カギや財布、バッグから、自転車やスーツケースまで。忘れたり、なくしたら困るアイテムをスマホでしっかり管理できる「スマートタグ」が今、注目を集めています。
スマホとBluetooth通信でつながる小さなタグを大切なものにつけておくと、いざというときにスマホから音を鳴らしたり、地図で位置を確認して探せるというもの。スマホと一定の距離以上離れると、通知してくれる機能などもあります。急いでいる朝にかぎって見当たらないカギやお財布を、家の中から発見できるほか、バッグなどの置き忘れや盗難防止にも一役買うアイテム。しかも案外、手頃な値段で手に入ります。
中でも特に人気を集めるスマートタグの2シリーズと、それぞれのできることをチェックしてみました。
米国でナンバーワンのシェアを誇る「Tile」
選べるデザインの豊富さが魅力のシリーズ「Tile(タイル)」。シンプルなキーホルダー型の「Tile Mate」やスポーティーな印象の「Tile Sport」、レザーのバッグなどにもマッチするエレガントな「Tile Style」のほか、お財布のカードポケットにすっぽり入る、薄型の「Tile Slim」もあります。
Tile「Tile Mate」
3110円(税込)
シンプルかつコンパクト。キーリングに通せる小さな穴が開いていますが、防水対応です。
Tile「Tile Slim」
3650円(税込)
カードポケットにすっきり収納でき、大きめのおサイフにぴったり。
Tile「Tile Sport」(左)/「Tile Style」(右)
各4190円(税込)
「Tile Mate」や「Tile Slim」の倍にあたる、約60mまで離れてもスマホとつながります。防水機能もアップ。
使い方はいずれもほぼ同じで、まずはスマホに専用のアプリをインストールするところからセットアップを開始。サービスにユーザー登録後、Tileのボタンを押すと音が鳴って起動するので、あとはアプリの手順に従えばBluetooth通信の設定が完了します。難しいことは、なにもありません。
スマホが見当たらないときは逆探知も
アプリには「カギ」、「財布」のように名前をつけて、複数のTileを登録可能。わかりやすいようにアイテムごとに写真を付けることも出来ます。ここで探したいアイテムを選んで、スマホから音を鳴らしたり、今アイテムがある位置を地図上で確認したりできます。
Tileのボタンを2度押しすると、Tileからスマホを鳴らすこともできるので、家の中でスマホが見当たらないときにも便利。スマホの音量がオフになっていても、強制的に音を出すことができるほかスマートスピーカーとも連携し、声で命令して音を鳴らすこともできます。
スマホとTileが最後に通信をした場所で探す
先ほど地図で位置を確認できると紹介しましたが、Tile自体にGPSの機能はなく、位置情報はスマートフォンから得るしくみ。スマホとTileが最後に通信をした場所が、地図上に示されるというわけです。万が一どこかに置き忘れても、最後にあった場所がわかるので、そこから捜索を開始することが可能。本当になくしたのか、単に家に忘れたのかわかるだけでも、安心できます。
その場所で探しても見つからないときは……
その場所で探しても見つからない万が一のときは、ほかのTileユーザーのスマホの位置情報を通じて、アイテムがどこにあるかを探せる機能もあります。自分のTileがほかのTileユーザーとすれ違ったときに、そのユーザーのアプリから位置情報を収集して教えてくれるというもの。必ず見つかるという保証はありませんが、ユーザーが増えるほど見つかる確率がアップするしくみです。なおアプリによれば私の住んでいる中野区付近には、現在5037人のユーザーがいるそうです。
日本のスタートアップが手がける「MAMORIO」
一方、MAMORIO社が手がける「MAMORIO(マモリオ)」シリーズは、サイズが小さくシンプルなデザインで、いろんなモノと一緒に持ち歩きやすいのが特徴。
タグ型でカラフルな色が選べる「MAMORIO」をはじめ、よりスリムでスマホと通信できる距離も長い「MAMORIO S」、丸型で子供やお年寄りの見守りにも使える「Me-MAMORIO」のほか、シールタイプでカメラなどの電子機器にも貼りやすい「MAMORIO FUDA」は、最近発売されたばかりの新製品です。
MAMORIO「MAMORIO」
3780円(税込)
「Tile」よりもさらにコンパクトで、シンプルなタグ型デザイン。価格は税抜3500円。
MAMORIO「MAMORIO S」
4298円(税込)
「MAMORIO」に比べてスリムな「MAMORIO S」。それだけでなく、通信距離も「MAMORIO」の2倍の約60m
MAMORIO「MAMORIO FUDA」
2979円(税込)
セットアップの手順やできることは、Tileとほとんど変わりませんが、Tileのようにタグにボタンが付いていないので、セットアップ時は電池についている絶縁シートを引き抜いて起動するしくみ。またタグにボタンがないので、MAMORIOからスマホを鳴らす機能はありません。
スマホからMAMORIOの音を鳴らす、位置を地図で確認できるほかに、MAMORIOとスマホが離れたときにスマホに通知する機能があり、置き忘れの防止に便利。またTile同様、他のユーザーのスマホを通じて位置を探せる「みんなでさがす」機能も利用できます。
失くしたアイテムが届けられると通知。さらに保険も!
さらにユニークなのが、駅などの忘れ物や落とし物が届くスポットに専用のアンテナが設置されていて、失くしたアイテムが届けられると通知してくれる機能。都心を中心に鉄道・バスなど200路線に設置されています。
このほか見つからなかったときにお金が受け取れる保険や、アイテムを探す際のサポートがセットになった有料プランが用意されているのも、ほかにはない特徴のひとつです。
筆者もそのひとりですが、普段から忘れ物、なくし物が多い人に「スマートタグ」は絶対おすすめしたいアイテム。値段も3000円~4000円程度と手の届く設定なのがうれしいですね。
電池交換ができるモデルもラインナップ
ただしこれらの電池持ちは約1年ほどで、電池が切れた場合にも自分では電池交換ができません。サービスに登録すれば、新しい製品を優待価格で購入できますが、ずっと使い続けると考えるとやや割高に感じてしまうかもしれません。そんな人には、自分で電池の交換ができる「TrackR(トラッカール)」シリーズや、「Qrio Smart Tag(キュリオスマートタグ)」といった製品もあります。
いずれも基本的なできることは、今回取り上げた2つと大きく変わりません。まずはお気に入りのデザインのものを試しにひとつ、使ってみてはいかがでしょうか?