グルメ
2018/3/20 11:00

研究から発売まで12年を費やしトップシェアに!「明治おいしい牛乳」開発秘話

数多く販売されている牛乳のなかで、平均価格帯よりも約3~4割ほど高いにも関わらず、「明治おいしい牛乳」はトップシェアを誇ります。その味を一度口にすると、「他の牛乳では物足りなくなる」という評判。2016年には新パッケージ(九州で先行販売)となり、さらに他商品と差別化を図ってっているように映ります。この「明治おいしい牛乳」にはどんな秘密があるのでしょうか。明治の松浦 永さん、石井裕一郎さんに話を聞きました。

 

↑明治市乳営業本部の松浦 永さん、石井裕一郎さん。「明治おいしい牛乳」はもちろん、同社の牛乳の歴史、製造を熟知されたお2人です

 

 

「おいしい」は商標登録できなかったが、自信をもってあえてこの名前に!

――明治の牛乳開発のもともとの始まりはいつごろのことだったのでしょうか?

 

松浦 永さん(以下:松浦) 当社が「明治牛乳」のブランド名で販売を始めたのが1928年ですので、ちょうどいまから90年前のことです。宅配で届けているような、壜の牛乳が始まりでした。牛乳は、原料に生乳を100%使用し、その生乳を殺菌しただけの、加工度が低い商品なので、どこのメーカーが作っても差を出しにくかったんです。なのでせいぜい「脂肪分の高い生乳を使う」「どこどこ産の生乳を使う」といったところでしか差別化ができませんでした。

そんな中、「明治おいしい牛乳」は1989年に「もっと牛乳は美味しくなるはずだ」と研究を重ねて、2001年にようやくテスト発売に辿りつきました。

 

――12年もの時間を研究と開発に費やすということは、よくあることなのでしょうか?

 

石井裕一郎さん(以下:石井) いえ、あまりないと思います。長いです。普通の飲料商品の開発で言うと、「こういうニーズがある」「こういうトレンドがある」といったところから開発をスタートして、1~2年で商品化されることが多いですから。

 

松浦 そういう意味で「明治おいしい牛乳」は、当社の牛乳の知見を生かしながら、「どうやったら違いが出せるだろうか」「全国に流通させるにあたって、どうしたら鮮度を維持し続け、お客さまにお届けすることが出来るだろうか」と突き詰めていったので、研究のスタートから商品化まで12年もの時間がかかったのです。

 

――具体的な開発のポイントは何だったのでしょうか?

 

石井 当時の開発チームは試行錯誤の中で「牛乳嫌いな人が牛乳を嫌う原因である乳臭さを解消すればよいのでは?」という仮説に至りました。すぐには解決方法が見つからずそれから数年が経過してやっと「牛乳の中に溶けている酸素が加熱殺菌する工程で酸化してしまい、おいしさを損ねているのでは?」という次の仮説が生まれたのです。これをもとに技術開発を進め、「牛乳中の溶存酸素を低減した状態で加熱殺菌を行うことでおいしさを向上させる製法」を確立したのです。この製法を当社では「ナチュラルテイスト製法」と呼んでいます。

 

――この堂々とした商品名は、どうやって決まったのですか?

 

松浦 数百の候補のなかから、「明治おいしい牛乳」に決まりました。「おいしい」という言葉は商標登録が出来なくて、ほかにも似たような名前の商品が出せてしまう状況だったようですが、それをわかっていながらも味への自信があったので、あえてシンプルに「おいしさ」を伝えやすくするために、この名前になりました。

↑そのものズバリな商品名。研究に研究を重ねた自信があったからこそ、このシンプルな商品名に至ったそうです

 

 

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