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2018/6/4 19:30

【大人気体験教室】手ぶらで「ビールづくりを体験」できるキリンの教室に行ってみた

大人のロマンといえるのが酒づくり。ただ、大掛かりな機材のほかに免許も必要なので、気軽にできるものではありません。これを叶えてくれるのが体験教室です。今回、大人気を博しているキリンのビールづくり体験教室に参加する機会を得ました。工程のレポートや、完成後の試飲レビューなどをお伝えしたいと思います!

 

数種類のビアスタイルから好みで選べる

体験教室の会場となるのはキリンビール横浜工場。ほぼ毎週の土日と隔週で水曜日に開催されています。スケジュールは朝から夕方までじっくり学ぶもので、この日は9時半に集合。6人でひとつのグループとなり、まずは約40分間、ビールのつくり方やできあがる種類などを勉強。

 

そのなかから、今回自分たちがつくるビールのスタイルを選択しました。一番搾りに代表されるポピュラーな「ピルスナー」や「黒」のほか、「ボヘミアンピルスナー」「赤」「ボック」があり、筆者のグループは「ボヘミアンピルスナー」をチョイス。

↑「ボヘミアンピルスナー」は、通常のピルスナーよりもアルコール度数やホップ香が強いスタイル。ビアスタイルを選べるのも、この体験教室の魅力といえるでしょう

 

その後理科室のような部屋に移動して、ビールづくりがはじまりました。各グループにキリンのビール醸造家さんが講師としてサポートしてくれるので安心です。とはいえ、当然にして手を動かすのは参加者の仕事。分量、温度、混ぜる時間などの注意点は講師が細かく教えてくれますが、基本的にはグループ内で助け合いながら作業をしていきます。

↑エプロンも貸し出してくれます

 

最初は沸かしたお湯に麦芽を入れる工程へ。これは山中湖に水源を持つ丹沢・相模湖水系の水源から取水したもので、工場内でさらに磨いているそうです。そして、まずは麦芽を煮込んででんぷんを糖にする、糖化の作業へ。

↑適温になったお湯に、麦芽を投入

 

↑麦芽といっても、つくりたいビアスタイルによって種類は様々。筆者のチームはピルスナー麦芽を使用しました

 

↑筆者はGetNavi本誌のフード担当・鈴木翔子さんと一緒に参加。昔からビールづくりには興味津々だったそうで、この日は真剣に取り組んでいました

 

狙ったおいしさに仕上げるためには、温度を一定に保たせるとともに絶対焦がさないことが重要。工場では機械で行いますが、小規模の体験教室では人力。上手に混ぜることが必要不可欠です。グループ一丸となって交代でゆっくりと混ぜ、糖化させる工程を終了。これで麦汁ができ上がりました。

↑理科の実験でおなじみの「ヨウ素液」この色が紫色になるとでんぷんがある証拠ですよね。つまり、これがクリアになっているということは、でんぷんが糖になったということ

 

 

ホップを投入してランチや工場見学へGO

頑張った結果、糖度は18.7度に。これはイチゴやリンゴよりも甘い数値とのこと。そして次はこの麦汁をろ過。キリンの商品でも有名な、一番搾り麦汁ができ上がります。この時点で、各グループの一番搾り麦汁を飲み比べてみました。

↑鍋から透明の筒状になった麦汁ろ過機に移し、そこからポンプでさらに濾していきます

 

↑各グループの一番搾り麦汁。黒ビールや赤ビールをつくったグループの液色は濃くなっています

 

↑感想は、ピュアな味わい! ホップが入っていないので苦みがなく、発酵していないのでアルコールや炭酸もなし。そのぶん麦の甘みをダイレクトに感じました

 

そのあとはホップを投入する工程へ。これは雑菌を抑えたり、泡立ちをよくしたり、ビールらしい香りや苦みを付けたりする大切な素材です。産地や種別によって様々なホップがあり、まずはその違いをかぎわけて体感。

↑生のホップは非常に繊細なので、乾燥させたものを使うのが主流。固めて凝縮させたものが粒状の「ペレット」で、加工前の状態になっているものが「毬花」(まりはな)です

 

