発売のたびに毎回話題となる、アマノフーズの「フリーズドライの匠」シリーズから、新商品が9月4日に登場。今回は「海老天とじ丼の素」ということで、またもや揚げ物がベースのご馳走となっています。食感や味付けがどのような塩梅なのか、作って確かめてみました。
フリーズドライは人気拡大中。食事系の需要も2ケタ伸長
「フリーズドライの匠」は2015年の10月に第1弾「フリーズドライの匠 チキンカツの玉子とじ」が発売され、以後とんかつや鍋焼きうどんなど、揚げ物を使った様々な和食が発売されてきました。製造に手作業工程が多いため大量生産が難しく、毎回数量限定であることも特徴です。
「フリーズドライの匠 海老天とじ丼の素」は第7弾。開発背景には、2020年の「アマノフーズ」ブランドの雑炊、カレー、シチュー、親子丼の素といった食事系商品の好調ぶりも関係。これらの販売金額は前年比で2ケタ伸長しているそうで、食事系フリーズドライのニーズに応えるための新商品といえるでしょう。
開発にあたっては、2019年11月に発売した「フリーズドライの匠 海老天ぷら入り鍋焼うどん」の海老天ぷらの知見はあったものの、「汁もの」から「どんぶりの素」へ設計変更することで約2年の開発期間を要したといいます。
なかでも「海老天とじ丼の素」にお湯を注ぐ際、湯量が多いと卵のふわとろ食感が実現できず、逆に少ないと2本の海老天がしっかりと復元できないといった課題がありました。衣をできるだけ薄く付けることや、これまで揚げ物のフリーズドライ化で培ってきた技術の応用と組み合わせにより、試行錯誤を重ねることで商品化に成功したそうです。
とろとろ玉子とふわふわ衣。だしが豊かで上品な味
ここからは実際に調理へ。開封すると、フリーズドライで固められた具材が出てきました。こちらを皿へ移すとともに、熱湯を用意します。
容器から皿へ移すと、具材の表面がお目見え。四角く固められてはいるものの、赤みがかった海老のシルエットや、三つ葉を連想させる緑色の物体がうっすら見えます。そこに140mlの熱湯を具材全体に注入。
海老天は2本入っており、フリーズドライではそれぞれの天地が逆の状態で固められています。これは2本の海老天の食感や水分量などにムラが出ないようにする工夫でしょうか。混ぜていくと玉子とじの部分がじんわりと広がり、海老天の姿が浮かび上がってきます。この衣もふわっとしているので崩れないように注意しながら、別途で用意したご飯を丼によそい、熱湯で戻した具材をかけて盛り付けます。
いよいよ試食へ。香りからして、だしと玉子による滋味深いやさしさがあります。海老天は想像していた以上にふわふわの衣で、一方の海老は豊かな弾力。味付けは甘みを控えた優しい方向性で、だしの香る上品な風味が口いっぱいに広がります。
公式オンラインショップでは9000セット(合計1万8000食)、丸の内「KITTE」や大阪「LINKS UMEDA」など全国に4店舗あるアンテナショップ「アマノフリーズドライステーション」では各1000食(合計4000食)と数量限定で、価格も安くはありませんが、驚きの復元性や上品な味わいにはレトルトや冷凍食品とはまた違った価値があります。
またフリーズドライは賞味期限が比較的長く、常温保存できて軽くコンパクトと備蓄性も優秀。防災の日である9月1日に非常食への意識を引き締めた人も少なくないでしょう。本商品をはじめ、今後のフリーズドライの可能性にぜひ注目してください。
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