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2016/6/8 17:27

世界初の「日本酒セラー」を中田英寿氏らが開発 ! デザインはnendoの佐藤オオキ氏が担当

日本全国250か所以上の酒蔵訪問を経て、期間限定バーやイベントの開催など日本酒の魅力を広く発信している元サッカー日本代表・中田英寿氏。

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自身も立ち上げメンバーとして名を連ねる「モノづくりニッポン e仕事×ReVALUE NIPPON」プロジェクトの第三弾として企画されたのが、“世界初”となる日本酒セラーの開発でした。まず中田氏が着目したのが、日本酒の温度管理に関する問題です。

 

「僕が全国の酒蔵をまわっているときに、各蔵元に行くと酒造りの過程以上に搾った後の冷蔵管理に凄く気を使っているんですね。それを見たときに、日本酒もしっかり温度管理しなくてはいけないものなんだと気付きました」

 

ワイン同様に最適な状態で保存できるようになれば、日本酒はもっと世界に広められると考えた中田氏。ここから日本酒セラー開発プロジェクトがスタートします。プロダクトデザイナーには、世界基準のデザインオフィスnendo代表の佐藤オオキ氏を起用。また、信頼関係を築いてきた蔵元には温度設定面で協力を仰ぎ、今までにない“日本酒のための家”が完成しました。

 

最大の特徴は、マイナス5℃~15℃までの温度帯を変えられる3部屋を用意し、日本酒とワイン両方の管理ができる点。日本酒に限定せずワインへの機能も柔軟に取り入れ、セラーの汎用性を高めるという開発の根本的なテーマも、中田氏がこだわったところです。

 

「ワインは13~15℃の温度帯で管理し、そこに湿度も与えなければいけない。一方、日本酒は0度前後の低温管理が基本で、さらに湿気を嫌います。温度を上げるものと下げるもの、湿度を与えるものと除くものという、まったく異なる性質をひとつの機械に搭載させるのは、非常に苦労しました」

 

まさにここが、この日本酒セラーが“世界初”の理由。氏の想いを佐藤オオキ氏が具現化した「なまこ壁」をモチーフにした鏡面仕上げの外装も、今までのセラーの概念を覆す斬新なデザインです。

↑外壁はまさかの鏡面! 圧倒的な存在感を放つ
↑外壁はまさかの鏡面! 圧倒的な存在感を放っています

 

↑室ごとに厳密な温度管理が可能。LEDも美しい
↑室ごとに厳密な温度管理が可能。LEDも美しいです

 

↑ワインも日本酒と一緒に管理できる新提案
↑ワインも日本酒と一緒に管理できる新提案

 

開発から完成まで約半年、中田氏が日本酒セラー初披露の場に選んだのが、香港で5月24日(火)から3日間開催された世界最大級のワイン・スピリッツ見本市「VINEXPO2016」です。日本酒ブースには磯自慢・伯楽星・東洋美人・初亀の蔵元が接客を担当し、全12蔵の日本酒の試飲が行われるなど、適温管理された日本酒の“おいしさ”を訴求しました。

↑日本各地の蔵元が、適温管理の日本酒のうまさをPR。
↑日本酒ブースで提供された試飲銘柄のラインナップ

 

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↑日本各地の蔵元が、適温管理の日本酒のうまさをPR

 

開催日初日は中田氏をはじめ開発責任者も取材に応じ、海外メディアやワイン関係者、さらに「VINEXPO香港」CEOのギヨーム・ドゥグリース氏も来場。多くの出展企業が集まる会場の中で、ひと際高い関心を集めていました。

 

日本酒セラーをワインの国際見本市でいち早く披露した理由を「温度管理に対する理解の高いワイン関係者に披露することで、より早く日本酒セラーの存在を知ってもらえると思った」と語る中田氏。さらにまた一歩、日本酒が世界のスタンダードになる日が近づきました。

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なお、このセラーは、まだ市販予定や価格など詳細は未定。当面はB-Bでの展開となりそうですが、これまで「なかった」ものですので、注目度はVINEXPOでも特大! 中田氏のインタビューを交えた詳細は、後日アップ予定ですので、楽しみにしていてください!