「ポテトチップス」は、カルビーの看板ブランドであり、日本を代表する定番菓子のひとつです。老若男女に愛され、スナック菓子市場でのシェアは7割以上。そんな国民的ブランドの魅力を掘り下げます。
人気スナック菓子を支える顔の見える商品作り
日本のスナック菓子の代名詞といえば、カルビーのポテトチップスです。1975年に誕生。記念すべき第1弾商品はうすしお味でした。翌年にのりしお、78年にコンソメパンチを発売し、その人気を不動のものにしました。
カルビー ポテトチップスの魅力のひとつは、豊富なラインナップです。限定商品も加えると年間100種近くの味を用意し、常に新しい驚きを届けてくれます。そしてその膨大なラインナップを支えるのは、35年以上にわたって続けてきた契約農家とのじゃがいも作り。北海道だけでも1000人以上の生産者と契約し、「ポテトチップスづくりは土づくりから」をモットーに二人三脚で取り組んできました。さらに、消費者にも彼らの顔が見えるように、公式HPでは、1袋単位で使われているじゃがいもの産地や生産者、生産工場を確認できるサービスも提供しています。こうした顔の見える生産体制も、ポテトチップスの人気を支えているといえるでしょう。
スナック菓子販売数No.1 ●アマゾン売れ筋ランキングスナック菓子カテゴリー(2019年10月9日時点)
DATA
発売年:1975年
2017年度販売数:約9億4000万袋
現行ラインナップ:21フレーバー
●国内販売商品のみ、期間限定商品は除く
【その1】肉と野菜のうまみを凝縮したスープに秘伝のスパイスをプラス
ポテトチップス コンソメパンチ
■1978年11月発売 ■販売地域:全国
■サイズ:28g、60g、135g、140g(5袋パック)、170g
■60gあたりのカロリー/食塩相当量:334kcal/0.6g
実売価格120円(60g)
味の決め手は、肉と野菜をじっくり煮込んだコンソメスープ。うまみを凝縮するためにゆっくり寝かせたあと、特殊な製法で乾燥させパウダー状に。秘伝のスパイスや隠し味の梅もおいしさの秘密です。名前の「パンチ」は発売当時の流行語が由来。
定番の味
「うすしお味」や「のりしお」といったロングセラーや、限定販売中に好評を得て定番化した「しあわせバタ〜」など。バラエティに富んだ味わいが、日本全国どこにいても楽しめます。
【その2】ポテトチップス うすしお味
■1975年9月発売 ■販売地域:全国
■サイズ:28g、60g、85g、135g、140g(5袋パック)、170g
■60gあたりのカロリー/食塩相当量:336kcal/0.5g
実売価格120円(60g)
パリッと軽い食感と、じゃがいも本来のうまみに塩気をキリッと効かせたメリハリのある味。最近、おいしさはそのままに食塩使用量を約5%削減しました。
【その3】ポテトチップス のりしお
■1976年10月発売 ■販売地域:全国
■サイズ:28g、60g、85g、135g、140g(5袋パック)、170g
■60gあたりのカロリー/食塩相当量:334kcal/0.8g
実売価格120円(60g)
メリハリのある塩味に、風味豊かな青のりが絶妙なバランスで調和。香ばしいチップスの食感に、和の要素が見事にマッチした“のりのり”なおいしさです。
【その4】ポテトチップス フレンチサラダ
■1982年発売 ■販売地域:全国
■サイズ:60g
■60gあたりのカロリー/食塩相当量:333kcal/0.7g
実売価格120円
ビネガーの爽やかな酸っぱさを楽しめるフレンチドレッシング味。発売当時は斬新だったが定着し、いまや不動の人気に。赤と緑のつぶつぶが特徴です。
【その5】ポテトチップス しょうゆマヨ
■2001年発売 ■販売地域:全国
■サイズ:60g
■60gあたりのカロリー/食塩相当量:333kcal/0.7g
