2008年に登場したパナソニックの乾電池「エボルタ」。電池の長もちっぷりをアピールするために、発売年には乾電池2本のみを動力にして、ロボット「エボルタ」くんがグランドキャニオンに登るという“エボルタチャレンジ”を実施した。その後も、24時間耐久走行やCMも話題になった「廃線1日復活チャレンジ」など毎年様々な難題に挑戦。そして今年、さらに気合いの入った冒険に挑むようだ。
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1000メートルの登頂を可能にした「エボルタ」の改良
チャレンジの発表会が行われたのは今年の4月。今回はノルウェーのリーセフィヨルドにある「シェーラグ山」という、断崖およそ1000メートルの登頂に挑むことがアナウンスされた。東京スカイツリーの634メートルと比べてもとんでもない高さだということがわかるが、2008年にチャレンジしたグランドキャニオンの530.4メートルと比べても、その高さは2倍近くになる。
このチャレンジを可能にしたのが、およそ9年ぶりに行われた「エボルタ」のリニューアル。材料・工法・構造を刷新することで、長もち性能が10%アップ(※1)。さらに10年保存後の長もち性能は約20%アップ(※2)し、過放電後のガス発生量は約30%削減と、スタミナにさらなる磨きをかけているのだ。
※1)乾電池エボルタ単3形(LR6EJ)比、IEC基準における全放電モードの平均値より。250mA 1日1時間放電 終止電圧0.9Vなど(温度:20℃±2℃ 相対湿度:55%±20%)
※2)乾電池エボルタ単3形(LR6EJ)比、10年相当保存後のエネルギー保持率の比較において。試験条件:特定条件での保存(加速テスト)後、IECデジカメモードでの放電試験において。
実際にフィヨルド登頂に挑む実証ロボットもリニューアルし、「エボルタNEO」くんとして今回のチャレンジに挑むことになる。
エボルタNEOくんよりもスタッフが過酷すぎ!?
フィヨルド登頂の本番は7月7日だが、実はすでにチャレンジは始まっている。というのも、今回挑戦するフィヨルドはこれまでに行われた「東海道五十三次」やル・マンのサーキットでの「24時間耐久走行」とはわけが違う。エボルタNEOくんが登るロープを設置するためには、まずはスタッフがロケハンでシェーラグ山に登り、様々なセッティングを行わなくてはならない。ロケハンやリハーサルの様子は公式サイトやニコニコ動画の公式チャンネルにアップされているのだが、その過酷なチャレンジもまた話題を集めている。
6月26日現在、公式チャンネルでは「フィヨルド登頂への道」と題された4本の動画を公開中。「第1話」では、国内の渓谷で「360°生配信」の機材チェックをした様子と、記者会見での配信デモンストレーションの姿を公開。「第2話」では、16時間にもおよぶ耐久テストの様子が映され、さらに登頂までのスピードを割り出す実験も行われた。計算上は1000メートルを登るために13時間以上かかるとのことだったが、2回目の耐久テストでは連続22時間4分6秒登り続けるという記録を叩きだし、「もうすぐ24時間テレビw」といったコメントも見受けられた。
標高1000m、巨大パチンコでロープを飛ばす!?
「第3話」で、ついに「シェーラグ山」での約2週間にもおよぶ事前準備に向かうスタッフたち。ノルウェーの山のプロ達とともに、雪の積もったシェーラグ山に登頂。山頂についたスタッフは、なんとか崖下にロープを張ろうと悪戦苦闘する。単純な高さでいえば1000メートルだが、ロープが斜めに張られるため、その長さは1200メートル以上。しかも、途中途中には雑木が生えていて、ただロープを垂らせばいいというわけでもない。
そこで登場したのが巨大な「パチンコ」。これで山の上からロープの端をスタート地点に向けて飛ばすという寸法だ。釣り竿も使ってロープを装填し発射するが、なかなかうまくいかない。「チームは一体どのようにしてロープを張るのでしょうか」というナレーションで第3話は終わってしまう。
結局パチンコ作戦は失敗し、第4話では次なる作戦に。その方法とは、ロープを背負ってクライミングをし、崖下までおろすというなんとも単純で過酷なもの。立ち込める霧のなか、ほとんど垂直に見える崖をベテランクライマーが3日以上かけて降り、やっとロープを張ることに成功した。
しかし、エボルタNEOくんをテスト登頂させてみると、スタートから100メートルあたりで登れなくなってしまうというアクシデントが発生。その後も天候などに阻まれ、チームは多くの課題を抱えたまま日本に戻ることに。
実地テストを終え、本番の7月7日まではもう間もなく。挑戦本番の様子は、公式ホームページやTwitter、Facebook、ニコニコ生放送での中継が予定されている。本番前からすでに“チャレンジ”が始まっている今回のフィヨルド登頂だが、本番も相当の長丁場になることは必至。「13時間未満」「13時間以上、20時間未満」「20時間以上」「達成しない」という選択肢のなかから、登頂時間を見事に的中させた人にはオリジナル賞品が当たるキャンペーンも実施されている。これまでのスタッフの苦労も計算に入れ、自分なりの予想を立ててみよう。
【当日に生中継が見れるサイト】