冬は街にイルミネーションやライトアップされた被写体があふれ、カメラを向けたくなる季節。ここでは、それらをキレイに撮るためのカメラ設定や撮影機材などの基本知識から、ツリーやタワー、建物など、被写体ごとの対応法までを紹介。
基本編ではイルミネーションやライトアップの撮り方の基本を紹介したが、ここからは被写体ごとの細かな撮り方や注意点を解説。今回は「タワーのライトアップ」の後編。
【基本編】
1. 特別な機材は必要なし!使用機材はコレだ!
2. カメラ設定は試し撮りで適宜確認!
3. イメージ通りに仕上げるカメラ設定は?
4. 真っ暗?トワイライト?撮影のベストな時間帯
5. 華やかに仕上がる構図は空間の切り取り方で決まる!
【実践編】
1.「ツリー&オブジェ」の前編 ツリー&オブジェは前ボケでふんわり仕上げ
2.「ツリー&オブジェ」の後編 光り輝く華やかさは多重露出機能を使って演出!
3.「光のイベント」の前編 光のカーテンで画面を埋め尽くそう!
4.「光のイベント」の後編 広角レンズで躍動感のある構図を狙おう!
5.「タワーのライトアップ」の前編 遠景のタワーは望遠レンズで大きく引き寄せよう!
撮影テクニック2
近景のタワーを狙うときは、広角レンズを用いて全体像を取り入れる
近くから撮るタワーは見上げる構図になるが、画角が狭いと全体像が収まりきらず、中途半端な切り取り方になりがち。広角レンズを使えば、タワー下部が大きく、先端に向かって小さくなって、遠近感のある全体像が写せる。近くから狙うのは、タワーを起点に周囲を巡れるため、短時間でたくさん撮れるのも魅力だ。
画面が単調になるときはアクセントを加える
東京タワーを構図いっぱいに捉えて迫力のある写真を狙ったが、タワーだけでは単調だった。撮影場所が道路際だったので、画面下を少し空けて、通る車の光跡を13秒露光で入れる。同色の光が加わり、にぎやかになった。
16ミリ相当 絞り優先オート(F11 13秒) -0.7補正ISO100 WB:白色蛍光灯
ワンポイントアドバイス
近景のタワーを望遠レンズで狙うなら、部分アップが面白い
近くから撮る場合、広く撮るだけでなくアップも意外と面白い。タワーの各パーツや先端など、肉眼では見づらい上部構造物を望遠レンズで切り取ってみよう。単調になるなら、画面を傾けてリズムを出すといい。
雨上がりで雲が低く、スカイツリーを照らすライトが雲に届いて不思議な光景だった。展望室から上を97ミリ相当のレンズで引き寄せる。近くからなら、そう長いレンズはいらない。
97ミリ相当 絞り優先オート(F8 0.8秒) -0.7補正 ISO400 WB:白色蛍光灯
“タワー”にはこんな撮影もおすすめ!
イルミネーションと絡めてより魅力的な写真に仕上げる
この時期ならタワーの近くでイルミネーションがともっていることもあるので、光があふれたライトアップしたタワー写真が撮れる。タワーとイルミネーションが近いならパンフォーカスで狙い、離れているなら前ボケとして取り入れてみよう。
街中で見かける小さくともっているイルミネーションでも、前ボケの素材として十分活用できる。左の写真は三脚がなかったので、92ミリ相当のレンズをイルミネーションに近づけ、ISO1000、絞りF4、1/30秒で手持ち撮影した。
東京タワーの下には毎年、クリスマスツリーが飾られる。広角レンズでタワーと一緒に見上げるように撮影。構図によってこのクリスマスツリーは主役にも脇役にもなるが、上の場合はトワイライトの空に浮かぶタワーの脇役として添えた。