デジタル
2018/7/3 11:00

【西田宗千佳連載】スマホの「マルチカメラ」、使い方は千差万別

「週刊GetNavi」Vol.68-2

1台のスマートフォンに搭載されるカメラの数は増え続けている。最初に「多カメラスマホ」が出たのは、意外と古い。2014年に米Amazonが発売した「Fire Phone」は、フロントカメラを4つも搭載していた。といっても、カメラの画質を上げるためではない。4つのカメラによって傾きや人が画面を見ている状況を検出し、立体感のある画像表現をもたらす「ダイナミックパースペクティブ」という機能を実現するためのものだった。

↑Amazon「Fire Phone」

 

現在、一般的になりつつある「2眼のスマホカメラ」は、当初、使用するレンズの画角と焦点距離を変え、いわゆる「望遠」を実現するために登場した。こうした2眼の特性は、写真の背景をぼかす「ポートレートモード」などにも生かされている。2014年9月に登場した「iPhone 6 Plus」以降のiPhoneを筆頭に、いまもほとんどの「2眼スマホカメラ」はこの手法を採用している。なかにはLGエレクトロニクスのフラッグシップ製品(現行機種であれば「V30+」)のように、「標準」と「広角」をセットにして、より広角を重視した製品もあるが、「標準」レンズと「望遠」レンズを組み合わせて使う機種がほとんどである。

 

そこに、デュアルカメラをまったく違うアプローチで使ったメーカーが出てくる。「P20 Pro」を作ったファーウェイだ。2016年に発売した「P9」では、すでに輝度用のモノクロセンサーと、彩度用のRGBセンサーの2つを組み合わせて写真を作る、という手法が採用されていた。それから2年、ファーウェイはこのやり方を磨き、「P20 Pro」を生み出した。そして、ソニーも新型「Xperia XZ2 Premium」で、輝度+彩度でカメラを分けるデュアルカメラアプローチを採ってきた。

 

画角・焦点距離でレンズとセンサーを分けるのはもはや当然のアプローチであり、次の展開が輝度・彩度でセンサーを分けるやり方、という感じだろうか。

 

と思いきや、そこでまた別のアプローチを採用してきたのがシャープだ。シャープは「AQUOS R2」で、動画用と静止画用でセンサーを分けた。

↑シャープ「AQUOS R2」

 

いまとなっては意外に思われるだろうが、昔のデジカメは動画機能が弱かった。実は、動画に求められる機能と静止画に求められる機能とでは、微妙に要件が異なるのである。そのため初期には、デジカメとビデオカメラは別の商品であり、使っているセンサーも別だった。いまや十分共用は可能だが、それでも、画質を突き詰めるのであれば、静止画と動画はセンサーを分けた方がいい。しかも、両方のセンサーがあれば、動画と静止画を、高画質な形で同時に撮影ができる。単純な画質とは違う軸で戦いに挑んできたわけで、いかにもシャープらしいやり方といえる。

 

では、センサーの使い分けはどう画質に影響し、どのように高画質化を果たしているのだろうか? そのあたりは次回Vol.68-3にて。

 

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