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2019/7/11 17:30

愛されて25年! 国民的人気アイス「明治エッセル スーパーカップ」の開発秘話を聞いた

こちら前田アイス探偵事務所 第43回「25周年を迎える明治エッセル スーパーカップの歴史について調査せよ!」

ここは、都内某所にあるアイス専門の探偵事務所「前田アイス探偵事務所」。所長は、“アイスは1日3個まで”をモットーに、月間90個以上のアイスを食べる声優でアイスフェアリー(自称)の前田玲奈だ。

 

この探偵事務所には、アイスに関する各種調査の依頼がやってくる。新人助手と2人で、日々アイスについて探したり調べたり食べたり食べたり食べたりしている。

 

さて、今日はどんな依頼があるのだろうか……。

↑前田玲奈さん

 

25周年を迎えるエッセルスーパーカップの裏側を調査!

助手「この前発売された、明治エッセル スーパーカップ Sweet’sシリーズのマンゴー杏仁、おいしかったですね」

 

所長「そうね。もうコンビニに並んでいたから、買っておいたよ」

 

助手「おお、ありがとうございます……。って冷凍庫ぎっしりになるくらい買わなくたっていいじゃないですか! ただでさえ、ほかのアイスでギュウギュウなのに」

 

所長「期間限定のフレーバーはすぐに在庫なくなっちゃうから、早め早めに確保するのが常識よ」

 

助手「まあ、わかりますけど。そういえばこんな調査依頼が来ています」

 

【調査依頼】

エッセルスーパーカップが今年生誕25周年を迎えるそうです。そこで、エッセルスーパーカップの誕生秘話やこれまでの歴史、そしてどのようにフレーバーの開発をしているのかを調査してください

 

所長「アイスクリームの開発って興味あるし、それにエッセルスーパーカップ25周年のお祝いもしなきゃね」

 

助手「それでは行きますか!」

 

エッセル スーパーカップのコンセプトは「でかくてうまい」

助手「こちらが、本日お話しを伺うフローズンデザート マーケティング部の松野友彦さんです。このコーナーに登場して頂くのは2回目ですね」

 

松野さん(以下、敬称略)「よろしくお願いします」

↑明治 フローズンデザート マーケティング部 松野友彦さん(左)

 

所長「まずはエッセルスーパーカップ25周年おめでとうございます。25年というとGLAYやサマンサタバタと同級生ですね。私は生まれたころからエッセルスーパーカップがある世界に生きているわけですけど、発売当初のコンセプトというのはどんな感じだったんですか?」

 

松野「エッセル スーパーカップになる前に、エッセルというカップアイスがありまして。昔のカップアイスに多かった、落とし蓋タイプでした。それをかぶせるタイプのフタに変更して、エッセルスーパーカップという形で発売したのが1994年になります」

 

所長「昔のカップアイスは落とし蓋タイプでしたよね。フタの出っ張った部分を引っ張って開ける」

 

松野「そのタイプだと、内容量が少なくなってしまうんです。そこでフタを見直して、量を増やそうということで始まりました。でかくてうまいを目指したというわけです」

 

所長「当時はそういうコンセプトのアイスなかったですよね」

 

松野「当時は、他社のカップアイスが売れていましたが、エッセルスーパーカップが発売されると、勢力図がガラッと変わりました」

 

所長「カップアイス界に革命を起こしたわけですね」

 

定番3フレーバーに肉薄する人気フレーバーは?

所長「今回、定番のバニラ、抹茶、チョコクッキーをリニューアルしたということですが、味の見直しというのは定期的に行われているものなんですか?」

↑現在のレギュラーフレーバーは抹茶、チョコクッキー、超バニラの3種類

 

松野「前回は4年前にリニューアルしています。今回の場合、特にバニラをどういう方向性でリニューアルしようかというのが最大のテーマでした。エッセルスーパーカップ超バニラのよさというのは、ラクトアイスならではのフレーバーの立ち方と後味のキレというところです。そのキレのよさをより強くしたというのが、今回の超バニラですね」

 

助手「確かに、食べてみると後味がかなりスッキリしていますね」

 

所長「ほか2つのフレーバーも変えているんですか?」

 

松野「抹茶は風味を濃くしています。社内で以前の抹茶はちょっと薄いという意見が上がっていたので」

 

所長「ちょっとサッパリしているほうが、大容量でも食べやすいという感じなのかなと思っていたのですが」

 

松野「そういう体だったんですけどね(笑)。最近は訪日外国人観光客の方も増えていますし、抹茶フレーバーの需要が上がってきているので、より抹茶感を出そうという方向になりました」

