E-inkディスプレイは、画面内のボタンでモード切替えができます。各モードの内容を見てみましょう。
キーボードモード
キーボードモードは、E-inkの画面内にキーボードを表示がされます。“物理キーボードのような打ち心地”を再現するための工夫がこらされていますが、その1つがタイピングにあわせて振動する触覚フィードバック機能。触ったキーは押し込まれたようなアニメーションを起こすことで、実際に打ったかのような感覚を起こさせる仕組みです。言語の切り替えも30か国語で対応し、それぞれの言語にあわせたキーボードデザインで表示されます。
さらに画面内キーボードならではといえるタイピング補助機能を搭載しています。「アドバンスド・エルゴノミック・バーチャルレイアウト」と名付けられたその機能は、使っている人のキーボードの打ち方の“くせ”を学習します。そして、キーボードのキーの大きさを自動で調整して、打ち間違いが少なくなるような配置に変更するという内容です。
ノートモード
ノートモードは、E-ink画面上にメモやイラストをかけるモード。付属のタッチペンを使えば、細かい描画も可能です。メモした内容はWindowsの画面にコピー&ペーストして活用できます。反対に、Windowsの画面をスクリーンショットとして記録して、その上から書き込むこともできます。
ディスプレイを360度回転させてタブレット形状にすれば、メモボードのようなスタイルに。メモに書き込んだ内容はそのままパソコンで活用できます。
リーダーモード
パソコン内に保存されているPDFファイルを、E-ink画面で閲覧できるモードです。E-inkといえば、Amazonの「Kindle」など電子書籍リーダーが採用している素材で、目への負担が少ないディスプレイとされています。Yoga Book C930で表示できるのは、PDFファイルのみ。電子書籍で主流の「ePub」やHTML、jpgといったファイルは非対応となっており、E-inkディスプレイをWindowsの画面表示に使うこともできません。表示できる内容が限られているのが残念ですが、仕事の書類に目を通すときには便利な機能と言えそうですね。
ボディは薄い板が2つ合わさったような形状。閉じた時は2枚の板がピッタリ重なって9.9mmという薄さになります。ピッタリと磁石でくっつくので、開くのに若干力がいりますが、天板を2回「トントン」とノックすると、パカッと開くという機能も備えています。背面にはタッチペンをマグネットで装着できます。
気になるスペックですが、CPUはインテルの第7世代Coreプロセッサー「Core m3-7Y30」または「Core i5-7Y54」。メモリは4GBで、ストレージは128GBまたは256GBを搭載しています。Officeソフトやブラウザを使うには、不足はないスペックです。USB 3.0 Type-C端子を2基搭載していて、充電もUSB Type-C端子から行います。LTEモデムを搭載したモデルもラインナップされています。
E-inkディスプレイがキーボードになっているという一見してユニークな仕様ですが、キー入力の補助機能やノート機能を活用すればこのパソコンだけにしかない快適さが得られるかもしれません。店頭で見かけたら要チェックな一台ですね。