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季節感を表現するには肌の色も重要! イルコの“色彩”にこだわる写真術⑧

衣装と肌色に変化を付けて季節感を色彩で表現しよう

写真のイメージづくりには「色」がとても重要。色彩検定協会の協力により、写真と色彩の関係について考えていくこの連載。今回はは季節感をより印象的に見せるための色彩について、イルコの後輩写真家・Rinatyが紹介します。

イルコの色彩にこだわる写真術8
イルコ・アレクサンダロフ
イルコの色彩にこだわる写真術8
今回の講師 Rinaty

イルコの“色彩”にこだわる写真術

  1. 写真の印象を左右する「色彩心理」とは?
  2. 写真の印象をアップさせる「色彩調和」とは?
  3. ポートレートに効果的な衣装やメイクは?
  4. 色彩を理解すると写真にどう役立つ?
  5. 自然光を生かしたポートレートの撮り方は?
  6. ストロボ+カラーフィルターで写真の表現力アップ!
  7. 写真をドラマチックに仕上げる色の調整方法は?
  8. 季節感を表現するには肌の色も重要!
  9. 写真を正確な発色で楽しむには?
  10. モニターとプリントで色が違うのはなぜ?

季節感をより感じさせる配色イメージ

写真に季節感を出すためには、色のイメージがとても重要です。背景や衣装を暖かさを表現するソフトやライトなトーンにすれば春らしさが表現できますし、濃い青空や緑など青寄りの色を使用しビビッドで明るい雰囲気を演出すれば夏らしくなります。春よりも落ち着いた黄色などの暖色系の色で表現すれば秋に、冬は彩りの少ない季節なので白や黒をイメージに利用すると、季節感をアップすることができます。

もちろん例外もありますが、私はこうしたイメージを利用して、正反対の時期に季節イメージの強い写真を撮影することもあります。季節による色の傾向を普段から注意して観察しておくと、撮影前のイメージも頭の中で固めやすく、さらに季節感をアップさせる衣装などの決定もしやすくなります。

【春】ソフトでさわやかに見せたい

やや黄色寄りの彩度の高い赤の衣装で、春らしくソフトなトーンに仕上げました。赤は、ビビッドにすれば夏らしく、落ち着いたトーンにすると秋冬らしく見えます。

イルコの色彩にこだわる写真術8

【夏】明るく軽やかな雰囲気に

実は真冬に夏の衣装を着て撮影。リゾート感を出したかったため、衣装のトーンをあとから明るめに調整して夏っぽく仕上げました。

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【秋冬】落ち着いたトーンで季節を表現

こちらは逆に5月ごろに撮影。秋バラのように仕上げたくて、ウィッグおよび肌の色を黄色に近づけ、彩度を落として秋の雰囲気を表現しました。

イルコの色彩にこだわる写真術8

イルコの「冬撮影のこだわり」

冬はドラマチックになるので大好き。過酷ですが、ほかの人が行かない所で撮ることでユニークな写真になる可能性が高いです。白い背景が多くなるため、衣装はシンプルな白や黒が多め。赤を選ぶと派手でよく目立ちます。

イルコの色彩にこだわる写真術8
撮影 : イルコ・アレクサンダロフ

自分の肌の色を意識して衣装やメイクで統一感を出す

微妙な差ですが、日本人の女性の肌の色には黄色味を帯びた「ウォーム」と、わずかに青味ががった「クール」の大きく2種類の傾向があります。それぞれに合う衣装やアクセサリーなどの色があり、異なるタイプを選ぶと顔色が悪く見えたり、肌がくすんで写ったりします。私の場合は「ウォーム」なので、普段から相性のいいゴールド系のアクセサリーを使っています。

しかし撮影では、濃い赤やブルーなどの鮮やかではっきりした色を使いたくなることがよくあります。その場合には青みがかった肌が似合うため、レタッチで「クール」に仕上げます。逆に元気な夏を表現する場合は、肌を褐色にしたりすることも。自分の肌の色は変えられませんが、デジタルは撮影後の調整で印象を変えやすく、助かっています。また個人的には、髪の色が写真に与える影響も大きいと考えています。

氷の世界を表現するため、シルバーアクセサリーをチョイス

撮影時は日焼けしていましたが、氷の女王のような雰囲気を出すため、肌をかなり明るく「クール」系に調整しています。「クール」系にゴールドなどの黄色の要素は合わないので、シルバーのネックレスや、青みが強いピンクのリップを使用しました。

イルコの色彩にこだわる写真術8

ミモザに合わせて、メイクには黄色やオレンジ色を使用

春らしく黄色いミモザとともに撮影。目元には黄色、リップにはオレンジ色を使い「ウォーム」系でまとめ、写真全体と違和感なく馴染ませています。

イルコの色彩にこだわる写真術8

季節のイメージに合わせて現像で肌の色を仕上げる

水色とブルーの衣装、海もブルーで、全体にさわやかな夏らしい写真。しかし撮影時は少し日焼けしていました (日焼けしやすいのです)。そこでくすんで見える肌を色白に調整して、ブルー系に馴染む仕上がりにします。レタッチには「Adobe Lightroom」を使用しています。

イルコの色彩にこだわる写真術8
色別に調整できる「HSL」パネルで、「オレンジ」と「イエロー」の彩度をマイナスにすると肌を白くできます。
■Before ■After
イルコの色彩にこだわる写真術8
実際には日焼けで褐色寄りの肌色。
イルコの色彩にこだわる写真術8
肌が白くなり、クリアな印象になりました。

イルコの後輩写真家・Rinaty 色彩検定合格への道

イルコの色彩にこだわる写真術8
Rinaty

色彩検定2級の結果は?

この記事が公開されるころには、色彩検定2級の結果が出ていると思います。自己採点では無事合格。検定後には色彩検定の公式サイトで模範解答が公開されるため、自己採点が可能なのです。

2022年は色彩検定受験のために色彩について学んだことで、とても刺激を受けました。今は結果が出るのを楽しみに待っています。

イルコの色彩にこだわる写真術8
すでに2023年の検定スケジュールが公開されています。次は6月、まずは3級にチャレンジしてみませんか?

季節ごとの写真投稿キャンペーン「日常に色彩を」開催中!

色彩検定協会Instagram公式アカウントでは、日常を彩る「色」に関する写真を募集中。冬の色彩を集めるウインターキャンペーンが始まっています!

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■色彩検定協会とは?

イルコの色彩にこだわる写真術1

色彩検定協会は、年2回の色彩検定を実施している公益社団法人です。

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