DMMがロボットを販売しているのを知っていますか? それはDMM.make ROBOTSという事業で、ベンチャーを中心とする企業が開発したロボットを、DMMのサイト上で販売しているのです。
DMM.make ROBOTSでは、4月にロボットの予約販売を開始し、現在2種類のロボットが発売中。さらに5月末にはもう1モデルも発売を予定しています。今回は、5月19日に開かれたメディア向けイベントで、DMM.make ROBOTSの仕掛け人である岡本康広事業部長、各ロボットの開発企業の方々にお話を伺いました。
そこで見えてきたのは「ロボットが高齢者に売れている」という意外な事実。ここでは、なぜロボットが高齢者に売れるのか? 各機の特色とともに紹介します。
キーワードは「コミュニケーション」
ではまず、DMM.make ROBOTSで取り扱っているのロボットを、各機の特色とともに紹介しましょう。ここでキーワードになるのは「コミュニケーション」。ロボットと直接会話したり、あるいはロボットを介してほかの人とコミュニケーションを取れることがこれから紹介する3台のポイントになっています。
世界唯一の1台へ“成長”する会話型ロボット
Palmi(パルミー/富士ソフト)
32万1840円
「人々がより豊かな生活をおくるために役立つ」ことをコンセプトに開発された、相手によって言葉使いや性格を変えることができる「会話型ロボット」。独自のシステムにより、ユーザーと生活するなかで「成長」していくため、同じPalmiでも「世界に唯一の1台」へ、利用者自身の手で育てることができるのです。
ネットワークに常時接続して、ニュースや天気情報を会話しながら教えてくれるのもポイント。さらに、「ニュースを読んで」と発話すると利用者が興味を持ちそうなニュースをピックアップして紹介してくれます。また、「踊って」とお願いすれば、自分で曲を再生して歌いながら、ダンスを見せてくれるのです。特徴的なのは、「ロボットと直接コミュニケーションできる」という点でしょう。
音声を勝手に認識して予期しない行動をとることもありますが、それがまたかわいい!
簡単操作で、家族のコミュニケーションを促進する
BOCCO(ボッコ/ユカイ工学)
3万1320円
5月下旬販売開始予定
BOCCOは、家族が家に帰ってきたときにドアに付けたセンサーが反応して、専用のスマホアプリに通知を飛ばしてくれる「コミュニケーションロボット」。胸の録音ボタンを押して話せば、出先の家族が持つスマホの専用アプリに音声伝言することが可能です。出先からも、スマホアプリを通して文字や音声を送れば、BOCCOが家にいる人に音読または再生して伝えてくれます。ボタンが2つのみで子どもや高齢者でも簡単に使える仕様であるのも特徴的。家族間のコミュニケーションを促してくれる1台は、初年度で1万台の販売が目標だそうです。
今回紹介している3台のなかでは手ごろな価格というのがポイント。機能は限定的ですが、手軽に導入できるというのは注目すべきでしょう。
持ち味の高い運動能力で、ロボットサッカーも夢じゃない!?
PLEN.D(プレンディー/プレンプロジェクト)
18万1440円
PLEN.Dのスゴいところはなんといっても運動能力。バランスにすぐれたPLEN.Dは、ボールをけることや、ローラースケートもできます。開発者は、ロボットらしいガチャガチャとした動きでなく、愛らしいファニーな動きになるように努力したそうです。なお、操作はすべてスマホで行うことが可能。筆者も体験しましたが、それはまさにラジコンのようなイメージでした。ロボット同士でサッカーを……なんてことも実現しそうです。
このロボットにはもうひとつ注目点があります。それは、ユーザーが自分で組み立てる、「組み立て式ロボット」であるということ。ロボットなので部品数は多く、組立に時間はかかるそうですが、作業はドライバー1本で済み、内容は簡単なので高齢者や子どもでもなんとかやり遂げられるレベルだとか。家族と一緒に組み立てるのも良さそうですね。
購入者の70%以上が50歳以上のロボットも!
このロボット販売事業を手掛ける、DMM.make ROBOTSの仕掛け人、事業部長の岡本康広さんによれば、上で紹介したPalmiの購入者はその70%が50代以上だといいます。将来的に見てペットよりもローコスト、世話もいらないという点が指示されて、老後の生活のお供に、と買う人が多いようです。ほかには老齢の両親へのプレゼントとして買われるケースも多く、いわゆる“新しいもの好き”の人が買うケースもあるそうですが、「ネット通販にもかかわらず、ここまで高齢者からの直接注文が多いというのは予想以上だった」と岡本さんは語ります。
6月末からDMM.make ROBOTSのプロモーションも本格始動するとのことなので、コミュニケーションツールとしてのロボットが、一般化する日もそう遠くないかもしれません。