手早く安く食べられることから、都心を中心にニーズが高い立ち食いそば。GetNavi webでは、これまで選りすぐりの立ち食いそば屋を紹介してきましたが、今週はどんなお店がピックアップされたのでしょう。JR山手線に乗るだけで通うことができる、そんな名店を集めてみました。
①【渋谷】旨くて安すぎる十割そばが大人気! 渋谷で愛され続ける「嵯峨谷 渋谷店」
自慢は新鮮なそば。店内で製粉から製麺まで行った十割そばを、ゆでたてで提供する。そばは見事に角が立ったやや太めの平打ち。ひと口すすると、みずみずしい香りがふわっと鼻から抜け、コシもあって食べ応えは十分だ。
なお、つゆは2種類。温そば用のだしには昆布、いりこ、かつお節などを使い、冷そば用には香りの強いかつお節、宗田節、さば節を使う。かえしも両者に応じた2種類を用意するこだわりようだ。揚げものはかき揚げ、ちくわ天、あじねぎ天(季節商品)を用意。
店には中高年男性に混じって学生や若手ビジネスマン、OLの姿も多い。手軽に十割そばが食べられる同店は、若者の心を確実にとらえている。
②【新宿】1日500人訪れる超人気店! 創業220年の老舗 「永坂更科布屋太兵衛」
実はこの2店舗、厨房が同じで、同じそばを提供している。そばはのどごしのよい生麺打ちたて。つゆはかつお節のだしを利かせた濃厚な風味。もりつゆは基本的に辛口だが、頼めば甘口も用意してくれる。
甘口は子どもや女性などに人気とのこと。立ち食いそば店の名物は、「肉天そば」で温そばに豚肉とネギのかき揚げをトッピング。豚肉はサイコロ状に切られ、噛みしめると豚のうまみが口の中いっぱいに広がる。
隣の店舗は椅子席でゆっくり食べられる一方、立ち食いコーナーはほとんどのメニューが750円〜。隣より400円ほど安いとあって、1日に約500人も訪れる人気ぶりとなっている。
③【高田馬場】高級店に迫る角立ちの良いそばが人気を博す高田馬場「こばやし」
そばは同割のものを仕入れ、注文後にゆで始める。冷水でしっかり締めた細身のそばは、もりそばで注文すると角がしっかり立ち、つやつやと輝いている。鼻から抜ける爽やかなそばの香りが楽しめ、コシも申し分ない。
つゆは利尻昆布と宗田節、本かつお節、さば節で取っただしに自家製のかえしを合わせ、キリッとした味わいに。揚げものもすべて注文後に揚げる。食感はもちろんサクサクで、素材の甘みを生かす絶妙な火の通し方である。
若き主人はもともと大のそば好き。一流そば店から立ち食いまで複数の店で働き、そば作りや経営ノウハウを独学で学んだ。同店では、そんな主人の熱意が生んだ珠玉のそばが味わえる。
④【新橋】口の中で香り広がるハイクオリティな十割そばが楽しめる「かんだ冨そば」
同店は数年前に店主が脱サラして創業。押し出し式製麺機で作った十割そばの味に感動し、そば店開業を志した。
そんな店の名物は「海盛りかき揚天ざるそば」。そばは押し出し式特有のモチっとした太めの平打ちで、噛み締めると鮮烈なそばの香りが広がる。だしはかつお本枯節、宗田節、さば節を使い、キリッとしてコクのある味。かき揚げは野菜と魚介で揚げの温度を変え、両方のうまみが引き立つ揚げ上がりだ。
一方、冷やしともりにはのどごし抜群の細麺を使用。夏と冬でメニューを変えるなどの工夫も凝らし、同店は連日多くのビジネスマンを満足させている。
⑤【浜松町】“のれん会”の名にふさわしいハイレベルなそばを提供する浜松町の「満留賀」
同店は元々、本格そば店の組織“のれん会”のひとつに属していたが、平成5年に立ち食い店に移行。元のれん会系だけあって、そばのレベルは高い。
そば粉と小麦粉の割合が5対5の同割そばを自家製麺し、ゆでたてを提供。色白の麺はコシ、浜のどごしが素晴らしい。だしもかえしも独自の配合で丁寧に作り、豊かなコクの滋味あふれるつゆに仕上げている。また、同店はもりつけも見事。写真のきつねそばもカレー南蛮そばも彩りが上品で、食べるのが惜しいほどだ。
以前は竹芝桟橋から伊豆七島に向かう人が乗船前に立ち寄ることも多かったとか。そんな旅情を感じながら同店のそばを楽しむのもオツなものだ。