PCやスマホだけでなく、テレビや生活家電に至るまで、中国メーカーの躍進が止まりません。かつて、中国製品は「安かろう悪かろう」の代名詞的存在でしたが、現在は「安くて良い」を地で行くのです。今回は、そんないま注目すべき中国メーカーたちを徹底的に解説します。
中国PCメーカーといえばやはりレノボ。また、ガジェット分野では新たなメーカーが勃興中だ。日本でもファンの多いメーカー各社の人気&定番のアイテムを紹介しましょう。
教えてくれる人
確固たる技術力を武器に市場ニーズに応えて躍進
PCやガジェットの分野でも、中国メーカーは躍進を続けています。中国国内向けのPCメーカーに端を発し、2004年に米IBM社のPC部門を引き継いでからグローバル展開に注力するレノボは、世界のPC出荷台数でシェアトップを走ります。また、「アジアのシリコンバレー」と呼ばれる深センからは、DJIやAnker、YIテクノロジーといった企業が誕生。なかでもDJIはドローン業界を牽引する存在となりました。これらの企業の躍進の背景について、テクニカルライターの湯浅顕人さんはこう話します。
「かつての中国メーカーには、『安いけれど、性能もそこそこ』というイメージがありましたが、現在躍進中の企業は、いずれも高い技術力を持っています。そのうえで、ムダな性能や機能をそぎ落とすことで価格を抑え、コスパの良い製品を提供しています。そういった点が世界的に広く受け入れられたのだと感じます。また、レノボやYIテクノロジーは日本国内にも開発拠点を持っており、日本人のニーズに細かく応える製品が研究されています。こういった市場のニーズをしっかりと見据えて製品開発を行う姿勢も、躍進を支えているのではないでしょうか」
Lenovo
世界シェア1位を走るPC市場の巨人
ファンの多い「TihnkPad」や新機軸の挑戦に積極的な「Yoga」シリーズをはじめ多彩なラインナップが揃い、PCで世界シェア1位を誇るレノボ。VR機器やスマートディスプレイなど新ジャンルの製品も意欲的にも手がけています。
【その1】2画面で作業できる超個性派ノートPC
【ノートPC】
レノボ
Yoga Book C930
実売価格15万6380円
液晶ディスプレイに加え、キーボード代わりのE-Ink(電子ペーパー)ディスプレイを装備。ソフトウェアキーボードを表示しての文字入力や手書き入力を行えます。天板を指先で軽く2回叩くと開く「Knock to Open」機能も搭載します。
SPEC●OS:Windows 10 Home●プロセッサー:Core i5-7Y54●ディスプレイ:10.8インチ(2560×1600ドット)●メモリ:4GB●ストレージ:256GB SSD●バッテリー持続時間:11時間●サイズ/質量:W320×H35×D195mm/約775g(※)
※:製品番号「ZA3S0141JP」モデルの場合
【ココが超級!】書き心地も視認性もまさに「紙」のスゴさ
「E-inkディスプレイは、スタイラスでの書き込みが紙のようにスムーズ。さらに、目にやさしく見やすい点も◎です」(湯浅さん)
【その2】ありそうでなかった一石二鳥のタブレット
【スマートディスプレイ】
レノボ
Smart Tab P10 with Amazon Alexa
実売価格3万2270円
ディスプレイを取り外し可能な、タブレット兼用のスマートディスプレイ。Amazon Alexaに対応し、音楽や動画の再生、スマート家電の操作などを音声で行えます。タブレット本体に4基、ドックに2基のスピーカーを搭載。
SPEC●OS:Android 8.1●プロセッサー:Snapdragon 450●ディスプレイ:10.1インチ(1920×1200ドット)●メモリ:4GB●バッテリー持続時間:約10時間●サイズ/質量:W242×H7.0×D167mm/440g(本体)
【ココが超級!】タブレットとしての性能も満足度大
「軽さやスピーカー性能の高さなど、タブレットとしてのスペックも十分。2倍楽しめるおトク感の大きいアイテムです」(湯浅さん)
HUAWEI
デザイン性の高さが魅力のノートPCと音響に注力したタブレット、2つのファーウェイデバイスを紹介しましょう。
【その1】スリムな狭ベゼルノートPCが10万円台で手に入る!
