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2016/7/4 21:36

【猿田彦珈琲が届けるのは「幸せ」】ビームスジャパンやアトレ恵比寿など有名施設に次々と出店する人気の秘訣に迫る!

サードウェーブコーヒーがトレンドになるほか、この春夏にはジョージアから「コールドブリューコーヒー」、BOSSから「デカフェ」の商品が新発売されるなど、コーヒー業界への注目度は日増しに高くなっています。コーヒースタンドやロースタリーカフェといった、特化型の専門店も続々と誕生していますが、そのなかで屈指の人気と知名度を誇るのが「猿田彦珈琲」です。

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今年は「アトレ恵比寿」や「ビームス ジャパン」などにも出店しており、勢いはうなぎのぼり。今回はその人気の秘訣がどこにあるのか、店舗取材と広報インタビューから探りたいと思います。

 

躍進のカギとなるターニングポイントがあった

うかがったのは「猿田彦珈琲 アトリエ仙川」。駅前で好立地ながら2階建ての広い空間となっており、アメリカ製の大きな焙煎器がある同社のラボ的な存在です。もともと2011年6月に恵比寿で産声を上げたのが猿田彦珈琲のはじまり。そこから着実にファンが増え、2014年の12月にはすぐ近くに通称“豆屋”と呼ばれる別館がオープン。そして2015年2月にオープンしたのがこのアトリエです。

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2015年の秋以降は出店ラッシュが続きます。10月に表参道の「H.I.S. 旅と本と珈琲と」内にインショップのコーヒースタンドがオープンし、11月は渋谷modi店がスタート。そして2016年の4月にはアトレ恵比寿にビームス ジャパンと、有名商業施設内に続々と展開されていくことに。これらの経緯について、広報の鈴木さんが教えてくれました。

 

「意図的に狙ったわけではなく、よい話をよいタイミングでいただけたからですね。とはいえ、アトリエ仙川は大きなターニングポイントでした。ここが誕生したことで、私たちの哲学や姿勢をより知っていただきやすくなったと思います」(鈴木さん)

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もともと、仙川は代表を務める大塚朝之さんの出身地。ビジネス的な戦略ではなく私的な縁で仙川に店を構えたわけですが、結果的に次のステージへの起爆剤となり、やがて点と点が結ばれて現在のストーリーを構築することになったそうです。

 

「東京の東側がコーヒーの街として注目されていますが、西側にあるおかげで少し目立ったのかもしれません。店名も英語ではなく漢字ですし、パートナーとして面白がっていただいている気がします」(広報の小嶋さん)

 

一杯の珈琲が生むシアワセをおせっかいに徹底追求

でも、単に興味深い取り組みやストーリー性だけではこれほどの人気にならないはず。単刀直入に聞いてみました。ズバリ、ほかのコーヒースタンドとの違いってなんでしょうか? 小嶋さんが答えてくれました。

 

「『たった一杯で幸せになるコーヒー屋』がコンセプトなのですが、これに尽きる気がします。行き着く先は、おせっかいなほどにお客様のふところに飛び込むこと。そして、“どうしたら喜んでいただけるか”を常に各スタッフが考えています」(小嶋さん)

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「当初は、お客様のふところに飛び込むということは不思議な存在だったかもしれません。ですが、おいしさの追求もお客様ありきですね。良質な豆を仕入れておいしく抽出する方法を模索して、という努力をひたすら試行錯誤してきました。この5年間で豆の見極めから焙煎、淹れ方など本当にかなりのクオリティまで上げられたのではと思います。また久しぶりにうちのコーヒーを飲んだという方がいらしたら、さらなるおいしさの向上を感じていただけるのではないでしょうか」(小嶋さん)

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恵比寿という一般的にはクールな街にありながら、ハートフルで人懐こいおもてなし。それゆえに熱狂的なファンも多く、口コミのなかには「猿田彦珈琲で働きたい!」という声があふれるほど。そしてスタッフも、さらにその期待に応えようと高いモチベーションを持ち、コーヒーのおいしさの追求にも熱が入るそう。その良好な循環が猿田彦珈琲を成長させ、昨今のサードウェーブコーヒーの人気とともに大きなムーブメントになったというわけです。

