これまで「どうせ語学は得意じゃないし……」と諦めていた人にも、テクノロジーの発展のおかげで言葉の壁を超えられるアイテムが登場しました。それが「自動翻訳機」。こちらがしゃべったり、相手がしゃべったりした内容を翻訳、多言語でのコミュニケーションをサポートしてくれます。
空港などで目にしたこともあるかもしれませんが、実は自動翻訳機の種類はさまざま。そこで自動翻訳機とは何なのか、最新5モデルを例に紹介します。自分のライフスタイルに合ったモデルを見つけ、コミュニケーションの機会を広げましょう。
・基本的にはボタンを押してしゃべるだけ
自動翻訳機の使い方は、とても簡単です。代表的なモデルとして個人・法人の両方でよく使われている「ポケトークW」を例に挙げます。まず自動翻訳機を手に持ち、話したい言語側のボタンを押して、伝えたい内容を話します。そうすると、翻訳された音声が流れると同時にテキストも表示されます。これを交互に繰り返し、相手とのコミュニケーションを図るわけです。
とても単純な仕組みではありますが、精度や使用可能な環境など、実はモデルによって異なります。各製品の特徴を知っておけば、選ぶ際に迷うことはないでしょう。
1.オールマイティー型「ポケトークW」
翻訳のテキスト確認が可能で、4G対応になったことから翻訳スピードが前モデルに比べて約7.5倍アップしている。SIMが内蔵されているので、面倒な通信契約手続きはもちろん、本体へのセットも不要。74言語対応。
【スペック】
ディスプレイ:320×240ピクセル(液晶タッチパネル)
使用環境:オンライン、オフライン
翻訳言語:74言語対応
翻訳機能:双方向
本体サイズ:110×59.8×15.8mm
価格:2万4880円(税別)(グローバル通信(2年)付きモデルは2万9880円)
・「オンライン」or「オフライン」で大きく機能性が分かれる
自動翻訳機を選ぶ上でまず確認したいのは、オンラインとオフラインのどちらで使いたいのか、というポイント。前者はインターネットを経由することで多様な機能性を持っており、数十カ国語を高い精度で翻訳できます。その半面、当然ながら通信費などを支払う必要があるため、費用面で余裕のある人、使用頻度が高く多国籍な方とのコミュニケーションを必要とする人向きと言えます。
反対に通信費を抑えたい、また海外でネットを経由するといったことに対して不安を抱える人は“オフライン”のモデルがオススメです。こちらは翻訳機単体で機能するので、気軽に使えます。その分、翻訳言語が減ったり、長文を翻訳するといった複雑な使い方はできなかったりデメリットが。多少は英語を話せるのでサポートとして持っておきたい、といったライトに使う目的に適しているほか、災害時などでオンラインに繋がりにくい場合にも安心というメリットがあります。
2.“オフライン”系の代表モデル「Langie(ランジー) S2」
オンライン時はAI翻訳(53言語)の他に、オフライン音声翻訳(13言語双方向)、29冊の言語辞書(14言語・音声呼出し)、原稿用紙2500枚分の読み上げ(リスニング)機能、単語/会話練習機能、ワイドFMラジオ・ボイスレコーダー等、通信不要で使える機能を17種類搭載。コミュニケーションツールだけでなく語学学習ツールとしても使える。
【スペック】
使用環境:オンライン、オフライン
翻訳言語:53言語対応(オンライン)、13言語対応(オフライン)
翻訳機能:双方向
本体サイズ:148×48×17mm
重量:125g
価格:3万6500円(SIM搭載モデル)/2万9800円(SIM未搭載モデル)
・自分だけが話すのか、相手の話も理解したいのか?
また、機能性で注意したいのが「一方向」か「双方向」かということです。双方向は会話するふたりの言葉を訳し、一方向モデルは自分の言語のみとなります。単純に一方向をデメリットと感じるかもしれませんが、双方向の交互翻訳にかかる工程をストレスに感じたり、精度に不満を感じたりする人もいます。
そこで、一方向であれば自分の意見だけをストレートに伝えられるため、あくまで翻訳のサポートとして使うという方法もあります。
3.“一方向”代表モデル「ili(イリー)」
日本語入力を「英語」「中国語」「韓国語」の 3言語に翻訳可能な、オフライン専用機。インターネットが不要なので、場所を選ばず使える。また、自身の意志を伝えることに特化した「一方向」モデルでもあり、誰でも簡単に話しかけることができる。
【スペック】
使用環境:オフライン
翻訳言語:3言語対応
翻訳機能:一方向
本体サイズ:121.8×:33.0×13.0mm
重量:42g
価格:1万9800円(税別)
・多彩な機能を持つ、さらにハイテクな翻訳機も
翻訳機能は何も音声だけではありません。なかには変わった機能を持っている翻訳機もあります。例えばWi-Fiルーターとして使う、大人数のグループで話す、文字情報を読み取って翻訳するなど、ガジェット的な使い方ができるモデルです。これらは若干マニアックになってくるので、普段から最新デバイスに興味があったり触れたりしている人にオススメします。
4.“多機能”系の代表モデル「Mayumi3」
カメラで写した原文をテキストへ変換し、翻訳することが可能。また、最大500人(理論値)までグループ翻訳通話に参加できる。録音などボイスレコーダーとしても使え、SIMカードを使えばWi-Fi環境がない場所でも使える上、Wi-Fiルーターにもなる。
【スペック】
使用環境:オンライン、オフライン
翻訳言語:75言語対応
翻訳機能:双方向
本体サイズ:126.8×53.8×13.5mm
重量:125g
価格:2万9800円(税別)
・軽量、シンプルかつスマホ連動型の翻訳機
自動翻訳機は使いたいけど、あまり難しい機能や使い方はいらないという人は、スマホ連動型をオススメします。使い慣れているスマホのアプリでコントロールできるなら、あまり違和感なく翻訳に馴染めるはず。しかも、翻訳機本体が軽量になるので、荷物もかさばりません。
5.“スマホ連動”系の代表モデル「IU(アイユー)」
クラウドファンディングサイト、Makuakeから登場したキューブ状のデザインをしたコンパクトな自動翻訳機。翻訳できる外国語は合わせて20言語で、スマートフォンとBluetooth接続するとポータブルスピーカーに早変わり。場所を選ばず音楽や動画、ビデオ通話の視聴ができる。無料の専用アプリで操作する。
【スペック】
使用環境:オンライン
翻訳言語:20言語対応
翻訳機能:双方向
本体サイズ:30×36mm
重量:約34g
価格:1万6500円(税別)~(クラウドファンディング)
最新の自動翻訳機を選ぶときの基本的な注意点と、代表モデルをまとめました。オールマイティー型からシンプル機能型まで、自分の使い勝手に合わせたものを選べば、外国人とのコミュニケーションがより深まるでしょう。ビジネスでもプライベートでも、交友関係を広げたり語学学習のために使ったりと、自分の新たな可能性を探すための一助にしてみてください。
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