新しいiPhoneが発売されて、どのモデルにしようか? あるいは買い替えを見送ろうか? などを考えている人が少なくないでしょう。今年の秋は、新しいiPhoneのライバルになりそうな、Androidのハイエンドモデルが続々と日本に上陸しそうです。その最右翼と言えるのが「Galaxy Note9」。
海外では8月24日から発売されており、日本では昨年発売されたGalaxy Note 8と同じように、NTTドコモとau(KDDI)が取り扱う可能性が高いと思われます。そのGalaxy Note9の海外版モデルをいち早く試す機会を得ました。日本での使用を認める“技適”マークがないモデルだったので、8月31日〜9月5日にドイツ・ベルリンで開催された「IFA 2018」の取材中に使ってみました。
慣れたら手放せなくなくなりそうなSペンの書き心地
Galaxy Noteシリーズの最大の特徴は「大画面」と「ペン操作」。最新のNote 9も6.4インチ(2960×1440ドット)の大画面を搭載しています。スマホとして最大級の画面サイズですが、実際に手にすると、そんなにゴツい感じはしません。最近は、大画面のスマホが増えてますし、Note9は、ディスプレイの左右がほぼベゼルレスなので、なおさらに細く感じるのでしょう。
「Sペン」という専用のスタイラスペンは、本体の右下から、カチッと押して、サッと引き出せます。従来モデルから受け継がれている仕様ですが、ペンをなくすこともなく、意識せずに充電もでき、理想的な仕様だと思います。
Sペンの色は、カラーバリエーションによって異なるそうですが、僕が借りたOcean Blueモデルに付属するSペンは黄色でした。バランスのよい組み合わせだと思うし、黄色は目立つので、抜き出したまま置き忘れたりすることを防止する意味でも、いい色だと感じました。
最も気になっていたのはSペンの書き心地です。Sペンの書き心地は、前モデルのNote8ですごく良くなったと感じたのですが、Note9のSペンも同じくなめらかな感覚でした。「アナログの紙に書くような感覚」と言うのは大げさですが、スラスラと書けて、ペン先が滑ったりすることもない。筆記具に例えると、ペン先が細い高級なボールペンに近く、慣れたら、アナログのペンよりも書きやすく感じる人もいることでしょう。
前モデルのNote8から、スクリーンオフの状態でSペンを抜き出すと、黒い画面にメモを描ける「画面オフメモ」という機能が搭載されています。Note9では、黄色のペンで描くと、黄色で書けるんです。ちなみに、Midnight Blackモデルには黒いSペンが付属していて、画面オフメモでは白い文字を書けるそう。Lavender PurpleとMetallic Copperは、それぞれ同色のSペンを付属し、画面オフメモに同色で書けるようです。画面オフメモは、よく使う機能になると思うので、カラバリ選びは大事かもしれませんね。
そもそも便利なSペンがさらに進化!
実際にSペンを使って、便利さを実感したのは、プリインストールされている「Samsung Notes」アプリの秀逸さです。
いくらSペンが書きやすいといっても、1画面に書ける文字量には限界がありますよね。紙のノートに書くときも、デカデカと殴り書きをして、無駄に余白を作ってしまう筆者によって、Note 9は大画面とはいえ、文字を書くノートとしては、さほど大きくはありません。ですが、便利な機能があるんです。指定された枠の内側に文字を書くと、きれいに整列されるんです。1画面に多くの文字を書けるし、あとで読むときの視認性も向上します。
さらに、手書きのメモを、手書きのキーワードで検索できる機能もあります。どんなにメモを溜め込んでも、確認したいメモを素早く絞り込んで探し出せるわけです。もはや、紙の手帳よりも便利だと感じました。
Galaxy Note9のSペンには、リモコンとして使える新機能も追加されています。便利だったのは、カメラのリモコンシャッターとして使えること。ちょっと離れて自撮りしたい時に、Note9を卓上に置いて、Sペンのボタンをカチッと押すとシャッターが切れるわけです。ボイスレコーダーをリモート操作できたり、Note 9の画面をプロジェクターから出力させて場合に、Sペンでスライドを切り替えたりもできるそうです。
カメラの性能&楽しさも満足必至
カメラが大幅に進化したことも見逃せないポイントです。前モデルのNote 8と同じく1200万画素のデュアルカメラを搭載していますが、さらに、Galaxy S9/S9+で注目されたF値2.4モードとF値1.5モードの自動切り替えやスーパースローモーションなど、先進的な機能がまるごと追加されています。
F値1.5モードで夜景がきれいに撮れることはもちろん、明るい場所でも、曇りの日でも、その場の空気感を生かしつつ、明るく撮れました。まずは、写真は素人の筆者が撮った作例をご覧ください。
スーパースローモーションで撮影した動画がこちらです。
Note9のカメラは、IFA 2018の取材でも大活躍しました。望遠レンズに切り替えて2倍ズーム撮影ができるし、僕が使っているコンパクトデジカメ(Canon G16)よりもオートフォーカスが速いし、あとでメモも書き込めるし、取材との相性は抜群によいカメラと感じました。
セキュリティもバッテリー容量も万全!?
セキュリティは顔認証、虹彩認証、指紋認証の3つに対応し、顔認証と虹彩認証を併用する「インテリジェントスキャン」にも対応しています。よく使うアプリをエッジスクリーンから起動できる機能も健在。2つのアプリを「アプリペア」として登録して、それらのアプリをマルチウィンドウに同時に起動することもできます。
バッテリー容量は4000mAhで、前モデル(3300mAh)より大幅に増えています。実際に使った感覚としても電池持ちはよく、「結構使ったなぁ」と思う日でも、1日で電池残量がピンチになることはなかったです。
Galaxy Note9は、2018年9月22日現在、まだ日本での発売についてはアナウンスされていない。日本向けモデルでは仕様が変更される部分があるかもしれないし、価格もどうなるかわからない(安くはないだろうが…)。だが、6.5インチのiPhone XS Maxの強力なライバルになるのは間違いないはずです。大画面でカメラの性能が良くて、ビジネスにも活用できるスマホが欲しい人、待ちましょうね。