【ノート PC】
ファーウェイ
HUAWEI MateBook 13
実売価格10万7870円
画面占有率88%の狭ベセルが特徴の13インチノートPC。Core i5モデルは、メモリ8GB、ストレージ256GB SSDを搭載します。厚さ約14.9mm、重さ約1.28kgと携帯しやすいサイズも魅力。
【その2】高性能スピーカーが魅力のお手ごろタブレット
【タブレット】
ファーウェイ
HUAWEI MediaPad M5 Pro
5万4800円
約10.8インチのAndroidタブレット。約7500mAhの大容量バッテリーを搭載し、急速充電にも対応。ハーマン・カードン社が音響チューニングを施したスピーカーを4基搭載しており、クリアなサウンドを楽しめます。
DJI
豊富なドローンに加え高性能なジンバルも人気
DJIは、いまやドローンメーカーの代表格。高価格帯の本格的なものから入門クラスのミニドローンまで、ラインナップは多彩かつ充実。また、近年はジンバルカメラの人気も高く、その性能はプロからも評価されています。
【その1】手のひらに収まる超小型ジンバルカメラ
【ジンバルカメラ】
DJI
Osmo Pocket
実売価格4万4900円
全長わずか12cm強のコンパクトなジンバルカメラ。手ブレを打ち消す機構を備え、最大4K/60fpsで滑らかな手持ち動画を撮影できます。12MPの静止画撮影にも対応し、9枚の画像を自動合成する3×3パノラマ撮影も可能。
SPEC●動画解像度:4K/60fps●静止画解像度:12MP●操作可能範囲:-230°~+50°(パン)/-95°~+50°(チルト)/±45°(ロール)●バッテリー持続時間:140分●サイズ/質量:W36.9×H121.9×D28.6mm/116g
【ココが超級!】ドローン技術を応用した高性能ジンバル
「超小型なのに、手ブレ補正の性能がスゴい。ドローンで培われた高いジンバル技術を持つDJIならではの製品です」(湯浅さん)
【その2】小型で操作しやすい5万円台ミニドローン
【ドローン】
DJI
Spark
実売価格5万4800円
フルHD画質の動画を撮影できる手のひらサイズのミニドローン。メカニカル2軸ジンバルを搭載し、ブレの少ない滑らかな動画が撮れます。障害物を認識して衝突を防止する「フライトオートノミー」機能も備えます。
SPEC●最大伝達距離:500m●最高速度:50km/h●動画解像度:フルHD/30fps●静止画解像度:12MP●ジンバル操作可能範囲:-85°~0°(ピッチ)●最大飛行時間:16分●サイズ/質量:W143×H143×D55mm/300g
【ココが超級!】ジェスチャー操作で気軽に遊べる
「手の動きで操作する『ジェスチャーコントロール』が楽しいです。撮影開始や離着陸といった操作も簡単に行えます」(湯浅さん)
【このメーカーにも注目!】バッテリーやアクションカメラも高コスパ!
ハイコスパなガジェットを販売する中国メーカーは、まだまだあります。オーディオ製品でおなじみのAnkerや、カメラ製品を展開するYIのアイテムも要チェックです。
【その1】USB-C入出力対応の大容量モバイルバッテリー
【モバイルバッテリー】
Anker
Anker PowerCore 10000 PD
実売価格4599円
USB Type-AおよびType-C端子を各1基備えたモバイルバッテリー。Type-C端子は急速充電に対応し、iPhone XSなら30分で最大50%まで充電可能。10000mAhの大容量で約192gと軽量です。
【その2】3万円強で手に入る高コスパアクションカメラ
【アクションカメラ】
YI テクノロジー
4K+ ACTION CAMERA WATERPROOF CASE
実売価格3万1190円
4K/60fpsの動画と12MPの静止画の撮影に対応したアクションカメラ。手ブレ補正機能を備え、4K動画で最大73分の連続撮影が可能。IP68相当の防水性と耐衝撃性を備えたケースが付属します。