デジタル
スマートフォン
2018/9/25 22:39

【2018年版】Xperia XZ2シリーズ、XZ2とCompactとPremiumは何が違う? 比べてわかった3モデルの「ディスプレイ&スピーカー」の意外な差

スマホが「振動する」迫力のサウンド機能を追加

音まわりの機能についてはXZ2 PremiumとXZ2に新設された「ダイナミックバイブレーションシステム」の機能から紹介しましょう。

 

↑音量キーをクリックすると、ボリュームスライダーの下にダイナミックバイブレーションのレベル調整が現れます。アプリごとに設定を決められるのが特徴

 

本体に内蔵した大型バイブレーションアクチュエーター(振動デバイス)を、着信の通知だけでなくエンタメにも活用した機能です。映画や音楽を内蔵スピーカーで再生している時に、出力される音の振動パターンを解析しながらバイブレーションを発生させます。

 

この機能は、映画や音楽を再生するメディアプレイヤーアプリを中心に有効化され、NetflixやAmazonプライム・ビデオなどサードパーティーのアプリでも使えます。イヤホン再生時には無効になります。

 

バイブレーションの強弱は3段階で調整ができます。「強」に設定するとかなりハッキリと震えます。音量キーを押すと、その直下に表示されるメニューで強さが変えられるほか、設定アプリの音設定でオン・オフ切り替えが可能。音楽再生時にはボーカルが多少声を張り上げると震えたりしますが、やはり効果的に感じるシーンはアクション映画などを観る時でしょうか。

 

↑ダイナミックバイブレーションのオン・オフは音設定から切り替えます

 

XZ2シリーズはそれぞれの前機種からデザインが大きく変更されていますが、筐体内部の設計も見直しを図っています。その結果、XZ2とXZ2 Compactは前のモデルから約20%、XZ2 PremiumはXZ Premiumよりも約30%も最大音量の向上を実現。

 

独自の立体音響技術「S-Force Front Surround」も搭載しているので、内蔵スピーカーだけでも力強く広がりの豊かなサウンドが楽しめます。特にXperiaシリーズは左右の音量がバランス良く揃っていることが大きな魅力。映画などの人物の発声がセンター位置に定位して、とても聴きやすいのです。効果音やサウンドトラックとの分離も鮮明なので、映画やドラマのストーリーに入り込みやすい。XZ2 Compactも十分にパワフルで明瞭なサウンドで、内蔵スピーカーの音質に関しては他の追随を許さない優秀なコンパクト機です。

 

↑本体のフロント側にスピーカーを内蔵。開口部のサイズが違うのに、左右の音の聴こえ方のバランスが均等になるよう巧みに調整されている

 

イヤホンのUSB接続一本化にはやはり対策が必要

シリーズで初めて、アナログイヤホンジャックを取り払ったXZ2シリーズ。イヤホンによるリスニングもUSB Type-Cによるデジタル接続に一本化されてしまいました。今まで使っていた有線接続のイヤホンはスマホのパッケージに同梱されるUSB/3.5mmアナログイヤホンジャックの変換アダプターを使えば従来通り使えるのですが、アダプターを持ち歩く手間や紛失してしまうリスクを考えるとBluetoothイヤホン・ヘッドホンに乗り換えてしまいたくなります。

 

↑XZ2シリーズからイヤホンリスニングも、USBデジタル接続に一本化

 

ただ、Bluetoothペアリングの手間やバッテリー切れのケアに翻弄されることの方がストレスに感じるという方は、シュアのUSB Type-C直結のリケーブル「RMCE-USB」などのアクセサリーを活用する方法もありです。

 

↑シュアのUSB Type-C対応デジタル接続用リケーブル「RMCE-USB」。ハイレゾ対応のDACとアンプを積んでいるので、Xperiaに付属する変換アダプターよりも力強く立体的なサウンドが楽しめる

 

↑本体のパッケージにUSB/3.5mmアナログイヤホンジャックの変換アダプターが付属

 

USB接続になったことで、XZ1まで搭載されてきた特定のソニー製イヤホンと組み合わせて使う、ノイズキャンセリング機能が使えなくなりました。ただ、今ではノイズキャンセリング対応のイヤホンやヘッドホンが、色んなブランドから発売されているので、無くなったことで特に痛みを感じるほどではないと思います。

 

↑左がXZ1の本体トップ。右がXZ2。イヤホンジャックの代わりにSIMカードスロットがあります

 

むしろ筆者のようにハイレゾの楽曲を入れたmicroSDカードをXperiaに頻繁に抜き差しするユーザーにとっては、XZ2シリーズでまたSIMカードとSDカードのトレイが一体化してしまったことが残念でなりません。SDカードを外す際に毎度本体を再起動する手間が発生するうえ、SIMカードに傷が付いて接触不良が起きる可能性もあるからです。

 

↑上のXZ1はSIMカードスロットを開けてもSDカードのトレイとSIMカードのトレイが別々だったので、再起動の手間がなくSIMカードを傷つける心配がなかった。しかし、XZ2シリーズはまた元の一体型トレイに戻ってしまった

 

イヤホン・ヘッドホンによるポータブルリスニングについては、本音を言うとアナログイヤホンジャックも使えるXZ1/XZ Premiumの方が何かと便利で快適だったようにも思います。でも一方でスマホで動画コンテンツを楽しむユーザーが増えつつあるいま、内蔵スピーカーを強化したり、バイブレーション機能を追加したソニーモバイルの判断も正当性があると思います。最新XZ2シリーズの魅力は、ディスプレイとサウンドの進化を合わせながら旧モデルと比べたときにいっそう際立ってくるのではないでしょうか。

  1. 1
  2. 2