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2016/8/14 21:28

あの食通芸能人の「恋のキューピッド」になった日本酒とは? 消費量もダントツ1位の新潟酒が面白い!

新潟県といえば、誰もが知る日本酒の一大産地。1980年代の淡麗辛口ブームで一世を風靡し、「八海山」や「〆張鶴」など全国区の人気を誇る銘柄に恵まれた地域です。近年は淡麗辛口を現代的に進化させた蔵元や、淡麗辛口にあてはまらない旨口の日本酒を作る蔵元も増えてきました。日本酒の流れを語るには欠かせない地域であり、これから日本酒を学びたい人にはぜひチェックしてもらいたい重要エリアです!

 

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新潟県

米どころにして酒どころ。酒蔵の数は全国1位で、1人当たりの消費量も約11.1ℓ(※2013~14年データ)とダントツ1位。豊富な雪解け水、新潟県による酒造好適米「五百万石」の開発、越後杜氏の技などにより、80年代の淡麗辛口ブームを牽引しました。

 

その1

淡雪が溶けるような繊細な味わいを堪能

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青木酒造[南魚沼市]

鶴齢(かくれい)

純米吟醸

3240円(1.8ℓ)

豪雪地帯である魚沼の地で300年続く酒。酒銘は魚沼出身の文人、鈴木牧之が命名しました。本作は、口に含むとイチゴを思わせる甘味・芳香が立ち、潔く切れるのが特徴。舌の上で淡雪が溶けるような、繊細な味わいを堪能しましょう。

蔵元が語る地元との関わり

米の生産農家と一緒に造るという意識を高める

当蔵で一番使用量の多い酒米は、新潟県で独自に開発された「越淡麗」です。生産農家との盛んな意見交換を図り、互いが「鶴齢」を、広くは「新潟の酒」を造っているという意識を高めることで酒質の向上につながると思っています。

地元に来たらコレと合わせて!

◉ 鮎、イワナなど川魚の塩焼き

◉ 塩鮭入りの粕汁

◉ へぎそば

 

その2

淡麗でシャープながら米の甘みも堪能できる

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宮尾酒造[村上市]

〆張鶴(しめはりつる)

月(つき)

2138円(1.8ℓ) 

蔵がある村上は、良質の酒米を産出する米どころ。また、仕込み水は鮭の遡上でも有名な三面川の伏流水で、きめ細かな甘みを持つ軟水です。この本醸造は淡麗な味わいながら、まろやかな米の甘みが感じられ、燗でもおいしいです。

蔵元が語る地元との関わり

山田錦以外は地元産の酒米を使います

仕込みに使う酒米のうち、山田錦以外は地元産を使っています。また、酒の味に影響を与える水は、敷地内の井戸から汲み上げ、仕込みや洗い水などに使用しています。

地元に来たらコレと合わせて!

◉ 塩引鮭(塩鮭の寒風干し)

◉ 越後柳カレイの一夜干し

◉ 岩牡蠣

 

その3

やさしく弾ける泡とさわやかな酸味と香り

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八海醸造[南魚沼市]

発泡にごり酒 八海山

1782円(720㎖) 

米どころ南魚沼に位置する、新潟を代表する蔵のひとつ。1980年代の淡麗辛口ブームを牽引し、以降も国内外で高い評価を得ています。本品は爽やかで華やかな酸味と香り、優しく弾ける泡が魅力。すっきりした後味も楽しめます。

蔵元が語る地元との関わり

直営販売店で魚沼の食文化を発信

レギュラー酒を製造する蔵の目の前の水田で、地元農家の方に五百万石を生産して頂いております。また、直営販売店「千年こうじや」では、酒類のみならず、地元の野菜を使った漬物などを販売し、魚沼の食文化を発信しています。

地元に来たらコレと合わせて!

◉ 鮎の塩焼き

◉ 山菜の天ぷら

 

その4

穏やかな香りで合わせる料理を選ばない

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村祐酒造[新潟市]

村祐(むらゆう)

「和」(なごみ)吟醸

専務兼杜氏の村山健輔氏が2002年に立ち上げたブランド。淡麗辛口が多い新潟にあって芳醇な酒を提案する貴重な存在で、「先入観を持たずに飲んでほしい」との思いから、酒米や精米歩合、酸度などのデータを非公開とする点にもこだわりが感じられます。その人気に反して生産量が少ないため、入手は困難。なかでも本品は口当たりの柔らかさとキレの良さが魅力で、香りは穏やか。コシがあるため熱燗にしてもおいしいです。

蔵元コメント

村祐酒造 村山健輔さん

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「よく『村祐は新潟らしくない』と言われますが、それは違います。新潟の米と水を使い、口当たりが柔らかく、キレが良い点という点では、正真正銘の新潟酒です。弊社の酒は価格が上のクラスほど甘みが強くなりますが、『和』はスタンダードな位置づけで、香りも味わいも穏やか。料理や場面を選ばないオールマイティな酒です」(村山さん)

蔵元が語る地元との関わり

地元の人とモノのみで造る「嵩村桂」をリリース

なるべく地元の酒米を使って醸しています。2011年には、新潟市秋葉区の人、米、水のみで造った限定酒をリリース。開発に関わった3名の頭文字を取って「嵩村桂(たかむらけい)」と名付けました。

 

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越乃寒梅が45年ぶりに新作を発売!

「越乃寒梅」とは、いわずと知れた新潟の銘酒。かつての淡麗辛口ブームを牽引したブランドで、それまでの甘ったるい日本酒とは一線を画す爽やかな飲み口によって一世を風靡しました。その蔵元が通年商品として45年ぶりに発売した新作が、ブルーのボトルが印象的な「灑」(さい)。新潟の酒米、五百万石と兵庫県産の山田錦を55%まで磨き、丁寧に醸した純米吟醸です。味わいは、香りを抑えたすっきりとした辛口。後味でほのかな米の旨みが感じられ、料理を引き立てる酒質に仕上がっています。

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↑越乃寒梅の新作「灑」(さい)。価格は720mℓ1620円、1800mℓ3240円

 

なお、越乃寒梅は芸能界屈指のおしどり夫婦で、食通としても知られる中尾 彬さん、池波志乃さんご夫妻の仲を取り持ったお酒。40年前、当時は入手困難だった越乃寒梅が飲めるお店を池波さんが案内し、中尾さんと一緒に飲みに行ったのが仲良くなったきっかけだとか。エピソードの詳細はコチラ

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↑越乃寒梅の新作発表会で、同銘柄との縁を語ってくれた中尾 彬さん、池波志乃さんご夫妻

 

あの有名銘柄、越乃寒梅がご夫妻の人生に大きく関わっていたんですね。杯を酌み交わすことで人と人との縁を深めてくれるのも、日本酒のいいところではないでしょうか。みなさんも、たまには古い友人やご家族と、おいしい新潟酒を堪能してはいかがですか。