スマホのカメラ機能は、スリムな筐体に大口径レンズなどを収めながら高画質・高機能を追求し、独自の進化を遂げました。画素数は一眼カメラとほとんど差がなく、ボケ描写に近い効果も得られます。そんな進化したカメラを搭載する最新スマホ8台の描写をミラーレスカメラと比較。ここでは、特にボケ表現について比較しました。
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【テスト機その1】
ソニーモバイル
Xperia XZ3
実質価格5万7024円(NTTドコモ/一括)
6.0インチ(2880×1440)の有機ELディスプレイと1920万画素のシングルカメラを搭載するフラグシップ機。充電サイクルを学習し、バッテリーを長寿命化する「いたわり充電」に対応。
SPEC●画面サイズ:6.0インチ●チップセット:Qualcomm Snapdragon845●画素数(アウトカメラ) :約1920万画素●質量:約193g
【テスト機その2】
ファーウェイ
HUAWEI Mate 20 Pro
実売価格9万8880円
3基のレンズを搭載し、超広角から望遠まで劣化を抑えてズーム可能。AI機能により、多くのシーンを自動判別して撮影してくれます。独自の高性能SoCは、高機能なうえ、動作も軽快です。
SPEC●画面サイズ:6.39インチ●チップセット:HUAWEI Kirin 980●画素数(アウトカメラ):約800万画素(望遠)+約4000万画素(広角)+約2000万画素(超広角)●質量:約189g
【テスト機その3】
OPPO
OPPO R17 Neo
実質価格3万8988円(UQモバイル)
日本初のディスプレイ指紋認証対応モデル。ディスプレイには2340×1080ドットの有機ELを採用します。デュアル仕様のアウトカメラに加え、インカメラも約2500万画素と高精細です。
SPEC●画面サイズ:6.4インチ●チップセット:Qualcomm Snapdragon660●画素数(アウトカメラ) :約1600万画素+約200万画素●質量:約156g
【テスト機その4】
Apple
iPhone XR
9万1584円〜
上位機種と同じA12 Bionicチップを採用した、カラバリ豊富な6.1インチ液晶モデル。シングルレンズですが、顔認識や深度マッピングなどが自動で行われ、ボケを生かした写真も撮れます。
SPEC●画面サイズ:6.1インチ●チップセット:A12 Bionic●画素数(アウトカメラ):約1200万画素●質量:約194g
【テスト機その5】
Pixel 3
9万5000円〜
パスワードを保護するセキュリティチップを内蔵した、安心感の高い仕様が魅力。シャッターを押す前後の画像を取り込んで、最適なカットをリコメンドする「トップショット」などに対応。
SPEC●画面サイズ:5.5インチ●チップセット:Qualcomm Snapdragon845●画素数(アウトカメラ) :約1220万画素●質量:約148g
【テスト機その6】
Apple
iPhone XS Max
13万4784円〜
6.5型(2688×1242)有機ELディスプレイを搭載した大画面モデル。カメラはF1.8の広角とF2.4の望遠の2基で、光学式手ブレ補正にも対応します。撮影後のボケコントロールも可能です。
SPEC●画面サイズ:6.5インチ●チップセット:A12 Bionic●画素数(アウトカメラ):約1200万画素(広角)+約1200万画素(望遠)●質量:約208g
【テスト機その7】
Galaxy
Galaxy Note9
実質価格8万5536円(NTTドコモ/一括)
広角と望遠のデュアルレンズ仕様で、画質劣化の少ないズームが可能。広角レンズにはF1.5とF2.4の2つの絞りも搭載します。光学式手ブレ補正にも対応する6.4インチ有機ELモデルです。
SPEC●画面サイズ:6.4インチ●チップセット:Qualcomm Snapdragon845●画素数(アウトカメラ):約1220万画素(広角)+約1220万画素(望遠)●質量:約201g
【テスト機その8】
Apple
iPhone XS
12万1824円〜
2436×1125ドットの5.8型有機ELディスプレイを搭載。カメラを含む機能&性能はXS Maxと同様ですが、XS Maxよりもひとまわり小型。177gと軽量で、価格も1万円ほど安価です。
SPEC●画面サイズ:5.8インチ●チップセット:A12 Bionic●画素数(アウトカメラ):約1200万画素(広角)+約1200万画素(望遠)●質量:約177g
ボケ表現の評価について
一眼カメラのボケ表現は主に大口径レンズの効果によるもの。一方、スマホの場合は画像の自動合成などによる疑似的なものです。その合成技術や加工技術が、どこまで一眼に近づいたかをチェックしてみました。
自動合成ならではの自在なボケ描写が楽しめる
一眼カメラならば、レンズのF値を小さくするほど大きなボケ効果を得られますが、スマホの場合はそれを模した画像処理効果。そのため、レンズのF値などはあまり関係がありません。しかし、被写体までの距離を計測して、それをもとに必要なボケ効果を付加したり、レンズで実際にボケた画像を作り出して合成したりしており、かなり自然なボケ描写が得られるようになりました。
なかでも、Xperia XZ3とGalaxy Note9は効果が高く、見栄えのするボケ描写が得られました。iPhoneでは、望遠レンズに切り替えられるXS系が、ポートレート撮影に向く印象です。
【コレが基準!】
オリンパス
OM-D E-M10 MarkⅢ
より大きなボケ効果を狙うため、レンズにM.ZUIKO DIGITAL 45㎜ F1.8を使用。絞り開放(F1.8)で撮影。大きく自然なボケ味が得られ、人物が浮き上がって感じられます。
※撮影画像は16:9の画面比になります。ここでは左右をトリミングしています
【その1】Xperia XZ3
ボケ効果が大きく見栄えがする
2枚を合成するボケエフェクトモードで撮影。輪郭部に若干不自然さを感じましたが、効果は絶大。効果は無段階で調節できます。
評価:18/20点
【その2】Pixel 3
効果は大きめだが、不自然さも
ポートレートモードで自動適用。効果は比較的大きく、ズームも可能です。輪郭部に若干の不自然さが出るのが惜しい。
評価:16/20点
【その3】HUAWEI Mate 20 Pro
適度なボケ量で自然な効果
ポートレートモードで自動適用されます。ボケ量は適度で自然な写りです。ボケの形を変えられる機能が付くのがユニーク。
評価:17/20点
【その4】iPhone XS Max
輪郭部に若干の不自然さが
ポートレートモードで自動適用。レンズが望遠側になりますが、ズームは不可。適度なボケだが、輪郭部に不自然さも感じました。
評価:16/20点
【その5】OPPO R17 Neo
効果は弱めだが、自然な写り
ポートレートモードで自動適用。無理に効果を高めていないこともあり、写りに不自然さはありません。ズーム時は使用不可。
評価:15/20点
【その6】Galaxy Note9
大きめのボケ効果で自然な写り
ライブフォーカスモードで設定可能。効果は7段階(作例は効果最大)です。ボケ効果が大きく、自然な写りに仕上がりました。
評価:18/20点
【その7】iPhone XR
ボケの形状は光学レンズに近い
ポートレートモードで自動適用され、ズームは使用不可。形は自然ですが、ボケ量と実際のピントの深さにズレを感じます。
評価:15/20点
【その8】iPhone XS
疑似ライティングも付加できる
使用感や画質は、iPhone XS Maxと同様。「スタジオ照明」や「ステージ照明」といったライティング効果も付加できます。
評価:16/20点
【作例ギャラリー】※GetNavi web本サイトでのみ閲覧できます
写真・解説/河野弘道、井上 晃 製品写真/高原マサキ モデル/幸田彩加(ABP inc.)
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