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2018/12/29 10:00

【2018年冬スマホ最終結論】ハイエンドAndroidが個性豊か! 最新スマホの実力を専門家が総合テスト

スマホの進化がある程度行き着いた現在、iPhoneとAndroidでは、ストレスなく使えて、より満足度が高い陣営はどちらでしょうか。ここでは、日常使用で特に重要となるポイントを前・後編に分けてテストしました。前編の本記事では、Androidの4モデルを検証、3段階で評価しましたのでご覧ください。

 

【テストした人】

ITライター・酒井麻里子さん

IT関連の雑誌や書籍の編集・執筆に携わっています。スマホはiPhoneとAndroidの2台を使い分けています。

 

【テスト概要】

1.カメラ性能

風景、近接、ズーム、逆光、暗所での撮影を行って、画質を比較。また、ハイダイナミックレンジ(HDR)機能およびポートレートモードに対応する機種は、その性能もチェックしました。

2.持ちやすさ

ケースなしで端末を持ったときのホールド感を、大きさや重さ、端末の形状や質感なども含めて評価。片手での操作のしやすさとカメラ使用時の安定感も確かめます。

3.処理能力

ベンチマークアプリ「Geekbench4」でCPUのスコアを測定。また、AIを活用した機能やARアプリなど、処理能力の高さが求められる作業への対応度やその使い勝手もチェックしました。

4.バッテリー

YouTube上の動画を1時間再生した後のバッテリー残量および熱の持ち方をチェック。ARキャラクターを表示するアプリでの発熱状況や、バッテリー関連機能の使い勝手も確認しました。

 

【Androidスマホその1】高性能カメラと有機ELディスプレイの美しさが魅力

ソニーモバイル

Xperia XZ3

実売価格9万9360円(※1)

Xperia初の有機ELディスプレイ採用モデル。YouTubeなどの標準画質の映像をHDR相当に自動変換できるHDRアップコンバート機能や、動画の音やゲームの動きに合わせて端末が振動するダイナミックバイブレーションに対応します。

SPEC●OS:Android 9 Pie●ディスプレイ:6.0インチ(2880×1440)●前面カメラ:1320万画素●サイズ/質量:約W73×H158×D9.9㎜/約193g

 

↑スリープ状態から端末を横向きに構えるだけで、カメラの起動や撮影を行える設定も可能です

 

↑側面のダブルタップで、アプリ一覧の表示などが可能な「サイドセンス機能」を搭載

 

【カメラ性能:A】

ポートレート撮影時のボケがとても美しい

↑近接撮影は少々暗めですが、ポートレート撮影時のボケがとてもきれいに出ます。暗所撮影でも日中かと思うほどの明るい写真が撮れました

 

【持ちやすさ:B】

手のひらで包むように持つとホールド感良好

↑エッジが細くツルンとした素材なのでサイド面を持とうとするとホールド感が弱くなり少々不安。手のひらでしっかり包むと安定します

 

【処理能力:?】

測定はできなかったが最新プロセッサを搭載

↑デモ機でのレビューのためベンチマークスコアは測定できませんでした。ただARカメラなど処理能力が求められる機能は快適に使えました

 

【バッテリー:C】

バッテリー使用状況をグラフで確認できる

↑バッテリー容量は3200mAh、動画再生後の残量は85%でわずかに熱を持ちました。バッテリー使用状況のグラフ表示がわかりやすいです

 

【Androidスマホその2】「Google レンズ」などの最新機能を利用できる

Google

Pixel 3

9万5000円〜

カメラを向けたモノの購入情報などを検索する「Google レンズ」や、撮影前後のタイミングから一番よい瞬間を自動で選ぶ「トップショット」など、AIを活用した機能に対応。6.3インチのPixel 3 XLも用意されています。

SPEC●OS:Android 9 Pie●ディスプレイ:5.5インチ(2160×1080)●前面カメラ:800万画素×2●サイズ/質量:W68.2×H145.6×D7.9㎜/148g

 

↑別売の「Pixel Stand」(9504円)も登場。ワイヤレスで充電しながらGoogleアシスタントを音声操作できます(画像提供:Google)

 

【カメラ性能:B】

360°撮影などユニークな撮影モードも搭載

↑近接撮影は少々暗め。背面カメラはシングルながらポートレートにも対応し、ほどよいボケ味が得られます。360°撮影モードなども搭載

 

【持ちやすさ:A】

ホールド感の高い形状と素材で安心

↑5.5インチの端末は小さめで片手でも操作しやすいです。フレームの丸みが少なく素材もすべりにくいので、ホールド感はとても高いです

 

【処理能力:B】

AIを使った機能の動作もスムーズ

↑4GBメモリを搭載し、Geekbenchでの測定結果はマルチコアで8303となりました。「Google レンズ」などAIを使った機能の動作もスムーズです

 

【バッテリー:C】

電池消費の自動制限機能で効率的に使える

↑2915mAhで、再生後の残量はiPhoneの3機種に次いで多い88%。使用頻度の低いアプリの電池消費を自動制限する機能で効率的に使えます

【Androidスマホその3】わずか146gの超軽量を実現した6.2インチ有機ELモデル

シャープ

AQUOS zero

実売価格:9万9840円

国産有機ELディスプレイを搭載。6インチ以上、バッテリー3000mAh以上のスマホでは世界最軽量の146gを実現しました。ステレオスピーカーを搭載し、「タッチチューニング」技術によって速いタップ操作にも正確に反応します。

