ORIIを指にはめておき、スマートフォンに電話がかかってくればORII本体のLEDライトが知らせてくれます。ORII本体のボタンを押しはめた指先を耳元にタッチすると、ORII本体が振動し骨伝導を通じて耳に音を伝えてくれるのです。ヘッドホンとは異なり直接耳に振動を伝えるので、騒音の激しい場所でも相手の声をしっかりと聞くことができます。
またSMSやSNSのメッセージが通知すると。それを音声で読み上げてくれる機能も搭載しています。対応するアプリはFacebook、Facebookメッセンジャー、WhatsApp、WeChatなど。スマートフォンの画面を見なくとも、指先を耳に当てるだけでメッセージを確認できるわけです。
さらにORII内蔵のマイクを使って音声通話ができるほか、Siri、Googleアシスタントを呼び出すこともできます。そして「メッセージを送って」「予定を教えて」「タイマーをセットして」といったスマートフォンの操作をORIIから行うことができるのです。もちろんスマートフォンはポケットやカバンの中に入れたままこれらの操作が行えます。
Origami Labsの共同創業者のWong氏の父親は視覚障害を持っており、スマートフォンの画面を見ずに操作できるデバイスを考えた結果、ORIIの開発に至ったとのこと。またOrigamiという社名の由来は日本の折り紙からつけられたもの。ORIIの可能性は1枚の紙から様々なものを生み出す折り紙に通じるものがあります。
ORIIは2018年6月に台湾・台北で開催されたCOMPUTEX TAIPEI2018で製品化目前の試作品の展示を行っていました。骨伝導による音声の聞き取りはクリアで、使う時だけ耳に当てればよい操作も便利に感じられました。すでにクラウドファンディングで資金調達に成功しており、定価は129ドルになるとのこと。
順調に開発が進めば6月にも最初の製品が出荷されるそうです。日本展開も考えているとのことで、スマートフォンのヘビーユーザーのみならず、年配の方がスマートフォンを簡単に使うことができるようになるかもしれません。製品の登場が期待されます。