最新デジタル機器は2019年も生活に大きな変化をもたらしそうです。注目株をチェックすると、PCやスマホ関係のほか、脳波を使ったアイテムや次世代型翻訳機など幅広いものが勢揃いしました。キーワードごとに解説したいと思います。
【解説してくれた人】
ジャーナリスト
西田宗千佳さん
モバイル機器、PC、家電などに精通します。取材記事を雑誌や新聞などに寄稿するほか、テレビ番組なども監修しています。
【キーワード1】
プレサービスがいよいよスタート!「5G通信」
大容量通信を必要とする技術の精度向上には欠かせない存在。自動運転による交通網の整備や工事現場での機械の遠隔操作など、確実に社会的にも大きな恩恵をもたらします。
次世代通信の魅力とスゴさをいち早く体感できる!
NTTドコモ
PLAY 5G 明日をあそべ
(5G体験施設・入場無料)
ドコモが東京ソラマチに開設している5G通信体験施設。建設機械の遠隔制御や、遠隔地とのリアルタイム音楽セッション、4面スクリーンと22台のスピーカーを使ったプロジェクションVRシアターなど、5Gの特徴である低遅延な高速大容量通信を生かした展示が揃います。
通信速度と応答速度が大幅に向上する
2020年の商用サービス開始に先がけ、プレサービスが開始される5G通信。9月のラグビーワールドカップ開催に合わせてサービスを提供予定のドコモをはじめ、各キャリアが動き出します。
5Gは通信速度と応答速度を大幅に向上させる仕組みです。通信速度10Gbps以上、応答速度は1ミリ秒以下を目標としているが、当初は4Gの数倍から数十倍程度となり、4Gとは当面並存します。
5Gによって、動画や3Dなどの大容量データを生かしたサービスが利用可能になり、さらに、高速応答性を生かすことによって自動運転やVRなどの活用も容易になります。特に自動運転のインフラ構築には必須で、普及すれば交通網が大きく変わる可能性もあります。
【キーワード2】
スマホ感覚で使えるPCがついに日本上陸!「スナドラPC」
スマホ向けのプロセッサーとして広く使われるスナドラ(Snapdragon)を搭載。長時間駆動に対応し、端末の価格も比較的手頃なことから、これまでにない需要を喚起します。
最長約25時間の長時間バッテリーをノートPCで実現!
レノボ
Yoga C630
価格未定(2018年〜2019年発売予定)
消費電力の小さなスマホ向けプロセッサーであるSnapdragon 850を搭載した13.3型ノートPC。これによって、最大約25時間の長時間バッテリー駆動を実現したほか、標準でLTEをサポート。いつでもネット接続が可能です。
SPEC●OS:Windows 10 S●ディスプレイ:13.3インチ(1920×1080ドット)●メモリ:128GB/256GB●ストレージ:4GB/8GB●サイズ/質量:W306.8×H216.4×D12.5㎜/約1.2㎏
スナドラPCと通常のPCはココが違う!
【スナドラPC】
●バッテリー駆動:2日近い利用も可能 ●Wi-Fiなしでのネット接続:できる ●価格帯:比較的低価格 ●スリープ中の通信:できる
【従来型PC】
●バッテリー駆動:半日〜1日程度 ●Wi-Fiなしでのネット接続:できないモデルが多い ●価格帯:幅広い価格帯 ●スリープ中の通信:できない
従来型のPCと比較した場合の最大の優位点は、バッテリー駆動時間の長さです。また、スリープ中の通信が可能な点や、LTE標準サポートを生かしてネットに常時接続できる点など、スマホに近い利便性もスナドラPCの魅力といえます。
海外ではスナドラPCが各社から続々と登場中!