 

クールな文化を繊細な感覚でどこよりもウォームにアウトプット

ただ、“国内サードウェーブコーヒーの旗手”とまで称されることについてはあくまでも自然体。

 

「コーヒー文化の拡大は大歓迎で、そこに参加できているとしたらとてもうれしいことです。ただ、一過性になるブームであってはいけないですから。コーヒーへの注目が高まると同時に、この数年で日本のコーヒーの味は飛躍的においしくなりました。とはいえ、猿田彦珈琲は変わらないテーマでひたすらおいしさや“お客様の笑顔”を追求していきます」(鈴木さん)

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探求心はありながら、柔軟なのも同店の特徴です。たとえば、サードウェーブコーヒーを象徴するようなドリップコーヒーのほか、イタリア系のエスプレッソも提供。また、シアトル系でおなじみのフラペチーノ的なアレンジドリンクがあったり、フードやスイーツも提供したりと、幅広い商品展開で間口が広いのです。筆者もこれまでドリップしか飲んだことがなかったので、エスプレッソの試飲に加え、あんこで味わうフレンチトーストも試食しました。

↑エスプレッソ(399円)。豆の個性を最大限に引き出すためにあえて浅く焙煎した一杯は、苦味の後に甘酸っぱくジューシーなアロマが広がります
↑エスプレッソ(399円)。豆の個性を最大限に引き出すためにあえて浅く焙煎した一杯は、苦味の後に甘酸っぱくジューシーなアロマが広がります
↑猿田彦のフレンチトースト+ホイップクリーム(518円)。ソースは、アトリエ仙川限定の「あずきと黒蜜の和ソース」をチョイスしたもので、7月6日までの限定フレーバーとのことです。味はほろ甘い大人のテイストで、ふわっと軽く食べやすい食感も魅力
↑猿田彦のフレンチトースト+ホイップクリーム(518円)。ソースは、アトリエ仙川限定の「あずきと黒蜜の和ソース」をチョイスしたもので、7月6日までの限定フレーバーとのことです。味はほろ甘い大人のテイストで、ふわっと軽く食べやすい食感も魅力

 

筆者が個人的に大きな魅力と感じたのは“日本らしさ”です。「恵比寿」に「猿田彦」というキーワードのほか、日本人の嗜好と向き合った味わいを積極的に模索した商品の数々。たとえばビームスジャパン限定の「ジャパンブレンド」や、今回試食したあずきのフレンチトーストなどです。聞けば7月中旬の予定で限定の店舗のみ、コーヒーなどを使ったかき氷の提供を予定しているそうで注目ですね。

↑コーヒー豆「ぼくのイタリアンロースト」をお土産でいただきました。深煎りでローストした重厚なボディとビターな苦みが特徴で、価格は100g入りで799円。オンラインショップでも購入できます
↑コーヒー豆「ぼくのイタリアンロースト」(100g入り799円)。深煎りでローストした重厚なボディとビターな苦みが特徴で、オンラインショップでも購入できます

 

考えてみれば、サードウェーブコーヒーは日本の喫茶店文化の逆輸入。欧米のフィルターを通してやってきたクールなカルチャーですが、日本独自の繊細な感覚で、どこよりもウォームにアウトプットするのが猿田彦珈琲であり、人気の秘訣といえるのではないでしょうか。やさしさや和みを感じさせてくれる、幸せのコーヒースタンド。「地域密着でできる良縁に恵まれれば、今後の出店もぜひ!」(鈴木さん)とのことで、さらなる活躍に期待しましょう!

 

【SHOP DATA】

猿田彦珈琲 アトリエ仙川

住所:東京都調布市仙川町1-48-3

アクセス:京王新宿線「仙川駅」出口徒歩1分

営業時間:月~金7:00~22:30(L.O.)、土日祝9:00~22:30(L.O.)

定休日:なし

 

【URL】

http://sarutahiko.co/