目新しいスマートデバイスは、ついチェックしたくなりますよね。とはいえ、便利さとリスクは紙一重。海外では、スマートデバイスからの情報漏えいが問題となりつつあります。
最近の調査で、半数以上のデバイスがセキュリティに欠陥があることがわかったのです。海外で起きた、ちょっと怖い具体例や対策についてご紹介します。
海外で実際に起こった恐ろしいハッキング事件
英国の消費者団体・Which?がスマートデバイスのセキュリティに関する調査を行い、その調査結果が波紋を呼んでいます。
15のデバイスを調査したところ、なんと8つのデバイスにセキュリティの脆弱性が見つかったというのです。ひとつの例が、昨年データベースの流出を起こした子ども向けのハイテクなぬいぐるみ・クラウドペッツ。
使い方は、とてもほほえましいもの。例えば、仕事中の父親がスマホで録音した「おやすみ、愛しているよ」というボイスメッセージがクラウド経由でママのスマホへ。そして、Bluetoothで送信すると、ぬいぐるみからパパのボイスメッセージが流れ、子どもからもぬいぐるみの録音機能を利用してボイスメッセージを返信できる、という仕組み。
一見微笑ましいぬいぐるみのクラウドペッツですが、Which?の倫理的ハッカーがハッキングを試みたところ、いとも簡単にハッキングできてしまったのだとか……。
ハッキングによって懸念されるのは、アプリに登録された個人情報や子どもの声のデータが盗まれるといった事態。
さらに、Youtube上にはクラウドペッツを遠隔操作して震え上がるような恐ろしいメッセージを再生させたり、Amazonの音声認識システム・エコーをボイスメッセージを使って勝手に操作して、キャットフードを注文してしまう動画などが公開されています。
これはあくまで1例ですが、他にも赤ちゃんの安全確認のためのベビーモニターがハッキングされるといった事態も想定されるとのこと。
日本の家庭においては、スマートフォンがハッキングの主な対象となっていますが、IoTが進み、スマート家電が増えていくはず。そうなると、ハッキング対象も多様化しそうです。
一体どうすればハッキングされずに済むのか?
消費者団体Which?はスマートデバイスのハッキング対策として、以下の5つを推奨しています。
(1)初期のパスワードを変更する
(2)ソフトウェアを最新のものにアップデートする
(3)セキュリティ設定を行う
(4)スマートデバイスの置き場所を考慮する
(5)不安なら買わない
これらを生活習慣のひとつにしてしまった方がよさそうです。ちなみに今回のスマートデバイスのハッキングのリスクのニュースを受け、海外ユーザーも不安を抱いている様子。
コメント欄には、「セキュリティ設定を面倒くさがったまま、こういった機器を無防備に使うのは考え物だ」「Wi-Fiが必要なものはもうこれ以上買いたくないな」「もともとこういうものは、怠け者になるから使ってなかったけど、それでよかったと思える」などと書き込まれています。
また、「仮にスマートデバイスをたった5ユーロで買えたとしても、セキュリティ機能まで考えないと」「この問題を見ないふりしちゃいけないと思うし、リスクに無関心でいれば、それなりの代償を払うハメになると思う」「心配なのはクルマだね。ハイテク化したら、クルマのシステムもハッキングできるようになるだろう」といった、真剣に対策を検討する声も……。
手ごろな値段でスマートデバイスを購入できるようになっていますが、セキュリティはメーカー任せにせず、消費者も対策を打ってから利用することが自衛のために肝心だと言えそうです。