端末の進化がある程度安定した現在、iPhoneとAndroidでは、ストレスなく使えて、より満足度が高い陣営はどちらでしょうか。ここでは、日常使いで特に重要となるポイントを前・後編に分けてテストしました。前編の本記事では、Andridの4モデルを検証。後編の本記事ではiPhoneの3モデルを検証します。
【関連記事】
【2018年冬スマホ最終結論】ハイエンドAndroidが個性豊か! 最新スマホの実力を専門家が総合テスト
【テスト概要】
1.カメラ性能
風景、近接、ズーム、逆光、暗所での撮影を行って、画質を比較。また、ハイダイナミックレンジ(HDR)機能およびポートレートモードに対応する機種は、その性能もチェックしました。
2.持ちやすさ
ケースなしで端末を持ったときのホールド感を、大きさや重さ、端末の形状や質感なども含めて評価。片手での操作のしやすさとカメラ使用時の安定感も確認しました。
3.処理能力
ベンチマークアプリ「Geekbench4」でCPUのスコアを測定。また、AIを活用した機能やARアプリなど、処理能力の高さが求められる作業への対応度やその使い勝手もチェックしました。
4.バッテリー
YouTube上の動画を1時間再生した後のバッテリー残量および熱の持ち方をチェック。ARキャラクターを表示するアプリでの発熱状況や、バッテリー関連機能の使い勝手も確認しました。
【判定した人】
ITライター
酒井麻里子さん
IT関連の雑誌や書籍の編集・執筆に携わっています。スマホはiPhoneとAndroidの2台を使い分けています。
大画面化&高機能化が進み10万円超のモデルが増加
スマホのハイエンドモデルは、近年の傾向である大画面化がいっそう進み、iPhoneでは過去最大の6.5インチディスプレイを搭載するiPhone XS Maxが登場。Androidでも6インチを超えるモデルが揃います。
また、iPhone、Androidともに、今回テストしたハイエンドモデルはいずれも最新のプロセッサーを搭載。処理能力の高さを生かし、AIを活用した新機能を導入するケースも目立ちました。このほか、カメラの高性能化にも各社が注力。複数のカメラを搭載することが定番化したほか、AIを活用することによって、より簡単に高画質の写真が撮影できるようになっています。
ディスプレイの大型化や高機能化の恩恵を受けられるのはうれしいですが、その一方で両陣営とも高価格化が進んでいることは事実です。iPhoneはXRの64GB、128GB以外のモデルはいずれも10万円超。AndroidでもFind XがSIMフリー版で11万円台後半となるなど、数年前のハイエンド機に比べるとかなり高価な印象です。頻繁な買い替えがしづらい価格になったからこそ、購入前により入念な検討が必要になっているでしょう。
【iPhoneその1】10万円以下から購入できるカラフルな新モデル
Apple
iPhone XR
9万1584円〜
最新の液晶ディスプレイ「Liquid Retina」を搭載。IP67等級の防水・防塵を備え、フレームは航空宇宙産業で使用されるものと同等のグレードのアルミニウムが使われています。ホームボタンはなく、ロック解除などはFace IDで行います。
SPEC●OS:iOS 12●プロセッサー:A12 Bionic●ディスプレイ:6 .1インチ(1792×828)●前面カメラ:700万画素 ●サイズ/質量:W75.7×H150.9×D8.3㎜/194g
全6色の豊富なカラバリも魅力。カラバリはiPhone史上最多。ブルー、コーラル、(PRODUCT)RED、イエロー、ホワイト、ブラックの6色が揃います
【カメラ性能:B】
HDR撮影も可能で美しく描写できる
【持ちやすさ:A】
フレームのホールド感がしっかりしていて安心
【処理能力:A】
ARアプリも快適に使うことができる
【バッテリー:A】
ほとんど熱を持たずにライブ動画を楽しめた
【iPhoneその2】
2つの背面カメラを搭載しハイクオリティな撮影が可能
Apple
iPhone XS
12万1824円〜
最新のプロセッサーA12 Bionicを搭載した5.8インチベゼルレス端末。進化したFace IDで、より正確でスムーズな認証が可能になりました。カメラは明暗差のある場面でも美しく再現するスマートHDRに対応。
SPEC●OS:iOS 12●ディスプレイ:5.8インチ有機EL(2436×1125)●前面カメラ:700万画素●サイズ/質量:W70.9×H143.6×D7.7㎜/177g
【カメラ性能:A】
ハイブリッドズームできれいに撮影できる
【持ちやすさ:A】
フレームのアルミが手にフィットする
【処理能力:A】
ほとんどストレスなく快適に操作できる
【バッテリー:A】
スタミナは十分以上でワイヤレス充電も便利
【iPhoneその3】
iPhone史上最大の6.5インチディスプレイ
Apple
iPhone XS Max
13万4784円〜
歴代iPhone最大の6.5インチ有機ELディスプレイを搭載。プロセッサーやカメラのスペックはiPhone XSと同様で、フレームには、医療器具レベルのステンレススチールが採用されています。防水・防塵はIP68等級。
SPEC●OS:iOS 12●ディスプレイ:6.5インチ有機EL(2688×1242)●前面カメラ:700万画素●サイズ/質量:W77.4×H157.5×D7.7㎜/208g
【カメラ性能:A】
見た目に自然な色で明るく撮影できる
【持ちやすさ:B】
QWERTYキーボードもラクラク入力できる
【処理能力:A】
ARアプリなどもサクサク動かせる
【バッテリー:A】
連続通話時間は8 Plusより増加
【CHECK!】
豊富なアクセサリーもiPhoneの魅力!
端末の種類が非常に多いAndroidに対して、iPhoneのリリースは毎年数モデルのみ。その分、各モデルに対応するアクセサリーの種類が豊富な点が特徴です。使い方や好みに応じて充電器やケースを柔軟に選択できます。
アウトドアでも安心の耐衝撃設計
【iPhoneXR用ケース】
エレコム
PM-A18CHVODF
実売価格3210円
iPhone XR用のアウトドア向けケース。軽くて丈夫なポリカーボネートと弾力性のある素材のTPUを使用した耐衝撃設計で、ストラップにはモバイルバッテリーなどを挟むことも可能です。
スタンドでも寝かせても使える充電器
【Qi対応充電器】
サンワダイレクト
ワイヤレス充電器 700-WLC003
4280円
iPhoneに最適化された7.5W急速充電対応のQi充電器。スタンドに加え、端末を寝かせておくパッドスタイルでも利用できます。充電状況はLEDで表示され、異物検知機能も搭載しています。
【結論!】
iPhone XSはすべての機能がバランスよく優れた優等生
今年の3モデルでは、ベンチマークスコアおよびバッテリー残量テストの結果にそれほど大きな差は出ませんでした。ただし、XRより高いカメラ性能や、XS Maxよりコンパクトで持ちやすい点を加味すると本機がベストな選択です。
●iPhoneはすべてSIMフリー版の価格です