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2019/3/26 17:00

ニッカウヰスキー生産拠点のひとつ「宮城峡蒸溜所」が50周年。7つのトリビアと30万円の記念ボトルで深掘り解説

昨今のウイスキーブームのきっかけといえるのが、2014~15年に放送された朝ドラ「マッサン」。主人公のモデルとなった、竹鶴政孝氏が設立したニッカウヰスキーの蒸溜所は北海道の余市と宮城県の宮城峡があり、後者は2019年で50周年を迎えます。

 

そこで今回は、現地でお披露目された記念商品を紹介。併せて、まずは宮城峡蒸溜所に関する7つのトリビアを解説していきたいと思います。

 

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自然への敬意と独自の設備から生まれる個性豊かな原酒

竹鶴氏は1934年に余市蒸溜所を設立。そのうえで氏が目指したのは、複数の蒸溜所で生まれた個性の異なる原酒をブレンドし、より芳醇なウイスキーをつくること。そのために探し求め、たどり着いたのが冷涼な東北地方の山あいでした。そして1969年の5月10日に宮城峡蒸溜所が竣工。まずは、いくつかのトリビアを紹介していきましょう。

 

その1:敷地内は傾斜していて坂道も多い

蒸溜所の特徴のひとつが自然への敬意。地形や森林を守り、景観にも細かな配慮がなされています。そのため、伐採は最低限に留めるとともに樹木も残され、電線はすべて地下に埋設。また、土地の起伏も活かしているので製造工程ごとに建物が分かれているだけでなく、各建物の高さも異なります。敷地を平らにして全工程をひとつの建物に入れるのが生産効率上は合理的ですが、自然を守ることを優先した結果がここにあらわれています。

 

その2:レンガの色が赤い

「自然を大切にしなければおいしいウイスキーはつくれない」という竹鶴氏の理念は、建物の色にも。レンガの配色を赤くすることで、バックにそびえる鎌倉山をはじめ、豊かな緑が一層映える設えに。

 

その3:新川(にっかわ)との運命的な出合い

地形の特徴は広瀬川と新川、ふたつの清流に囲まれていること。また、仕込み水として使われているのは、蔵王連峰を経て流れてくる清らかな新川の伏流水。川の読み方は、しんかわではなく、にっかわです。「ニッカ」という社名に似た河川が理想の水質だったことは、偶然ではなく必然だったのかもしれません。

 

その4:世界最新鋭のコンピューター制御を導入

自然との共生と調和を目指した一方、テクノロジーも積極的に取り入れています。代表的なものが、当時の食品業界としては最新鋭だったコンピューター制御。24時間体制で管理することで、高品質で安全なウイスキーをつくっています。

 

その5:自然への敬意はポットスチルにも

竹鶴氏は広島の造り酒屋の生まれのため、お酒=御神酒(おみき)という概念がありました。そこで日本酒と同じように、神との結界点であるしめ縄で、ポットスチルを清めています。ここでいう神は、自然。その想いは前記したように、地形や森林を守ることにも通じています。

 

その6:独自の設備から生まれる個性的な原酒

ニッカウヰスキーは、世界でも希少な設備を多数揃えています。たとえば、余市蒸溜所は世界唯一といわれる石炭直火蒸溜を採用。800℃以上で焦がすように炊くことで香ばしい原酒を生み出し、ストレートヘッド型のポットスチルでダイレクトに抽出します。対する宮城峡蒸溜所は130℃。胴部に膨らみがある「バルジ型」で、上部のラインアームは上向き。ずっしり重い液体は膨らみの部分に溜まって落ちることで、軽やかなものが選ばれ、それによってライトで華やかな原酒がつくられるのです。炊飯器で例えるなら、羽釜で炊いたおこげのあるご飯は余市。電気釜で炊いたきれいなご飯は宮城峡、といえるでしょう。

 

その7:世界でもごく少数のカフェ式連続式蒸溜機

宮城峡蒸溜所にある希少な設備は、ポットスチル(単式蒸溜器)のほかにも。それが、カフェ式連続式蒸溜機。これは連続的に発酵液を流し入れ、気化と凝縮をひとつの蒸溜機内で連続的に行うことで、高いアルコール度数の蒸溜液を得るシステムのこと。モルト原酒のほか、穀物由来のグレーンや、ジンやウォッカもこのカフェ式連続式蒸溜機でつくられています。

 

↑左のふたつが「ニッカ カフェウオッカ」と「ニッカ カフェジン」

 

ちなみに、「ウイスキーなのに、なぜカフェ?」と思う人もいるかもしれません。それは1830年、アイルランドのイーニアス・カフェ氏が改良し特許を取得した連続式蒸溜機だからです。

 

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