グルメ
2021/9/14 11:00

ほうじ茶なのに「生」ってどういうこと?「生茶」に加わった「生茶 ほうじ煎茶」の「生だからおいしい」理由

ほうじ茶に、生。そんな斬新なコンセプトのお茶が誕生しました。でも、「ほうじ」とは焙じる、焙煎することなのに「生」とは、なんだか矛盾していない?

 

この「生茶 ほうじ煎茶」がいったいどのような製法でつくられているのか、開発者を直撃して謎を解明。さらに実際の味わいをレポートしていきます!

 

キリンビバレッジ
生茶 ほうじ煎茶

2020年、誕生から20周年を迎えた「生茶」ブランドから発売された、ペットボトル入りほうじ茶が早くもリニューアル。他にはない“香ばしいのに爽やかな余韻”をもつほうじ茶が、今回のリニューアルでは新たな製法を採用し、これまで以上にあまみと香りを楽しめる味わいになっているという。ここに、“生”の秘密がどう隠されているのか?

 

「生茶 ほうじ煎茶」のおいしさをつかさどる革新

この直撃に対応してくれたのは、キリンビバレッジ マーケティング部 ブランドマネージャーの植村昌史さん。まず、「ほうじ茶に、生」とは? そして一般的なほうじ茶とはなにが違うのでしょうか?

 

↑植村さんは「生茶」のブランドマネージャーとして開発全般を担当。以前はキリンビールで缶チューハイや発泡酒などを担当し、飲料に関する幅広いノウハウをもっています

 

おいしさの根幹にあるのは、「生茶」の全商品に用いられている「まる搾り生茶葉抽出物」だと、植村さんは言います。

 

「生茶ブランドはいずれの商品も、芯まで凍らせて鮮度を保った生茶葉をギュッと搾った『まる搾り生茶葉抽出物』を使用しています。生茶葉の爽やかな香りや茶葉本来の甘みが引き立つ、『生茶』に欠かせない素材なんですよ」(植村さん)

 

「生茶」ブランドの持ち味であるまる搾り生茶葉抽出物を使うことで、一見すると相反するように思える、“ふくよかな香ばしさ”と“爽やかな余韻”を両立させたのが、「生茶 ほうじ煎茶」というわけです。

↑「まる搾り生茶葉抽出物」のイメージ。新緑のような爽やかな香り立ちをもたらします

 

「つまり、“ほうじ茶に、生”とは、ほうじ茶らしくしっかりと香ばしいのに、生茶葉のチカラで爽やかな余韻を楽しめるおいしさのことを指しているんです」(植村さん)

 

ほかにも、二段階で焙煎した茶葉を使ったり、棒茶に加え炭火で焼いたほうじ茶粉を使ったりしていることも、「生茶 ほうじ煎茶」のこだわりなのだとか。

 

「茶葉を焙じる際に大切なポイントのひとつが、ほうじ煎茶の爽やかな余韻を邪魔しない、バランスの良い香ばしさに仕上げること。2回に分けてムラなく茶葉を焙煎する方法で、深みがありつつも上質な香ばしさを引き出しているのが『二段焙煎』です」(植村さん)

↑「二段焙煎」のイメージ。ムラが出ないよう、2回に分けて丁寧に茶葉を焙煎していきます

 

「原料には、上品な華やかさが特長の棒茶を使用していますが、実は仕上げには、“炭火焼したほうじ茶粉”というのを入れています。これによって、上品な風味のうえにまろやかなテクスチャーが生まれます。爽やかな余韻でありながら、ほうじ茶としての飲みごたえもしっかりと楽しめるんです」(植村さん)

↑棒茶と、炭火焼きしたほうじ茶粉のイメージ。個性の異なる素材を掛け合わせ、奥行きのあるおいしさに

 

「まる搾り生茶葉抽出物」に「二段焙煎」、「棒茶と炭火焼きしたほうじ茶粉」。「生茶 ほうじ煎茶」は、一般的なほうじ茶にはない独自の技術とレシピが用いられていますが、そのうえで今回、さらなるおいしさの決め手となる新たな製法を採用したと、植村さん。

