グルメ
2019/3/5 16:00

「シビれ」はトレンドから定着へ。それを裏付ける日常的新商品を一挙紹介

昨今のグルメ業界をにぎわせているのが、花椒(ホアジャオ)などを用いた「シビれ」です。その証拠に、ぐるなびは2018年版の「トレンド鍋®」を「しびれ鍋」に決定したほか、「今年の一皿」の準大賞を「しびれ料理」に選定(大賞は「さば」)。また外食産業記者会の「2018年外食キーワード」のひとつには「シビれ」が選ばれました。

 

↑「しびれ」や「花椒」をメニューに登録する飲食店数が2017~2018年で約2倍に ※出典:ぐるなびデータライブラリ調べ(2017年7月~2018年7月)

 

ただ個人的には、まだ外食における側面が強いかなと思っていました。これまでも調味料を中心に花椒などを用いたフードはありましたが、2019年に入ってからは内食や中食市場にも新商品が続々登場!今後はスーパーやコンビニなどでもより商品群が目立ち、いっそう盛り上がるのではないかという予想が。そこで、各社が投入したシビれフードのなかから、いくつかの注目アイテムを紹介したいと思います。

 

ハウス食品は調味料とオー・ザックで多彩に攻める

カレーをはじめ、調味料やスナック菓子など幅広い商品カテゴリ―を持つハウス食品。同社がこの2月に新発売したシビれ商品が、3つの調味料とオー・ザックです。

 

↑左から、「麻辣醤」、「わささんしょう」、「唐がらし族」<麻辣唐辛子>、「オー・ザック」<麻辣味>

 

ハウスはこれまでもグループ内ブランドのGABAN®などからも花椒系スパイスを発売していましたが、新商品はレトロでおしゃれな装い。まずは家庭用チューブ製品として初だという、「麻辣醤」と「わささんしょう」を試してみました。

 

↑「麻辣醤」は38gで、税別参考小売価格は170円。試食では味がよりわかるよう、豆腐に付けてみました

 

豆板醤や粒状のにんにくなどをブレンドしたペーストに花椒を効かせていて、うまみや辛さも十分。余韻にはじわりとしたシビれもあり、エキゾチックなスパイスのニュアンスも。これは、使われている八角に由来するものかもしれません。中華全般、ほかには角煮のように醤油でしっかり味付けした肉料理、トルコや中南米系のエスニック料理にも合いそうな気がしました。

 

↑「わささんしょう」は「麻辣醤」と同量・価格。チューブ入りは気軽に使える点もいいですね

 

こちらは本わさびに、「ぶどう山椒」と藻塩をブレンドしているとのこと。「ぶどう山椒」はぶどうの房のように実ることが由来ですが、「わささんしょう」はほのかに白ぶどうのようなフルーティさを感じるのも斬新です。わさび特有のツーンとしたアタックがありながらも、余韻は上品でスッキリ。塩味のステーキや焼鳥、魚系の照り焼きなど素材の味を生かした料理に合いそうです。

 

↑「唐がらし族」<麻辣唐辛子>。53gで税別参考小売価格は300円

 

唐辛子と花椒それぞれの粉末をブレンドした、正統派の麻辣パウダーという印象です。これ自体の味はほとんどなく、そのぶん料理の味を左右しないので用途は多彩。シンプルに料理のシビ辛度をアップさせたいときに効果的な調味料だといえるでしょう。

 

↑「オー・ザック」<麻辣味>は68gで税別参考小売価格は120円。コンビニエンスストアで先行発売されており、一般発売は3月4日から

 

オー・ザックらしいポテトの味わいを生かしつつ、肉のうまみとピリっとした辛さ&シビれを余韻で演出した後引くおいしさ。麻辣風味はシーズニングで付けているのでトガりすぎず、指が粉まみれにならない点も見事です。

 

ローソンストア100はフェアでスマッシュヒットを狙う!