そのあと実際にホップを手に取り、濾し終わった麦汁に入れて午前の部は終了。ホップの添加は続きますが、そこはキリンの講師にお任せし、参加者はランチへ。

↑全員でペレットを手に、鍋の中へ。ベースはチェコ・ザーツ産のファインアロマホップで、苦味調整のためにビターホップも使用

 

↑料理はメインをハンバーグ、またはサーモンから選べるほか、ライスorパンも。ドリンクは午後の作業があるためビールは飲めませんが「キリン 零ICHI」ならOK

 

ランチも体験教室のプランに含まれています。これを敷地内のレストランで食べ、そのあとはミニシアターへ移動。キリンビールの歴史のVTR視聴からはじまる工場見学へ。

↑VTRは数分ですが、凝った内容で楽しめます

 

↑工場見学も様々な場所を見られます。これは空缶洗浄機。大釜の内部やボトリング、ラベリングなどの一部はCGやプロジェクションマッピングの技術を用いて見せてくれます

 

 

体験教室終了後もお楽しみは盛りだくさん!

工場見学のあとは、午前の部屋に戻ってビールづくりの最終工程へ。ホップを入れることで、味にどんな変化が出たのかを確かめるために再度味見。そして糖度も測りました。その次は麦汁を勢いよく回して撹拌し、ホップなどを沈殿させてクリアにします。

↑午前のとは違うタイプの糖度計でチェック。基準値に達していたので、ここまでの作業がうまくいっていたことを実感

 

↑うぐいす色に見えるのは、ホップなどの沈殿物の山。かき混ぜることで液体の中央にまとまるのです

 

そして作業としては最後の工程へ。ホップで風味付けされた麦汁を保存容器に移し、ビール酵母を注入。これによって発酵が進み、アルコールが生成されるとともに炭酸が発生して完全版のビールとなるのです。

↑ビーカーに入っているのがビール酵母。これにて終了ですが、このあとの管理やボトリングは講師の方々がやってくれます

 

体験教室終了後は、最初に集まったホールに集合。ここでお疲れ様会を兼ねた乾杯と、受講した認定証の授与式や記念撮影を行い、解散となりました。横浜工場がある敷地内にはクラフトビアレストラン「SPRING VALLEY BREWERY YOKOHAMA」や、ジンギスカンやバーベキューが楽しめる「レストランビアポート」があります。もっと飲みたい方はここでくつろぐといいでしょう。

↑キリン一番搾りのほか、一番搾りプレミアムやキリン一番搾り〈黒生〉も飲めます

 

↑工場限定のレアな「亀田の柿の種」もひと袋付いてきます。こちらは別途、同施設内の売店で購入可能

 

↑「SPRING VALLEY BREWERY YOKOHAMA」

 

やがて体験教室から約6週間後。初夏を迎えたちょうどいい時季に、待望のビールが届きました! 冷やして飲んでみると、缶で売られているビールとは違う、パワフルな風味を感じました。やや粗削りなニュアンスもありながら、これが手作りならではの味ということでしょうか。とにもかくにも大満足!

↑特製ラベルが貼られた、330mlのビールが10本!

 

↑通常のピルスナーよりもパンチがあります。これはアルコール度数や苦みの強さが特徴の「ボヘミアンピルスナー」だからでしょう

 

ビールづくり体験は、申し込み方法が2パターンあり。横浜工場のホームぺージからか、キリンのECサイト「DRINX」からとなります。前者は1組4~6名の抽選式で3万円となり、約2~3か月前から応募開始。後者は2名1組で申込む形となり、先着順で1万円。なお今回はラガー(下面発酵)ビールをつくる会でしたが、月1~2回はエール(上面発酵)ビールをつくる会も開催されています。よりレアで人気も高いですが、気になる方はぜひチェックを!

 

【PLACE DATA】

キリンビール 横浜工場

住所:神奈川県横浜市鶴見区生麦1-17-1

アクセス:京浜急行線「生麦駅」より徒歩約10分