2024年も、さまざまなスマートフォンが市場に登場しました。全体としては検索や翻訳、画像生成・編集といった「AI機能」を強化した製品が多かった印象ですが、もうひとつ注目すべきトレンドといえば「折りたたみスマホ」でしょう。
折りたたみタイプのスマートフォンそのものは、2018年頃から市場で注目されはじめるなど、それなりの歴史があります。折り曲げ可能なディスプレーの開発が進んだという背景もあって、年々ラインナップが増加。2024年は昨年に続きGoogle Pixel、サムスンのGalaxyといった人気シリーズの折りたたみモデルが揃って登場したほか、Motorolaが「razr 50」シリーズの大規模な広告キャンペーンを打ったこともあり、日本国内でも見かける機会が多くなってきました。
Pixel、Galaxyの折りたたみモデルは定番化。廉価な製品も登場の兆し
日本で折りたたみスマホ市場をけん引しているメーカーといえば、サムスンです。2024年7月には横折りタイプの「Galaxy Z Fold6」、縦折りタイプの「Galaxy Z Flip6」を合わせてリリース。横折りタイプは展開時にタブレットのような大画面を活用でき、縦折りタイプは折りたたみ時のコンパクトさや、カメラ撮影を利用する際の柔軟性といった点にメリットがあります。
いずれも同社独自のAI機能「Galaxy AI」が利用可能であり、従来モデルよりハードウェアが高性能化していることに加え、特に「Galaxy Z Fold6」は薄型化・軽量化にも注力。折りたたみタイプのデメリットとして挙げられがちな「重さ・厚さ」を緩和するなど、完成度を高めてきました。
2023年の「Google Pixel Fold」に引き続き、2世代目の製品となる「Google Pixel 9 Pro Fold」をリリースしたのがGoogleです。メインディスプレーを従来の7.6インチから8インチへ、カバーディスプレーを5.8インチから6.3インチへ大型化しつつ、本体重量は281gから256.5gに落としているのが大きな特徴。厚みも12.1mmから10.5mmにスリム化したことで、使い勝手が向上しています。高価格機種は今後も軽量・スリムさを追い求める路線が続くでしょう。
もうひとつ、縦折りタイプで注目を集めたのがMotorolaの「razr 50」および「razr 50 Ultra」。折りたたんだままでも操作可能な大型のアウトディスプレーを搭載しており、筐体には鮮やかなカラバリを採用するなど、外観のキャッチーさも魅力と言えます。「razr 50」は実売10万6000円前後と価格を抑えているのもポイントで、15~20万円を超えるモデルがほとんどの折りたたみスマホにあって、”折りたたみ最初の1台”として選択肢に挙がりやすそうです。
また、低価格という面でより強烈なのが、ZTEの「Libero Flip」。ワイモバイルから登場し、6万3000円(各種割引適用で3万円台)という折りたたみ型としては異例の安価さで話題となりました。こうした廉価モデルの登場もあり、2024年は折りたたみスマホが”より買いやすくなった”1年だったと言えると思います。
2025年は”3つ折りスマホ”の国内登場に期待?
こうした流れを受けて、2025年も多くの折りたたみスマートフォンが登場すると思われます。横折りタイプの製品は構造上どうしても高額になりがちで、劇的に価格が落ちることは考えにくいですが、縦折りタイプに関しては今後も普及価格帯の製品が増えていくのではないでしょうか。
一方で、シャオミの「MIX Fold 4」や「MIX Flip」、Honorの「HONOR Magic V3」など、折りたたみスマホが盛り上がる中国市場では販売されたものの、そもそも日本では展開がないモデルも多数ありました。特に注目を集めていた次世代トレンドとも言えるファーウェイの3つ折りスマホ「HUAWEI Mate XT」は、同社が日本国内でのスマホ販売を控えているため、今後の国内販売も見込み薄であるのが残念なところです。
しかし、3つ折りスマホは他メーカーも開発を進めていることが噂されています。その中で国内投入の可能性がありそうなメーカーを挙げるなら、やはりサムスンでしょう。現時点で公式な発表はありませんが、世界的な電子機器の見本市「CES 2022」にて3つ折りタイプのコンセプトモデルを展示するなど、かなり早い段階から開発を進めていることがうかがえます。リリースされたとしても、必ずしも国内での発売があるとは限りませんが、期待したいところです。
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