ASUS
ASUS Nova Go
日本未発売
Snapdragon 835を搭載した13.3インチWindows PC。nano SIMをサポートし、LTEでの常時接続が可能。バッテリー駆動時間は最大22時間で、質量は1.39㎏となっています。
HP
HP ENVY x2
日本未発売
国内ではインテルプロセッサー仕様が販売されている12.3インチPCの米国版。Snapdragon 835を搭載し、バッテリー駆動時間は最大22時間。専用スタイラスペンが付属します。
【キーワード3】
大画面全盛時代も少数派が待望中!「“小”画面スマホ」
スマホの大型化が進み、iPhone SEなどの小型スマホを使うユーザーは「機種変難民」に。そんな小型派のニーズに応える5インチ前後の端末が再注目されそうです。
片手操作もスムーズな5.2インチ端末
シャープ
AQUOS R2 compact
価格未定(2019年1月中旬以降発売予定)
先代の初号機とほぼ同じ端末サイズのまま、ディスプレイが4.9インチから5.2インチにアップ。22.6MPの背面カメラと8MPの前面カメラを搭載し、防水、防塵に対応した。側面は手から滑り落ちにくい形状になっています。
SPEC●OS:Android 9 Pie●プロセッサー:Qualcomm Snapdragon 845●ディスプレイ:約5.2インチ●メモリ:4GB●ストレージ:64GB●サイズ/質量:W64×H131×D9.3㎜/135g
LG
LG it LGV36
3万2400円
約5.0インチの液晶ディスプレイを搭載。カメラは背面13MP、前面5MPで、音声操作でシャッターを切る機能などに対応します。質量は約140g
【キーワード4】
手ぶらで自動翻訳できる時代がついに到来!「イヤ翻訳機」
2020年のオリンピックに向けて需要が拡大する翻訳機。POCKETALKなどの小型デバイスに続き、よりスムーズにコミュニケーション可能なイヤホン型が次の注目株です。
20種超の言語を手を使わずに高精度で翻訳
順豊曜
WT2 Plus
2万6870円
左右の端末を耳に装着して使用する、20種類以上の言語に対応した自動翻訳機。言語選択などの設定はスマホアプリから行います。公称翻訳精度は95%以上。全国のノジマで購入可能です。
SPEC●バッテリー持続時間:4〜5時間(充電ケース内で約3回充電可能)●接続方法:Bluetooth●充電時間:約3時間●サイズ/質量:約W75×H75×D36㎜/約80g
大ヒット自動翻訳機のPOCKETALKはレンタルサービスを開始!
2018年にヒットしたPOCKETALK Wは、レンタルサービスを展開。東京・神奈川のTSUTAYA、7店舗で利用できます。料金は7泊8日で4298円から。
【キーワード5】
究極の個人データ「脳波」を味方にする!「脳波ガジェット」
比較的低価格で利用できる簡易脳波計が普及してきたことで、脳波を活用したガジェットが増加。リラクゼーションアイテムを中心に、今後さらに増えていきそうです。
脳波センサーを備えたアイマスクで快眠音楽を再生
Entertech
LUUNA
1万8200円
脳波をキャッチするセンサーを内蔵したアイマスク。専用スマホアプリで分析して記録された睡眠パターンに基づき、睡眠状態や体のリズムに合わせたリラクゼーション音楽を再生し、快眠を促す仕組みです。
音楽も脳波で選ぶ時代に!
リトルソフトウェア
感性選曲
無料 2019年1月リリース予定(※)
脳波データに基づいてユーザーに合わせた選曲・ライブラリ化ができる音楽キュレーションアプリ。脳波を測定しながら音楽を聴けば、自動で曲を分類できます。
※:Android版のみ。アプリを使用するには、「MindWave Headset」(実売価格1万3347円)など、ニューロスカイ社製の脳波センサーを搭載した脳波計が必要
【キーワード6】
今後のスマスピは画面付きが定番に!「スマートディスプレイ」
音声で完結するスマートスピーカーと違って、視覚的な情報を得られる点が魅力。操作の自由度も高く、スマスピでは物足りないユーザーの心をつかんで次の時代の主流に。
ビデオ通話や動画再生を音声で操作できる
Amazon
Echo Show
2万7980円
10インチのタッチディスプレイを搭載。従来のEcho端末と同様に音楽を聞いたり、対応家電を操作したりできるほか、曲の歌詞を表示したり、動画を視聴したりも可能。カメラが搭載され、他のEcho端末とのビデオ通話もできます。
Google Home Hub
日本未発売
7インチディスプレイのGoogleアシスタント搭載端末。YouTube動画の再生やGoogleマップの表示などを音声で操作できます。カメラは非搭載。日本では未発売となっています。
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