ぶどうの蒸留酒であるブランデーに、梅酒と純米酒。この3つを掛け合わせた個性豊かなお酒「梅ブランデー雫」が今秋発売されました。どんな背景から誕生したのか、どんな味わいで、オススメの飲み方はどうなのか。オンライン試飲会に参加し、ユニークともいえる本商品の魅力に迫っていきたいと思います。
神戸ワイナリー×白鶴酒造
梅ブランデー雫
3300円(税別・700ml)
2020年9月28日発売。限定3000本。アルコール度数19%。
コロナ禍から生まれた、“酒処”神戸のチャレンジ
本商品を語るうえで欠かせないのが、神戸という地。同市では、農漁業と食ビジネスの活性化や世界に誇る食文化の都を目指すプロジェクト「食都神戸」を掲げており、そのなかで出合った「白鶴酒造」と「神戸ワイナリー」がコラボレーション。コロナ禍のなかで、“何か新しいチャレンジを”という発想から、「梅ブランデー雫」が生まれました。
「白鶴酒造」といえば、日本屈指の酒処・灘(なだ)を代表する蔵元。そして「神戸ワイナリー」もまた、神戸市内産のぶどう100%を使い、テロワール(土地の恵み)を生かしたワイン造りを信条とする作り手です。
神戸のある兵庫は、酒米の王様として知られる「山田錦」の原産地であり、「梅ブランデー雫」を構成する純米酒にも、やはり兵庫県産の「山田錦」を使用しています。兵庫・神戸の自然の恵みを凝縮させていることも、本商品の特徴でしょう。
ブランデーは琥珀色のタイプではなく、果実本来の香味を生かしたホワイトブランデーを使っていますが、こちらも特別なもの。「神戸ワイナリー」に導入されている蒸留器は、ブランデーの聖地・フランスのコニャック地方で使われているものと同じ「シャラント式アランビック蒸留器」だそう(写真)。本場そのままの製法により、香り高く味わい深い原酒をつくり出しています。
そのホワイトブランデーは、神戸産ワインを12年間寝かせた長期熟成タイプ。そのうえで、酒質のきれいな灘の純米酒と、紀州南高梅を使った梅酒とともにブレンドし、深いコクや香りをバランスよく調和させているのが「梅ブランデー雫」なのです。
一般的な梅酒よりもツヤのある華やかな味わい
ここからは、いよいよ試飲。まずはストレートで、香りから楽しみます。角のないすがすがしい梅の香りが爽やかで、奥には日本酒やブランデーの上品なアロマも。濃厚タイプの梅酒とは違ってとろみはあまりなく、テクスチャーも非常にピュアな印象です。
ひと口含むと、一般的な梅酒よりもツヤのある華やかな味わいが広がります。タッチはまろやかかつほどよくスイートで、酸味もやさしめ。十分なコクがありながらも19度というアルコールを感じさせない飲みやすさがあり、スゥーッと入ってきます。
試飲会では、新田さんがオススメの料理も教えてくれました。簡単なもので挙げるなら、「きゅうりの梅⾁和え」とのこと。梅×梅酸味と⽢味で相性抜群とのことで、さっそく筆者も作ってみると、確かに一体感が抜群でナイスペアリング。
次はオンザロックで。ポイントは、お店で売っているような溶けにくくて大きな氷を使うこと。なるべく加水されないようにしつつ、⼀度に注ぐ量も控えめにすると、「梅ブランデー雫」特有の香りやコクをより楽しめると新田さんは言います。
温度が下がることで、味がキュッっと引き締まってシャープさがアップ。後味もいっそうすっきりして、これも実においしいです。ペアリング例としては、ベースに日本酒が使われていることもあって和食がよく合うとか。特にオススメなのは豆腐料理で、揚げ出し⾖腐も好相性とのことです。こちらも実際に作ってみました。
そして新田さんが「⽂句なしのイチオシ!」ということで最後に教えてくれたのが、「ヨーグルトの雫かけ」という大人のデザート。無糖や低糖のヨーグルトに「梅ブランデー雫」をかけるだけで完成する簡単なレシピです。
日本酒が醸し出すキレのある吟醸香、ブランデーの華やかなボディ感、梅酒の甘酸っぱい芳しさ。これらがいいとこ取りとなった「梅ブランデー雫」は、晩酌にもチルタイムにも楽しめる汎用性の高い万能酒だと思いました。販売先は、神戸ワイナリーのオンラインショップをはじめ、神戸の百貨店や量販店など。化粧箱付きで贈り物にも最適なので、ぜひお試しを。