実売価格120円
たまりじょうゆと生揚しょうゆにマヨネーズを混ぜ合わせた、まろやかでコクのある味わい。酸味と甘味が好バランスでマヨラー以外にもファンが多い。
【その6】ポテトチップス しあわせバタ〜
■2010年発売 ■販売地域:全国
■サイズ:60g、135g、170g
■60gあたりのカロリー/食塩相当量:333kcal/0.7g
実売価格120円(60g)
バター、はちみつ、パセリ、マスカルポーネチーズを絶妙なバランスで調合した、ほんのり甘じょっぱくてリッチなテイスト。あとを引くおいしさです。
コンビニ限定販売
【その7】ポテトチップス コンソメWパンチ
■2004年発売 ■販売地域:全国
■サイズ:75g、150g
■75gあたりのカロリー/食塩相当量:414kcal/0.9g
実売価格150円(75g)
国民的フレーバー「コンソメパンチ」のファン向けに、より濃厚な味付けで仕上げた一品。コンソメの風味を2倍にした、パワフルな味わいです。
コンビニ以外で限定販売
【その8】ポテトチップス ギザギザ味わいしお味
■1998年発売 ■販売地域:全国
■サイズ:60g
■60gあたりのカロリー/食塩相当量:336kcal/0.7g
実売価格110円
ザクッとした豊かな食感と素材の風味を生かすこだわりの味付け。厚切りに合わせて特別にブレンドした塩を使い、味わい深く仕上げています。
【その9】ポテトチップス ギザギザコク深いチキンコンソメ
■1998年発売 ■販売地域:全国
■サイズ:60g
■60gあたりのカロリー/食塩相当量:333kcal/0.7g
実売価格110円
食べ応えのある食感に合わせて、コンソメパンチとは異なる特製ブレンドのチキンコンソメを使用。チキンによる深いコクと、うまみを楽しめます。
地域限定の味
地域ごとの特産品を生かした限定フレーバーも人気。現地に行けばコンビニやスーパーで手軽にゲットできるので、どれも一度は食べていただきたい。
【その10】ポテトチップス 北海道バターしょうゆ味
■1993年発売 ■販売地域:北海道・東北・中部
■サイズ:58g、83g、132g、165g
■58gあたりのカロリー/食塩相当量:322kcal/0.6g
実売価格120円(58g)
ミルキーでコク深い北海道産のバターを100%使ったパウダーに、香ばしいしょうゆの風味がマッチ。リッチな味わいながらも重さはありません。
【その11】ポテトチップス のり塩パンチ
■2012年4月発売 ■販売地域:東北・関東・中部
■サイズ:60g
■60gあたりのカロリー/食塩相当量:333kcal/0.8g
実売価格120円
高品質な有明産100%の焼きのりを贅沢に使用。そこにとうがらしを効かせて、ほんのりピリ辛な後味をプラス。辛味がのりの風味を引き立てています。
【その12】ポテトチップス 白しょうゆ
■2012年発売 ■販売地域:中部
■サイズ:58g
■58gあたりのカロリー/食塩相当量:321kcal/0.7g
実売価格120円
愛知県で醸造された白しょうゆに、かつお節と昆布のうまみをプラス。日本の伝統的な素材でまろやかに仕上げた、飽きのこないやさしい味わいです。
【その13】ポテトチップス 関西だししょうゆ
■1995年発売 ■販売地域:中部・近畿
■サイズ:58g、83g、132g、165g
■58gあたりのカロリー/食塩相当量:321kcal/0.6g
実売価格120円
円熟味のある関西風のだしが効いた、上品な味わい。かつおの風味とまろやかな昆布のうまみによるふんわり豊かな余韻がおいしさの決め手です。
【その14】ポテトチップス 瀬戸内レモン味
■2012年発売 ■販売地域:中国・四国
■サイズ:58g
■58gあたりのカロリー/食塩相当量:321kcal/0.7g
実売価格120円