 

「『引き立つ香り製法』と名付けました。抽出の際に、従来の茶葉だけでなく“細かく挽いたほうじ茶粉“を加えて一緒に抽出することで、“あまみ”と“香り”をより一層引き立たせています。ほうじ茶粉は仕上げにも使っていますが、抽出時に使うことで実は華やかな香り立ちを引き立ててくれるんです。ほうじ煎茶を、もうワンランク上のほうじ茶に仕上げることができました」(植村さん)

↑新製法の「新・“ひきたつ香り製法”」。抽出の際に、従来の茶葉だけでなく、“細かく挽いたほうじ茶粉“を 加えて一緒に抽出することで、“あまみ”と“香り”をより一層引き立たせています

 

旧来の概念に「生のおいしさ」を新提案したのが「生茶」

ところで、元を辿ればそもそも「生茶」はなぜ、「生」に着目したのでしょうか? また、緑茶やほうじ茶が「生」であることで、どんなおいしさが生まれるのでしょうか? さらに追及してみると、そこには「生茶」ブランドの生茶葉へのこだわりがありました。

 

「“生”には、生命力や躍動感、臨場感などのイメージがありますよね。食品でいえば新鮮さやピュアなおいしさ、などでしょうか。一般的なお茶は煎ったり焙じたりと乾燥させるものですが、その世界観に“生のおいしさ”を新提案し、お茶の常識を変えたブランドが『生茶』であると自負しています。

 

そして、その独自なおいしさを生み出す素材が『まる搾り生茶葉抽出物』なんです。摘みたて茶葉本来の甘み、うまみを凝縮して閉じ込めることで、『生茶』にも『生茶 ほうじ煎茶』にも生き生きとした自然なおいしさを感じていただけると思います」(植村さん)

「生茶」ブランドの詳細はこちら

 

リッチなまろやかさと軽快感。くつろぎタイムのおともにしたい

筆者も飲んでみました。風味からして鮮烈で甘香ばしく、味わいはコク深くてボリューミー。飲み口はまろやかでリッチなテイストですが、余韻はすっきりしていて後味は軽やかです。冷たくすればより爽やかに、温めればいっそうまったり楽しめる、汎用性の高いおいしさといえるでしょう。からだもこころも満たされ、ほっと一息。くつろぎタイムのおともにしたい味わいです。

↑万能なおいしさで、フードとの相性も幅広そう。スイーツは和洋全般にマッチ、料理も温度帯やジャンルを問わず合うと思います

 

伸長するほうじ茶市場をけん引する「生茶 ほうじ煎茶」

植村さんに“お茶”市場のトレンドを聞くと、無糖茶全体の市場は2020年こそコロナ禍の影響により伸び悩んだものの、2019年は2016年比で約1割増と、近年の健康志向の高まりを背景に堅調に推移しているそう。なかでもほうじ茶は、成長カテゴリーなのだとか。

 

その理由は、嗜好の多様化に加え、ほうじ茶を使ったスイーツの増加などによって、ほうじ茶に触れる機会が増えたから。事実、市場が伸び悩んだ2020年においても、ほうじ茶は前年比122%増と、大きく拡大しています。

 

このほうじ茶市場躍進の立役者的な存在が、何を隠そう「生茶 ほうじ煎茶」。昨年9月に新発売されるやいなや、キリンビバレッジの過去10年の新発売商品で、新発売月の売上箱数No.1を達成し、2020年の年間販売目標を約6割上回る大ヒットとなったそう。

 

その高評価を受けた味わいに、いっそうの磨きをかけたリニューアル商品が、9月14日に発売となる新生「生茶 ほうじ煎茶」。家では淹れられない、「生茶 ほうじ煎茶」でしか味わえないおいしさを、ぜひ体験してみてください。

 

↑ワインボトルをモチーフにしたシルエットに、和モダンなパッケージ。「生茶 ほうじ煎茶」がもつ上質さを表現しています

「生茶 ほうじ煎茶」の詳細はこちら

 

取材・文/中山秀明 写真/湯浅立志(Y2)