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2021/6/24 19:45

気鋭のブランド「SAKE HUNDRED」からスパークリング日本酒が3万円で限定発売! 泡雪のように溶ける酒を初夏に嗜む贅沢はいかが?

日本酒における最高峰のグローバルブランドを目指す「SAKE HUNDRED」から、初のスパークリング日本酒が限定発売されました。その名も「白奏 | HAKUSO」。価格は1本720mlで約3万円と、今回もセレブリティなプライスです。しかも約2000本の限定生産とのことで希少性もピカイチ。特別に試飲体験と、開発ストーリーなどを教えてもらえるということで、取材に行ってきました。

↑6月28日に新発売する「白奏 | HAKUSO」(720ml/税込3万800円)

 

構想2年。常識を打ち破る泡酒造りの舞台裏

まず、簡単に「SAKE HUNDRED」の説明を。同ブランドは「心を満たし、人生を彩る。」を掲げ、これまでの日本酒とは一線を画す立ち位置を築いています。造り方や味わいも個性あふれるものばかりで、コストも手間も開発時間も完全度外視。一切妥協をせずに生み出されることもあり、価格もそれなりにします。

↑「SAKE HUNDRED」のブランドクリエイティブ。1万円以下の商品はなく、最高額は19万8000円(税込)のヴィンテージ「現外 | GENGAI」

 

そして今回の新作はブランド7番目の商品。聞けば、スパークリング日本酒の発売は約2年前から構想していたとのこと。とはいえ、なかなか理想の味わいにたどり着けず、開発は困難を極めたとか。幾多の生みの苦しみを経て発売となったのが「白奏 | HAKUSO」なのです。

 

味のイメージは甘みが主体で、きめ細やかで柔らかい発泡感が特徴。スパークリング酒はワインでも日本酒でも、ドライでキレがあり、爽快な発泡感のタイプが主流ですが、あえてそうではない酒質を目指したといいます。

 

それでいて甘すぎず、上品でなめらかな味わい。常識を打ち破るような、これまでにないスパークリング日本酒を求めたがゆえに、長い歳月がかかったといいます。「味を知るにはまずご賞味を」とのことで、襟を正しつつまずはひと口。

↑グラスは、爽やかな印象を引き出したい場合はシャンパーニュ型、ふくよかな印象を引き出したい場合はリースリング型(すぼまりが強めの卵型)がおすすめとのこと

 

第一印象は、もぎたてのリンゴやマスカットを思わせるフレッシュな香味。口に含むと米由来の甘みが立ちつつ、爽やかな酸味も。どこか甘酸っぱいベリーのニュアンスやクリーミーなトーンもあり、繊細な泡のタッチが優しく刺激します。絶妙な甘みと心地良い発泡は余裕を感じさせ、総じて上品。

↑「白奏-HAKUSO-」の「白」は、ほんのり白い液色にインスパイアされたもの。泡の粒が口内でスッとたおやかに溶けていく様は、さながら軽くて溶けやすい泡雪のよう

 

「このフルーティさは、米を相当磨いているに違いない!」と思い、実際に聞いてみると、精米歩合はなんと18%と想像以上の答えが返ってきました。元の米から1/5以下にまで磨くことで、ピュアな甘みを醸し出していたのです。有名な高精白酒である「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分」でも23%なので、それ以上。やはり「SAKE HUNDRED」、ただものではありません。

 

 

泡酒の名手×大吟醸に適した熊本酵母と山田錦

個々にイメージする味わいを、最も実現してくれる蔵元をパートナーに迎えるのも「SAKE HUNDRED」の特徴です。今回白羽の矢が立ったのは、熊本の河津酒造。同蔵は「シャンパン製法」と呼ばれる瓶内二次発酵の技術を、スパークリング日本酒で早くから取り入れていたことで知られ、当然ながら泡酒は大得意。

 

なおスパークリングタイプにする手法は、ガスを充填するか、瓶内で発酵させるかの大きく2つに分かれますが、後者のほうがナチュラルで繊細な泡を作りやすいのがメリット。ただし、狙った泡の質感にできるかどうかは腕次第というわけです。また、その際に「デゴルジュマン」という澱(おり)抜きの手法によって雑味の元となるもろみを抜くのですが、この工程が最も難しかったといいます。

 

なぜなら、もろみにもうまみが詰まっているから。試験醸造の際にもろみを抜いたところ、味の全体バランスが崩れてしまったそう。そこで酒質の密度を上げたり、日本酒度を下げて甘みを強化したり、また一次から二次発酵の際に3週間の熟成期間を設けてうまみも重ね、もろみを抜いた状態で理想の味になるよう整えていったのです。

↑アルコール分は14.2%。度数としては一般的な日本酒の平均値で、飲みごたえがありながら飲み疲れしないバランスに仕上がっています

 

河津酒造に製造を託したもう一つの大きな理由が、熊本が誇る酵母。「白奏 | HAKUSO」に使われている「熊本酵母(KA4-01)」は秋田・新政酒造が発祥の「きょうかい6号」や長野・宮坂醸造から分離された「きょうかい7号」と並び、現代吟醸酒の基礎を築いた熊本発祥の「きょうかい9号(熊本酵母)」を元に研究されたもの。近代的吟醸酒造りに特化した酵母で、上品で華やかな香りが特徴のため吟醸酒造りに最適なのです。

 

そして、酒米には味がふくよかになりやすく、甘みが主体の酒造りにも適した山田錦を採用。辛口の値を示す日本酒度が-17という、上品な甘口スパークリング酒が生まれたのです。

 

6月発売の限定2000本生産ということからも分かるように、「白奏 | HAKUSO」は初夏を楽しむ想定で造られています。真夏ほど暑くはなくしっとりとしたこの季節には、優しい甘さとなめらかな発泡の「白奏 | HAKUSO」が、よく合いそう。記念日や贈り物、または自分へのご褒美に、この特別な一本を入手してはいかがでしょうか。