 

所長「最近は濃い味が流行っていますからね」

 

松野「それに合わせて、チョコクッキーも濃厚な味わいにしています」

 

所長「定期的に期間限定フレーバーも発売されていますが、評判のよかったフレーバーはどれですか?」

 

松野「圧倒的にクッキーバニラとチョコミントですね。この2つは、通年販売のレギュラーに入ってきてもおかしくないくらい人気のフレーバーです」

 

所長「でも、レギュラーフレーバーは超バニラ、抹茶、チョコクッキーなんですよね。そこまでではないという感じなんでしょうか」

 

松野「レギュラー3品は、あまり崩れるというイメージがないんですよね。絶妙なバランスだと思っています。たとえば、チョコクッキーの代わりにクッキーバニラを入れるというのは、あまり考えられないというか」

 

所長「なるほど。不動のレギュラーという感じなんですね。期間限定フレーバーはこれまで70種類以上出ていますが、チョコミントなどは何回も発売されています。その場合もフレーバーに手を加えたりしているのですか?」

 

松野「多少は調整しています。ただし、前作の味が好評だったという場合はそのままということもあります。思ったほど売れなかったなというものは、変えるポイントを見極めて、味を変えたりパッケージを変えたりということをしています」

 

所長「その変更により前よりも売れたりすることはあるのですか?」

 

松野「しますね。特に味よりもパッケージのほうが大きいかもしれません」

 

所長「そうですよね! CDでもジャケ買いってありますからね。パッケージは大事だと思います」

 

意外とアイスクリームと相性が悪いのは○○系

助手「所長は、エッセル スーパーカップシリーズで印象に残っているフレーバーはどれですか?」

 

所長「チョコミントはもれなくテンション上がりますね。あとは、アーモンドチョコとか。Sweet’sシリーズのフルーツタルトもおいしかったです」

 

松野「ありがとうございます。それらももちろん人気があったのですが、チョコチップバニラなども好評でした。やはり、アイスクリーム専門店で人気のあるフレーバーは受け入れられやすいのかなと思います」

 

助手「大変失礼な質問なんですが、逆にあまり受けなかったフレーバーがあったら教えていただけると」

 

松野「フルーツ系ですかね。アイスクリームは乳製品なので、いちごなどの一部のフルーツを除いて、あまり合わないものもあります」

 

所長「巨峰などもあったんですね。メロンは2回発売されていますけど人気があったんですか?」

 

松野「1回目は好評でした。しかし、2回目の発売ではそこまではいきませんでした。1回目はよかったけど2回目はちょっとというフレーバーはいくつかありましたね」

 

所長「最初は珍しさもあって買っちゃいますもんね。待ってました! という感じで」

 

松野「待ってました系でいうと、チョコミントやクッキーバニラになるんですよね。もはや定番といってもいいくらいです」

 

新フレーバー開発のポイントはトレンドとターゲット

所長「新フレーバーの開発というのは、どのくらいの期間がかかっているんですか?」

 

 

松野「いまは2か月サイクルで年間6個の新製品を発売しています。アイデア出しは1年くらい前から、開発チームとマーケティングチームで話し合って。そのなかからいくつかの候補を研究所のほうに開発依頼をします」

 

所長「味を決める会議というのはどういう感じで行われているのでしょうか」

 

松野「フレーバーは、先ほど言ったとおり、開発チームとマーケティングチームの会議で決めます。そのときどきのトレンドだったり、ターゲットとなる年齢層を決めて、フレーバーを絞り込んでいくという感じですね」

 

所長「ターゲティングというのは重要ですね。どんな人に食べてもらいたいのかという」

 

松野「エッセルスーパーカップは中高生が主なターゲットなんですが、それ以外の層にリーチするためにはどんなフレーバーがいいのかということは、常に考えています。今年の1月に発売した紅茶クッキーは女性をターゲットにした商品だったんですが、かなり好評でした」

 

所長「あれはおいしかった! 」

 

松野「ありがとうございます。あとは季節ですね。夏場は気温が高いのでアイスクリーム全体が売れるんですが、気温が下がる秋冬のことを考えて、どういう層の方に食べていただきたいかということをメインに、フレーバーを考えますね」

 

所長「そうやってフレーバーを決めたあと、試作品ができてくると」

 

松野「開発チームと研究所が試作品を作って何度かやりとりをして、合意してできたものが会議に上がってきます。それをみんなで食べて、いけるかいけないか判断するという感じですね」

 

所長「ちなみにいま、巷ではタピオカブームがきていますが、そういうスイーツだったりデザートだったりのブームみたいなものはチェックされているんですか?」

 

