動画撮影もプロ仕様のアプリでできるように
これで終わりではありません。Xperia 1は、撮影についても「映画」を意識しています。特に注目したいのは、通常のカメラアプリとは別に「Cinema Pro」という動画撮影アプリが標準搭載されていることです。
このアプリを使うことで、21:9の比率、そして4K HDR 24fpsという画質で動画撮影を行えます。また、「LOOK」というフィルター風機能を適用することで、色味の表現も通常のクリアでソリッドなものから、温かみのあるシネマ感満載のものへと変わります。
同アプリのUIは、ハリウッド映画の撮影でも使われているプロ向け機材のブランド「CineAlta(シネアルタ)」の『VENICE(ベニス)』に揃えられています。「だからなんだ——」とも思いましたが(笑)、実際に画面を見てみたところ、21:9の比率で撮影を行いながら画面上で設定を変えられる設計になっていました。技術志向という軸を持ちながらも、しっかり実用性を意識した作りになっているところは好印象です。
具体的な撮影機能についても触れておきましょう。映画やテレビでよく見かける手法で、「最初は画面がボケていて、だんだんと被写体にフォーカスしていく」という撮り方がありますよね。「Cinema Pro」では、これが画面上で行えます。もしこの端末が手元にあったら、「ちょっと自分もかっこいい動画撮っちゃおうかな」なんて気が湧いてくるに違いありません。
堅実で良い端末に仕上がっていると思う
今回、MWC19の前後では5G対応のスマートフォンや、折り曲げられるフォルダブルの端末、ウェアラブルのスマートフォンなど、未来を感じてワクワクする端末が多く登場しています。一方で、こうした端末は、モノ自体がまだ高価だったり、また最適化されたコンテンツをどう用意するかという課題も残っています。新しいモノ好きにはたまりませんが、一般消費者に実際に普及するにはまだまだ時間がかかりそうです。
Xperia 1には、これらの端末のような未来感・ワクワク感はありません。しかし、今世の中にあるコンテンツを最大限楽む——という意味では、とても堅実的で良い端末に仕上がっています。実機の動作をじっくりと確かめられるのはもう少し先になりそうですが、ひとまず21:9の「シネマワイドディスプレイ」のコンセプトは、良い方向に突き抜けていて面白いと感じました。
繰り返しになりますが、同機の国内登場は初夏以降の予定。もうしばらく首を長くして待ちましょう。