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2018/3/29 21:17

OPPOスマホの急成長ぶりには理由があった! OPPO本社&工場で目撃した徹底した良品作り

今年2月に日本市場に参入したスマホメーカー・OPPOが、日本のメディアに本社と工場の一部を公開するプレスツアーを実施しました。OPPOは中国で2004年に設立され、2011年に初のスマートフォンを発売。それから、わずか5年後の2016年には年間出荷台数が中国で1位に、そして2017年にはアジアで1位、世界で4位にランクインするなど、急成長を続けているメーカーです。

 

とは言え、日本での知名度は、まだゼロに近い状態。店頭で手にして気になっても、「OPPOって何? 大丈夫なの?」と購入を躊躇する人もいるのでは……。今回のプレスツアーの主旨は、新製品のアピールではなく、「OPPOがどんな会社かを知らせたい」というところにあったようです。

 

日本に参入しているアジアのメーカーがこうしたプレスツアーを開催することは時々あり、筆者も何度か取材しているのですが、今回のOPPOほど、いろいろ見せて、撮影させてくたメーカーは記憶にありません。それくらい “本気” なんだと思います。

 

約1万人が勤務する巨大工場に潜入

では、中国広東省東莞にあるOPPO本社の様子を、写真を中心にレポートしたいと思います。ちなみに、写真はすべて日本でも発売中の「R11s」というスマホで撮影しました。

 

↑中国・深圳から車で1時間ほどでOPPO東莞本部に到着。普通のオフィスビルに見えるが、ここが工場

 

今回、見学させてもらったのは、SMTセンターと、完成した製品の品質をチェックする工程。撮影NGの条件で組み立て工程を見学させてもらえる予定もあったのですが、残念ながら、それは中止になりました。筆者の推測ですが、4月に発売する新製品の組み立てがフル稼働していて、社外の人は入れない状況だったのではないかと。

 

↑ロビーに展示されていたジオラマ。手前の建物は現在建設中で、左側にある建物がわれわれ取材陣が見学した工場

 

↑約22万平米の広大な敷地内には、社員住宅も。中国全土で約3万人が勤務していて、ここ東莞本部には約1万人。社員のほとんどが、ここまたは近隣にある社員住宅に住んでいるそう

 

スマホの基盤の生産ラインを大胆公開!

まず、見せてもらったのはSMTセンター。SMT(Surface mount technology)とは直訳すると「表面実装」。プリント基盤に細かい電子部品を取り付ける工程で、完全にオートメーション化されていて、最終的に人の目によるチェックが入るという流れでした。

 

↑SMTセンターでは、写真のような基盤が作られている

 

↑1シートに4枚の基盤があり、あとで切り離されるとのこと

 

↑部品が実装されるライン

 

↑近づいて見ると、ホイールに部品のシートが巻かれていて、それらがひとつずつ貼り付けられていくよう

 

↑ラインの最終工程では、エプソン製のアームロボットも活躍していた

 

↑モニターに表示される情報および、人の目でミスがないかをチェック

 

品質チェックテストは約150種類に及ぶ

続いて案内されたのは、QE(Quality Engineering)という品質試験する部門です。ここで行われる試験は、大きく電気性能試験、構造試験、環境劣化試験に分けられ、全部で150以上に及ぶそうです。

 

↑例えば、この機械では、スマホを10cmの高さから裏表それぞれ1万回落下させ、その他の4面からも各2000回落下させ、合計28000回の落下実験後に、内部構造に損傷の兆候がないかを確認している

 

↑スマホに圧力をかけたり、ねじったりという、ユーザーの様々な使用状況を想定したテストも実施

 

↑静電気を発生させた状況での動作性もチェック。乾燥する気候の地域では重要らしい

 

↑工場内のあちこちにスローガンが。奥の2人の男性は、スマホを最大1.8mの高さから大理石の平板に自由落下させるテストを行っている

 

↑試験後のスマホをチェックする社員たち

 

ちなみに、OPPOの社員の平均年齢は29.5歳。そもそも会社の歴史が浅いということもありますが、積極的に若い世代を起用し、早くからチャンスを与えて、育成するシステムも作っているそうです。また、若い世代が働きたくなる環境も作っているようです。

 

↑敷地内にある食堂で美味しい料理をいただいた。OPPOのスマホは、料理もきれいに撮影できる

 

深圳オフィスも快適そうな雰囲気

工場見学の翌日、深圳市内にあるオフィスにも行ってきました。ビルの4フロアを占めていて、CEOの部屋があったり、管理部門、デザイン部門などがあるそうです。

 

↑深圳オフィスはデスクワーク中心。部門によっては、席を固定しないフリーアドレスになっていた。「どこから来たのですか?」と話しかけられて、他愛のない会話を楽しんだり、カジュアルな雰囲気が感じられた

 

↑ランニングマシンなどが設置されたジムは、昼休みや終業後に使い放題

 

↑ヨガやダンスのレッスンが行えるスタジオも

 

最新モデル「R15」がまもなく発売!

OPPOは専売店が多く、それもアジア地域で成功を収めた要因になっているようです。深圳市内にあるお店に行ってみました。そこで4月1日発売予定の最新モデル「OPPO R15」の実機に触れることができました。

 

OPPOのスマホは、ユーザーインターフェイスがiPhoneに似ていることも指摘されていますが、最新のR15は、iPhone Xと同じように、ディスプレイの上部にノッチ(切り欠き)があり、ますます “似ている感” が強まっていました。もっとも、ノッチは多くのメーカーが採用していて、今年のブームになりそうな気配ですが(笑)。日本発売は未定です。

 

↑中国だけでなく、東南アジアでも増えてきたOPPOショップ

 

↑画面アスペクト比が19:9で、6.28インチの有機ELディスプレイを搭載したR15

 

↑背面にはデュアルカメラの指紋センサーを搭載。左が「夢鏡版(ドリームミラーエディション)」という上位モデルで、艶やかなグラデーションのデザインに仕上がっているほか、一部のスペックが右の「通常版」を上回る

 

↑R15は3月31日に発表会が開催され、4月1日からは発売開始。それを告知する広告のキャッチコピーは「年軽造未来(若者が未来を作る)」

 

先にも書きましたが、スマホメーカーが本社や工場の内部をここまで公開するのは異例のこと。その理由についてたずねたところ、「隠す必要がないことはすべてお見せしますし、話しますよ」といった回答でした。比較的新しいメーカーながら、すべて自社で開発・製造し、品質管理まで行っていることの自信の表れと言えるかもしれません。

 

筆者も、今回の取材を通してOPPOのスマホがますます好きになりました。工場がすごかったとか、働いている人が感じがよかったとか、そういう理由ではありません。いや、それもあるんですが、それ以上に、OPPOのカメラの実力を再認識させられました。ここまで撮れたら、もはや取材にはデジカメは要らないのではないかと!

 

(撮影/村元正剛)