松野「開発チームはチェックしています。実際に食べに行くこともあります」

 

所長「いろいろなところに調査に行かれて、経費でスイーツ食べてるわけですね。うらやましい」

 

松野「仕事ですから(笑)」

 

Sweet’sシリーズはケーキ以外のスイーツへ進出

所長「エッセル スーパーカップは、ちょっとリッチなSweet’sシリーズがありますが、通常のシリーズとの違いというのはどんなところでしょうか」

 

松野「スイーツは、層状構造になっていて、いろんな素材や食感を一度に味わえるのがポイントです。それをカップアイスで表現したのがSweet’sシリーズです。その第1弾が苺ショートケーキでした。その後、ティラミス、ブルーベリーチーズケーキ、アップルタルト、ショコラオランジュと発売しました。ほぼケーキだったんですね」

↑過去に発売されたSweet’sシリーズの一例

 

所長「今回発売されたマンゴー杏仁は、今までとはちょっと違う路線ですよね。ケーキではないという点で」

 

松野「Sweet’sシリーズのフレーバーを開発するにあたって、王道のケーキをやってしまったので、だんだんニッチなフレーバーになっていってしまったんです。しかしそれでは、幅広い層に届けたいという思いからエッセルスーパーカップというブランド名を付けている意味合いが薄れてしまう。ある程度認知度の高いフレーバーのスイーツを扱うには、ケーキ以外のスイーツにもフィールドを広げていこうということで、マンゴー杏仁になりました」

↑明治エッセル スーパーカップ Sweet’s マンゴー杏仁

 

所長「杏仁は、エッセルスーパーカップシリーズで以前にも出されていますね」

 

松野「2007年ですね。このときとはかなり違うと思います。果肉もふんだんに入れていますし、よりスイーツ感が高くなっていると思います」

 

エッセル スーパーカップのチャレンジ精神が生んだ超レアシリーズとは?

所長「エッセルスーパーカップ25年間の歴史のなかで、Sweet’sシリーズのほかに、何かシリーズ化されたものとかありますか?」

 

松野「昔はいろいろチャレンジしていたこともあります。私が知っている限りでは、エッセル ターボカップというものがありました」

 

所長・助手「ターボカップ?」

 

松野「そうなりますよね(笑)。やはり、商品名がお客さんに伝わりづらかったんですよね。2006年1月に発売したのですが、容量は120mlと小さめです。バニラとストロベリー、プリンがありました」

↑明治エッセル ターボカップシリーズ

 

所長「な、なぜターボだったんでしょう」

 

松野「スーパーの次はターボだろうという(笑)。当時はそういう話になったようですよ。ものの見事に失敗したんですが」

 

所長「全然覚えてないわ……」

 

松野「プリンとか結構おいしかったんですけどね」

 

所長「ネーミングでいうと、超バニラっていうのもすごいですよね」

 

松野「そうなんですよ。前身のエッセル時代と比較して、コクとキレをアップさせており、それまでの100円の品質を超す、ということで『超バニラ』と」

 

所長「わかりやすくていいですよね。スーパーカップで超バニラですからね(笑)。今日は興味深いお話ありがとうございました」

 

25周年記念イベントも展開中! 今年の夏はエッセルスーパーカップを楽しもう

助手「いやー、すごくおもしろい話でしたね」

 

所長「長年疑問に思っていたことも聞けたし、どうやってアイスのフレーバーが決まっていくのかもわかったし、たいへん有意義だったわ」

 

助手「そうでうすね。では、調査報告書です」

 

【調査報告書】

エッセルスーパーカップは「でかくてうまい」をコンセプトに、25年間にわたってさまざまなフレーバーを開発。そして定番フレーバーも定期的にアップデートされ、常に新しいおいしさを追求している。ただしネーミングセンスは独特

 

所長「OK。大丈夫よ。そういえば、この夏はエッセルスーパーカップ25周年イヤーということで、自分の写真をデザインしたカップが作れるエッセルニコニコキャラバンをやっているそうよ」

 

助手「お、これはおもしろそうですね。これもぜひ調査したいですね」

 

所長「モチのロンよ! よし、ニコニコキャラバンに向けてシェイプアップしなきゃ」

 

助手「じゃあ、アイスを食べる量を減らすんですか?」

 

所長「違う違う。いつもアイスを買っているコンビニじゃなくて、ちょっと遠いコンビニまで歩いて行くの!」

 

助手「び、微妙だな〜」

 

文/三浦一紀

 

【前田玲奈さん情報】

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