近年、訪日外国人観光客は増加の一途を辿っている一方で、サービス業をはじめとした国内における労働力不足は差し迫った課題となっています。いままでのインバウンド対策では、英語・中国語など主要言語の対応が主でしたが、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、様々な言語での接客対応が「日本のおもてなし」として必要となることが予想されます。
外国人の簡単な質問に答え通訳の役割も果たす
そこで、日本国内でも有数のロボットアプリ開発・導入実績をもつヘッドウォータースは、クラウドロボティクスサービス「SynApps(シナップス)」を活用し、45か国語での翻訳・接客を可能にするロボアプリ「Robot Translator(ロボット・トランスレーター)」を本日5月15日より販売を開始しました。
本アプリでは、あらかじめQA情報を登録することで、多言語での接客ができるようになります。同社が開発するクラウドロボティクスサービス「SynApps」と、ニューラルネットワークを用いた機械翻訳AIを活用することで、ユーザーの質問意図を理解したうえで自動識別・自動応対型ロボット接客を行うことが可能。
ロボットに駅の場所やトイレの場所などよくある質問に答えさせたり、通訳の役割を果たして会話体験を提供したりできるほか、そのまま外国人に接客を行い、商品案内やレコメンド、オーダー取りを行うことも可能です。
Robot Translatorはクラウド上にある機能になるため、様々なデバイスで活用できます。ソフトバンクロボティクスの「Pepper」、ヴイストンが提供する卓上ロボット「Sota」、シャープのロボット型携帯電話「ロボホン」へも同等の機能を活用することができ、スマホやタブレット、デジタルサイネージにも連携適用が可能です。そのほか、会話コミュニケーションを通して会話ログを蓄積し、外国人観光客のニーズの分析もできます。
なお、発話内容や文字表示内容を更新しようとする際、管理者は日本語しかできなくても大丈夫。日本語でコンテンツ更新を行い、言語を指定すると翻訳を行ってアウトプットを行うことができます。
また、顔認識と組み合わせることで「顔翻訳」が可能に。こちらは顔登録時に国籍情報も合わせてSynAppsに登録しておくと、ロボと顔を合わせることで、自動的にユーザーの母国語で話しかけるようになります。
以上、クラウドとAIの技術を使って45か国で翻訳・接客ができるロボクラウド「Robot Translator」の紹介でした。2020年東京五輪に向けた外国人観光客へのおもてなしとして、同様の技術を使ったロボットがこれからどんどん増えていきそうですね。ぜひコミュニケーションロボの今後の動向に注目してみてください。
【対応言語】
・聞き取り/翻訳/発話機能
日本語、英語、中国語(標準)、中国語(台湾)、中国語(香港)、韓国語、ベトナム語、マレー語、タイ語、フィリピン語、インドネシア語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、オランダ語、ロシア語、ポーランド語、カタルーニャ語、フィンランド語、スウェーデン語、アラビア語、ヒンディー語、ノルウェー語、デンマーク語、トルコ語、アフリカーンス語、ブルガリア語、クロアチア語、チェコ語、ハンガリー語、リトアニア語、ルーマニア語、セルビア語、スロバキア語、ウクライナ語、ギリシャ語、バスク語、ペルシア語、ガリシア語、ヘブライ語、アイスランド語、スロベニア語、ズールー語