ソニーが発表したスマートフォン新製品「Xperia 1」。目玉機能は映画館のスクリーンに近い比率の21:9というアスペクト比の6.5型液晶ディスプレイの搭載や、Xperiaシリーズ初のトリプルカメラ、そして映像業界におけるマスターモニター技術を活用したクリエイターモードといった機能です。
はたして、従来のスマホに比べてどのくらい違うのか。先日国内で初めて製品に触れる発表会に参加しましたので、実機レポートをお届けします。
思っていたよりもスリムで持ちやすい!
Xperia 1最大の特徴は、世界初の4K HDR有機ELディスプレイの搭載です。解像度は3840×1644ドット。アスペクト比は21:9となっています。
本機に触る前はそのスペックから、かなり大柄なイメージを抱いていましたが、実際に手にしてみると意外とスリム。本体の横幅は72mm、重量は約178gなので、想像していたよりも手の中にフィットしました。21:9というアスペクト比も、それほど気になりません。これなら、違和感なく使えると感じました。
それでは、実際に映像を見てみましょう。
21:9というアスペクト比は、映画館のスクリーンに近い比率。実際に映像を表示させてみると、これまでの16:9の比率に比べると、映像への没入感が高く感じられます。
それだけではありません。サウンド面も充実。Dolby Atmosの搭載により、より臨場感のあるサウンドが楽しめます。これにはソニー・ピクチャーズエンタエイメントとの協業による独自チューニングが施されており、3Dの音響感や登場人物の会話位置などの再現性が高くなっているとのこと。
実際にデモンストレーションを体験してみると、21:9の映像はサウンドと合わさった時に真価を発揮すると感じました。立体的かつ高品位なサウンドのおかげで、21:9による「映画体験」に肉迫しているのです。
SDR映像もHDR並みの画質になる「HDRリマスター」
Xperia 1には、SDR画質の映像コンテンツをHDR相当にアップコンバートする機能「HDRリマスター」が搭載されています。
デモを見てみるとその差は歴然。SDR画質の映像とHDR画質にリマスターした映像を見比べると、コントラストや発色などが明らかに異なっているのがわかります。特に緑や青の発色が鮮やかになり、まるで別物。一度この画質を知ってしまうと、もうSDR画質では見られないかもしれません。
プレイ動画録画機能も! ゲーム機能も大幅強化
Xperia 1のディスプレイは、ゲームプレイ時にも威力を発揮します。21:9比率に対応したゲームも登場しており、フルにディスプレイ領域を使ったプレイが可能となっています。
それだけではありません。ゲームプレイ中にWeb検索やメッセージ表示など、広い画面を有効活用できる機能も搭載。
また、ゲーム動画の録画機能があるので、ゲームプレイ動画の配信などが手軽に行えます。その際、インカメラを使って自分の顔を画面内に表示させておくことも可能となっています。
ゲームの種類にもよりますが、格闘やレース、RPG系など広い画面でプレイするとよりおもしろさが増すゲームや、オンラインRPGのようにインターネット経由で複数プレーヤーとコミュニケーションを取りながらプレイするゲームに向いているでしょう。
逆に、リズムゲームなど画面内を頻繁にタップする必要があるゲームは広い画面は不利なので、Xperia 1には不向きかもしれません。
2画面同時表示は普段使いの利便性を大幅アップ
個人的に一番気になっていた機能が、「21:9マルチウィンドウ」です。これは、2つのアプリを同時に画面上に表示させるもの。たとえば、地図アプリとメッセージアプリを同時に起動し、両方の画面を見られるのです。
Xperia 1の大画面ならば、それぞれのウィンドウが広いため快適。また、上下の画面の比率が変えられるのも使いやすいと感じました。
YouTubeを見ながらTwitterを見たり、メモを取りながらWebサイトで検索をしたりといったことができるので、全体的な作業効率が大幅にアップしそうです。
映像やゲーム画面が大きく表示できるというだけでなく、こういう使い方ができるのも、Xperia 1の特徴です。
一度狙ったら外さない「瞳AF」はαシリーズ譲り
Xperia 1には、シリーズ初のトリプルカメラが搭載されています。16mm、26mm、52mmという焦点距離の異なったレンズを切り替えて、さまざまなシーンでの撮影に対応できます。
また、ソニーのデジタル一眼カメラ、αシリーズに搭載されている機能も一部搭載されています。たとえば、秒10コマでの高速連写。これはAFとAEを維持したまま行われます。
この機能を活用したのが、「瞳AF」です。秒10コマの連写性能を使い、常に被写体の瞳にフォーカスを合わせ続けるという機能。モデルさんの顔を捉えた状態で試してみると、モデルさんが顔を動かしても常に瞳にAFポイントが表示され、追従しているのがわかります。
これだけのAF性能があれば、人物を撮影するときにピントが外れてしまうということはほぼないでしょう。
これからは21:9が来るか? Xperia 1はこの夏の注目スマホだ
Xperia 1最大のウリは、21:9の4Kディスプレイであることは疑いようもありませんが、さらに言えばそのディスプレイの特性をしっかり活かした機能が充実しているというのが重要なポイントです。
画面がキレイ、画面が大きい、サウンドがいいというAV的なアドバンテージはもちろんですが、21:9マルチウィンドウのように、普段使いでも有用な機能が搭載されているからこそ、ビジネスシーンでもそのポテンシャルを十分に活かせる機種になるはず。
発売予定はこの夏。群雄割拠のスマホ界において、注目の機種となることは間違いないでしょう。