瀬戸内産レモンのフレッシュな香りとほどよい酸味、そして皮のほろ苦いニュアンスが心地良い。黒こしょうの辛味が良いアクセントに。
【その15】ポテトチップス わさび味
■2015年発売 ■販売地域:中国・四国・九州
■サイズ:50g
■50gあたりのカロリー/食塩相当量:278kcal/0.5g
実売価格120円
厚切りのギザギザカットにすることで、じゃがいも本来のうまみを増強。わさびの辛味を加えることで、ツンッとあとを引く和の味わいに。
【その16】ポテトチップス 明太子バター味
■2015年発売 ■販売地域:中国・四国・九州
■サイズ:50g
■50gあたりのカロリー/食塩相当量:277kcal/0.5g
実売価格120円
博多名物の辛子明太子の刺激に、コクのあるバターの風味をマッチング。ピリッとしたニュアンスとマイルド感が交じり合い、厚みのある味わい。
【その17】ポテトチップス 九州しょうゆ
■1993年発売 ■販売地域:中国・四国・九州
■サイズ:58g、83g、132g、165g
■58gあたりのカロリー/食塩相当量:320kcal/0.7g
実売価格120円
九州ではおなじみの甘口しょうゆの味わいを表現。コク深い鶏のだしが味の骨格を支え、九州しょうゆの豊かな香りとうまみを底上げしています。
【その18】ポテトチップス シークヮーサー味
■2016年発売 ■販売地域:沖縄
■サイズ:58g
■58gあたりのカロリー/食塩相当量:321kcal/0.7g
実売価格120円
沖縄を代表する柑橘・シークヮーサーの果汁と、石垣島の水から作った塩「石垣の塩」を使用。爽やかな香りと味覚が口いっぱいに広がります。
ポテトチップス クリスプ
2016年には、要望が多かった成形タイプの「ポテトチップスクリスプ」が登場。独自のザクザク感がもたらす食べ応えや、絶妙な味付けで人気です。
【その19】ポテトチップスクリスプ うすしお味
■2016年8月発売 ■販売地域:全国
■サイズ:Sサイズ(50g)、Lサイズ(115g)
■50gあたりのカロリー/食塩相当量:256kcal/0.4g
実売価格235円(Lサイズ)
生地の水分とフライ時の水分をコントロールして調理し、最適なサイズとカーブ設計を研究。クリスピーな生地の味を、ほど良い塩味が引き立てます。
【その20】ポテトチップスクリスプ コンソメパンチ
■2016年8月発売 ■販売地域:全国
■Sサイズ(50g)、Lサイズ(115g)
■50gあたりのカロリー/食塩相当量:255kcal/0.7g
実売価格235円(Lサイズ)
練り込みと後がけ調味を組み合わせて味付け。食べた瞬間、パンチが効いたコンソメの風味が口いっぱいに広がり、ラストの余韻までおいしい。
【その21】ポテトチップスクリスプ ブラックペッパー味
■2017年10月発売 ■販売地域:全国
■サイズ:Sサイズ(50g)、Lサイズ(115g)
■50gあたりのカロリー/食塩相当量:255kcal/0.5g
実売価格235円(Lサイズ)
パリッと心地良い食感に、香り高い黒こしょうの適度な辛味がエッジを効かせた一品。チキンとオニオンのうまみが味の土台を固めています。
●赤字で表記したサイズは、各フレーバーのレギュラーサイズを表す
【Check! 】カルビーポテトチップスQ&A
国民的ブランドながら、身近すぎて(?)知らないことも。カルビーのポテトチップスにまつわる豆知識を公開!
【Q1】ポテトチップスの袋に描かれているキャラクターの名前は?
【A】通称「ポテト坊や」
正式名称はないが、「ポテト坊や」の愛称で親しまれています。1976年からパッケージに登場していて、生みの親は70年代後半から90年代にかけて女子中高生を中心に人気を博したイラストレーター・原田 治氏。
【Q2】ポテトチップスは年間で何袋作られている?
