いま、フード業界から最もアツい視線を浴びている希少フルーツといえば「フィンガーライム」です。その容姿や希少性から「フルーツキャビア」「キャビアライム」などともいわれる高級品となっており、とあるTV番組では数グラムで3000円と紹介されていました。今回は、この食材の生産者インタビューや試食レポートを絡めながら、魅力をお届けしていきたいと思います。
小さなボディに大きなロマンが詰まった爽やかなフルーツ
訪れたのは、千駄ヶ谷と北参道の間にあるオーストラリアレストラン「テラ・アウストラリス」。なぜここなのかというと、フィンガーライムの原産国がオーストラリアだからです。現地の事情に詳しい同店の福田浩二シェフや、シェフが所属するオージーラムのPR集団・ラムバサダーが仕掛け人となって、交流会が催されました。
ちなみに原産国はオーストラリアですが、今回のフィンガーライムは梶谷さんが育てた国産。聞けば、環境が違うため日本での栽培は非常に難しく、それがフィンガーライムの希少性にもつながっているそう。比較的温暖な場所でないとより厳しいようで、それもあって梶谷さんが知る限りで取り扱っている農園は日本に3つしかないようです。ということで、まずは実物を見せてもらうことに。
大きさは、小さめのピクルス程度で1本平均7グラム。フィンガーというだけあって、太さも長さも指に似たサイズ感です。そして色は個体差があるものの、ライムそのもの。つづいて中身も見せてもらいました。
フィンガーライムの楽しみ方は、切ってなかの果肉を押し出し、それを食べて味わうというもの。不思議なことに、普通のライムやほかの柑橘類のように潰しても、果肉が飛び出てくるのです。ここが大きな特徴のひとつといえるでしょう。
実は色別に分かれていて、今回はグリーン、ピンク、イエロー、レッドの4種類が登場。味はどれもみずみずしい爽やかさがあって通常のライムに近く、果肉の粒は皮がしっかりしていてプツっと弾ける食感があります。また、余韻にはほのかにスパイシーなフレーバーも。
粒がしっかりしているので、「ほかの食材と組み合わさって噛んだとき、はじめて味がひとつになる」という魅力があります。ひと粒の存在感が想像以上に強いため、味のインパクトがあってライムの爽やかさがかき消されません。小さなボディに大きなロマンが詰まったフルーツといってもいいでしょう。
ギンザ シックスやオンラインで購入可能予定
聞けば生産者の梶谷さん、実は今春グランドオープンした超話題の施設「ギンザ シックス」に直営店があるとのこと。ということは、そこに行けば買えるのでしょうか? すると、現在は店舗もオンラインも準備中で、高級ホテルやレストランに卸しているだけだとか。とはいえ、近々に一般向けにも取り扱いを開始する予定だそうです。
「僕らは愛媛の柑橘農家ですが、県内のみかん産業を次世代に繋げていくことと、世界に誇るブランドとして発信したくてギンザシックスに『10FACTORY 銀座店』をオープンしました。ただ、より扱いの幅を広げていこうとも考えており、フィンガーライムはそのひとつですね」(梶谷さん)
ちなみに、フィンガーライムを扱おうと思ったきっかけは、知人に見せられたフィンガーライムのYouTubeだったそう。個性的なフォルムと味、そして希少性などから「なんて夢のある食材なんだ!」と興味が湧き、2012年に栽培をスタート。ただ、温度調整をはじめ管理が非常にデリケートで、量産体制が整うまで苦節5年。やっと発売できるレベルまでもってこられたそうです。
「今年の目標は年間50kg。今後はもっと増やしたいです。より広めるにはお求めになりやすい価格にするべきと思っていて、それにはやはりたくさん実らせることが大切なんですよ。当面の希望としては、1年に3回ぐらい収穫したいですね」(梶谷さん)
TVでは数グラム3000円と紹介されましたが、梶谷さんは300~500円で販売を予定しているとのこと。見た目がお洒落で、料理にもドリンクにもアクセントとして効果抜群! まだまだ希少なのでお目にかかる機会は少ないですが、もし店などで見かけたら要チェック間違いなしですよ!