
応用テクニック②
路地と言えばネコ! ネコの目線までカメラを下げて撮る
路地にはネコがつきものということで、路地を生かしたネコ撮影の方法を紹介する。生き物全般にいえることだが、まずは生き物の目線の高さにアングルを合わせることが大切。そして、画面が単調にならないように、日の丸構図は避けよう。3分割構図に当てはめると、瞬間的な撮影でも構図が決まりやすい。
動物は、その目線の高さから撮ると、顔がしっかり写っていい。左上の写真のように人間の目線でカメラを向けると、地面が背景になり圧迫感も出る。また、左下の写真のようにネコ目線で撮影しても、画面の真ん中に配置してはつまらない。
3分割構図を用いつつ、ネコ目線で撮る
動いて位置を変え、ネコを瞬撮。壁面に対して斜めの位置から狙い、ネコの目線までカメラを下げる。3分割構図を用いてレンガを多めに入れて、ネコがこちらを向いた瞬間にシャッターを切った。斜めから撮ったことで奥行きも出ている。
75ミリ相当 プログラムオート(F10 1/400秒) ISO400 WB:オート
路地には何かしら雰囲気のある被写体が多い。だからこそ何気なく撮影したくなるのだと思う。撮影する時は、スポットを当てたい被写体に対してカメラのアングルを変えると、伝わる雰囲気も変わってくる。いろいろ試してみよう。