SPEC●OS:Android 9 Pie●ディスプレイ:約6.2インチ(2992×1440)、有機EL●前面カメラ:約800万画素●サイズ/質量:W73×H154×D8.8㎜/146g

 

↑背面にアラミド繊維、フレームにマグネシウム合金を採用。実測でも軽量でした

 

↑AQUOSシリーズ初の有機ELディスプレイを搭載。全体がゆるやかにカーブした形状です

 

【カメラ性能:A】

画面上に白飛びなどのアラートを表示できる

↑近接撮影は自然な色で撮れます。白飛びや黒つぶれを画面上に表示できる機能が便利で、マニュアルモードは設定できる項目も多いです

 

【持ちやすさ:A】

エッジが凹んだ形状でしっかり指にかかる

↑このサイズでこの軽さはすごい。エッジ部分は中央が少し凹んだ形状になっているので指がかかりやすく、ホールド感も高いです

 

【処理能力:B】

ゲーム時の操作性を最適化する機能も搭載

↑6GBメモリを搭載し、Geekbenchの結果はマルチコアで8944(※2)とAndroidの4機種中最大。タッチチューニング機能はゲームで威力を発揮します

 

【バッテリー:C】

動画再生時の発熱は気になるレベルではない

↑バッテリー容量は3130mAh、動画再生後の残量は83%と最も少なくなりました。動画再生時はわずかに熱を持ちますが、気になるほどではありません

 

【Androidスマホその4】スライド式カメラの採用で全面スクリーンを実現!

OPPO

Find X

実売価格 11万9730円

カメラをスライド式にすることによって、アスペクト比19:5.9のパノラマスクリーンと93.8%の画面占有率を実現した6.4インチ端末。前面カメラにはAndroid初の3Dセンサーを搭載し、ロック解除時などに精度の高い顔認証を利用できます。

SPEC●OS:ColorOS 5.1(※3)●ディスプレイ:6.4インチ(2340×1080)●前面カメラ:25MP●サイズ/質量:W74.2×H156.7×D9.6㎜/186g

 

↑通常使用時は、カメラは内部に格納されています。カメラ起動時や顔認証時は、カメラがスライドして自動で出現するしくみ。

 

 

【カメラ性能:A】

カメラ出現時にはわずかにモーター音

↑前面・背面ともに超高解像度。カメラ出現時にわずかにモーター音が聞こえるので、静かな場所での使用では少々気になるかもしれません

 

【持ちやすさ:B】

エッジが細く曲線的なので少々滑りやすい感じも

↑エッジが薄く曲線的な形状で滑らかな素材なので、少々滑りやすいです。慣れるまでは落とさないように、注意しながら持つようにしたいです

 

【処理能力:B】

8GBの大容量メモリを搭載し快適に動作

↑Geekbenchでの測定結果はマルチコアで8187。メモリは今回のテスト機種で最大の8GBを搭載し、多数のアプリを同時起動時も快適です

 

【バッテリー:B】

3400mAhバッテリー搭載で動画再生時の発熱もわずか

↑バッテリー容量は3400mAhとテスト機では最大で、動画1時間再生後の残量は86%。動画再生、ARアプリ共にわずかに熱を持つ程度でした

 

【CHECK】

満足度◎な機種が勢揃い! Androidのハイコスパ3モデル

ハイエンド機は価格が高すぎて躊躇してしまうという人は、Androidの3〜4万円台モデルが狙い目です。リーズナブルな価格ながら、性能にも妥協していないハイコスパな製品が揃っています。

 

ディスプレイで指紋認証が可能になった!

OPPO

R17 Neo

実売価格3万8988円

指紋センサーをディスプレイ内に内蔵していることが特徴の6.4インチ端末。ノッチは小さな水滴形で、画面占有率は91%。UQモバイルの専売で登場。

 

小さめサイズ&お手頃価格の5.5インチ端末

シャープ

AQUOS sense2

実売価格3万2400円(※4)

約5.5インチ液晶IGZOディスプレイを搭載。ボディは丸みをおびたフォルムのアルミ製で、片手でも持ちやすいサイズ。顔認証、指紋認証のどちらにも対応します。

 

前面・背面カメラとも1600万画素!

サムスン

Galaxy Feel2

実売価格4万2120円(※5)

5.6インチ有機ELディスプレイを搭載。顔および指紋認証の両対応で、防水・防塵設計。カメラは前面・背面ともに1600万画素の高画質で撮影できます。

 

 

【結論!】

AIの実力を体験できるPixel 3がおすすめ!

汎用性を求めるとiPhoneに軍配が上がるものの、独自機能などの個性を求めていくと、Androidはより便利な端末となります。先進性重視で最先端のAI機能を堪能できるPixel 3がおすすめです。

 

Googleが誇る先進のAI機能を凝縮した本機。失敗写真を減らしてくれる「トップショット」や、暗所を明るく写せる「ナイトショット」など、AIを実用性の高いカメラ機能に応用している点が見事です。サイズもコンパクトで万人が使いやすいです。

 

※1:au版の端末価格。「カケホ」+「auピタットプラン」を契約した場合

※2:開発機でのテストのため、実製品とは異なる場合があります

※3:Android 8.1ベースのOS

※4:au版の端末価格。契約プランはXperia XZ3と同様

※5:ドコモ版の端末価格。「docomo with」適用時

●GoogleのPixel 3およびOPPOのFind Xは、SIMフリー版の価格となります