世界五大ウイスキーのひとつに数えられ、いまや国内外で大人気のジャパニーズウイスキー。2023年には誕生100周年を迎え、GetNavi webでも特集“世界がラブコール! 100/101年目の「ジャパニーズウイスキー」”を企画しました。
エントリー層にもわかりやすい基本的な知識や、入手しやすいオススメ銘柄なども解説していますが、より広く深く簡単に網羅したいのであれば、書籍を一冊持っておくこともアリでしょう。
そこで紹介するのが2024年3月22日に発刊された『知れば知るほどおいしい! ウイスキーを楽しむ本 最新版』(監修・北村 聡/Gakken)。
進化するウイスキーの現在地がわかる最新ガイド
2024年も“日本のウイスキーの父”と称される竹鶴政孝が立ち上げたニッカウヰスキーが創業90周年を迎えるメモリアルイヤー。ジャパニーズウイスキーはますます盛り上がりをみせると同時に、毎年新たな蒸溜所が設立されるほどアップデートも顕著です。
本書は2024年発刊の「最新版」ですから、基本的な「ウイスキーのいろは」に加え最新情報も掲載。いわば、この一冊で業界の現在地がまるっと理解できるわけです。一方、2022年に刊行した『知れば知るほどおいしい! ウイスキーを楽しむ本』の改訂版でもあるわけですが、この2年間だけでもシーンの状況は劇的に進化しました。その過程を知るという意味では、2022年版を持っている人にもオススメできる一冊となっています。
実は日本に97も蒸溜所があるって知ってた?
特筆すべきは、冒頭の「ウイスキーの最新事情」。日本地図とともに全97の蒸溜所の場所が載っています。ウイスキーの味わいを左右する大きな条件のひとつが気候風土。その地名と場所が瞬時にわかるとともに、「このシングルモルトはこの蒸溜所だからこのような味で、だからあの銘柄とは味わいが違うんだなぁ」という理解にも、このマップが役立つはずです。
もちろん、ジャパニーズウイスキーだけではなく、スコッチ、アイリッシュ、アメリカン、カナディアンと、本書には世界五大ウイスキーすべての国の代表銘柄も掲載されています。その数は日本も含めて全275銘柄と、十分な情報量といえるでしょう。
それぞれ、スコッチにはアイラやキャンベルタウンなど6大エリアがあったり、アイリッシュは3回蒸溜をするのが一般的(ほかの国のウイスキーは2回蒸溜が基本)だったり、アメリカンウイスキーのバーボンは新樽で熟成させるのが定義(他国のウイスキーは、そのバーボン熟成樽やシェリー酒樽、ワイン樽なども多用する)だったりと、各国の違いがわかりやすく解説されているのも、入門にはうれしいポイント。
また、昨今勢いを増す台湾、インド、オーストラリアのウイスキーも簡単に紹介されており、グローバルの最新事情もわかるようになっています。
積極的にモルトバーにも行こう!
監修しているのは、BAR「洋酒博物館」代表であり、数々のカクテルコンペで優勝経験を持つ一流バーテンダーの北村 聡氏。バーテンダーらしく「オーセンティックバーとは?」といったバーの知識や楽しみ方、基本を踏まえた9通りの飲み方紹介、また、おいしく飲むためのグラス解説などもあって、外でも家でもウイスキーを嗜むノウハウが満載。
用語集や基本をまとめたQ&A、ウイスキーの製法紹介、入門にオススメの超定番12本、好みの一本を見つけるコツなども抑えられていて、まさにエントリー層には最適な一冊です。全ページカラーであり、写真やイラストも豊富なので、活字ばかりで読み飽きるということもないでしょう。
なお、本書掲載の銘柄によっては「入手難度」のバロメーターとともに、「レア」となっているモノも少なくありません。それらはきっと、ネットで探すと非常に高値となっており、「買えないよ!」とつっこみたくなるかもしれませんが、それはあくまでもネットのハナシ。入手は難しくても、モルトバーに行けばそこまで高すぎない価格で飲めることもあります。
そんな経験も積極的にしていただきたい。それがただのコレクターではなく、真のウイスキーファンであると筆者は思います。990円と価格も手ごろ。ぜひ読んで飲んで、ウイスキーを“学”んで“研”究してみてください!
【書籍紹介】
知れば知るほどおいしい! ウイスキーを楽しむ本 最新版
監修:北村 聡
発行:Gakken
大人なら知っておきたい。ウィスキー&シングルモルトの奥深き世界。BARでも家飲みでも役に立つ!基礎知識と本当の味わい方!
●全国のセブンイレブン、一部書店にて発売中