【A】約9億袋(2017年度) ●袋タイプのみ
工場の稼働日数により生産数に変動はあるものの、1日に約300万袋が製造されている計算。ちなみに同社の「かっぱえびせん」は年間で約2億4000万袋作られています。
【Q3】ポテトチップス1袋に使われるじゃがいもの数は?
【A】大体2〜4個
60g入りのポテトチップス1袋に、1個約100gのじゃがいもを2〜3個。コンビニ限定で売られている85g入り1袋には、3〜4個使われています。
【Q4】しあわせバタ〜の「しあわせ」とはどういう意味?
【A】4つの素材を合わせているという意味
「しあわせバタ〜」の味の決め手は、バター、はちみつ、パセリ、マスカルポーネチーズ。これら4つの素材を合わせていることから、「4(し)あわせ」と付けられました。
【Q5】どのような種類のじゃがいもを使っている?
【A】トヨシロやスノーデンといった加工用のじゃがいも
男爵やメークインなど、料理に使うじゃがいもは生食用なのに対し、ポテトチップスに使うのは加工用。薄くしやすく、焦げにくいのが特徴です。
【PICK UP!】海外でしか食べられないポテトチップスカタログ
カルビーのポテトチップスは、海外でも人気です。ここでは海外でしか手に入らない3商品を紹介します。
【シンガポール】ポテトチップス ホット&スパイシー
【香港】ポテトチップス 熱浪
【韓国】ポテトチップスうすしお味
GetNavi編集部員の“推しポテチ”はコレだ!
ラインナップが豊富なだけに、人によってイチオシが異なるのもポテトチップスの面白いところです。編集部員の“推しイモ”も見事にバラけました!
ポテトチップス 瀬戸内レモン味
「口に入れた途端に香る瀬戸内レモンの風味がとにかく上品。高級感すら感じさせます。おしゃれな器に盛ってお酒を飲みながら、一枚ずつじっくり食べたくなる完成度の高さ」
本誌統括編集長 正田省二
ポテトチップス 関西だししょうゆ
「フワッと広がるだしの香ばしさがたまらない! 濃い目の味付けにもかかわらず飽きずに完食できるのは、かつおと昆布のバランスが良いから。日本のお菓子らしい、奥行きを感じる逸品」
本誌副編集長 川内一史
ポテトチップスクリスプ コンソメパンチ
「一般的なポテトチップスとは違う、クッキーのような歯応えにポテチ道の奥深さを感じます。コンソメが練りこまれていて、味が均一なのも◎。仕事中につまみやすい筒型の箱も良い」
本誌ディレクター 森 有史
ポテトチップス フレンチサラダ
「店頭でなかなかお目にかかれないので、見つけたらいつも即買い。ビネガーの味が食欲をそそり、むしゃむしゃ食べられます。酸味の効いたスナックが好きな人にオススメ!」
本誌生活家電担当 青木宏彰
ポテトチップス 白しょうゆ
「だしの香りが前面に出るのではなく、やさしくふわっと香る奥ゆかしさが魅力。余韻も上品です。しょうゆがキリッと効いた辛めのめんつゆより、甘めのめんつゆが好きな人はハマるはず!」
本誌フード担当 鈴木翔子
ポテトチップスギザギザ コク深いチキンコンソメ
「ギザギザ&厚切りによって、通常のポテトチップスよりも歯応えがあります。じゅわっと味が染み出て、コンソメのうまみもしっかり。少量でも満足感が得られるので、食べすぎが気になる人に◎」
本誌日用品担当 保谷恵那
ポテトチップス しょうゆマヨ
「しょうゆの味わいが広がったあとに感じるマヨネーズの酸っぱさが美味。噛んでいくとしょうゆとマヨネーズがうまく混じり合い、双方のコクを感じます。マヨネーズがほど良くツンと来るのがイイ」
本誌クルマ担当 上岡 篤
構成・文/中山秀明
撮影/高原マサキ(TK.c)
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