昨年、「悪魔のおにぎり」などで話題をさらったコンビニ界のコスパ王「ローソンストア100」。同店がいま展開している、悪魔的においしいキャンペーンが「シビれる辛さフェア」です。どれも調理不要なので、手軽にシビれを楽しみたい人には特にオススメ。期間は本日3月5日までなので、お早めに!

 

↑おにぎりやサンドイッチなどの全7品で、108~378円まで様々

 

これらの商品の多くで辛さの決め手となっているのは、花椒を効かせた刺激的な辛子高菜だとか。ここではそのなかから、価格帯別に選んだ3品を紹介します。

 

↑「手巻おにぎり シビれる辛さの高菜」税込108円

 

シンプルな高菜おにぎりながら、花椒がしっかり効いた鮮烈な味。今回の対象商品のなかで1、2を争うほどの辛さとのことで、激辛好きならぜひ試すべき一品です。

 

↑「シビれる辛さのまぜそば風サンド」税込216円

 

麻辣醤で味付けた台湾風まぜそばと、卵黄ソースの二層仕立て。卵黄ソースには花椒入りの非常に辛い高菜漬けと鶏そぼろ、にんじん、玉ねぎ入りで味のインパクトも食べ応えも十分。

 

↑「シビれる辛さの麻婆チキンカツ丼」税込378円

 

白米のうえに、山椒や辣油などでシビれる辛さに仕上げた麻婆ソースをオン。さらに、同工場内で衣付けから丁寧に調理した、大きなチキンカツが丸ごと1枚のったボリューム感。うま辛さだけでなくチキンカツの存在感も追求されており、別添えの和山椒で追いシビれを楽しめるのも特徴です。

 

 

より本格シビれを楽しむなら「虎萬元」の麻辣醤を

全国規模の商品がある一方で、実力派飲食店が手掛けるシビれフードも。そのなかで紹介したいのが、南青山での開業から25周年を迎える「虎萬元」の麻辣醤です。もともと店舗のみの少量販売だったものが、昨年からオンラインショップでも入手できるようになりました。

 

↑「虎萬元 赤の麻辣醤」。170gで税込980円

 

「虎萬元」は、全国に約350店舗を運営する際コーポレーションの原点といえる中国料理店。北京伝統食を中心に、親しみやすい家庭菜と饅頭、餃子などの点心を提供しており、食通で知られる俳優の高嶋政宏さんが、TV「人生最高レストラン」で紹介した名店でもあります。

 

↑ねぎのほか、にんにくや生姜が豆板醤、甜麺醤とともにペースト状になったオイル調味料。香りからして複雑味をもっており、本格的です

 

活用法としては、担担麺のトッピングで試してみました。一般的な袋麺で調理した担担麺が、どれだけグレードアップするのか、期待大です。

 

↑シンプルな袋タイプの即席麺に投入!

 

食べてみると、ひと一口で劇的な味の変化を感じます。辛さやシビれはさることながら、コクとうまみの輪郭が一気にボリュームアップ! 同梱されるレシピに従えば、本格テイストの麻婆豆腐や汁なし担担麺などを手軽に作れるそうなので、シビれ好きなら“買い”な逸品といえるでしょう。

 

次のシビれトレンドは「青花椒」に注目だ!

個人的に、シビれトレンドにはネクストステップがあると思っています。それは、辛さよりもシビれや香りに振り切った刺激。これは花椒そのものともいえるのですが、特に注目したいのは「青花椒」(青山椒や藤椒とも言われます)という、字の如く実の青い四川山椒です。

 

↑筆者が池袋の“大陸系スーパー”で購入した青花椒粒。この店は入りづらい雰囲気が否めないものの、たっぷり入って約300円という安さは魅力的

 

入手しやすいところでいうと、前記のGABAN®から発売されている「GABAN® グルメミル 四川青山椒入」。また、「虎萬元」には季節限定で「青の麻辣醤」がラインナップしています。

 

↑「虎萬元 青の麻辣醤」は170gで税込1280円。季節限定なのでご注意を

 

「青花椒」の特徴は、爽やかでシャープな香り。シビれにハマって、一般的なシビれ調味料や花椒に物足りなさを感じたら、ぜひ試してほしいと思います。