Vol.81-3
小型スマートディスプレイで、GoogleはAmazonに先行している。だが、1万円を切る価格で販売を開始した「Echo Show 5」に対し、Googleの「Google Nest Hub」は1万2960円(これでも、キャンペーンで約2000円値引きされている)と少し高い。Echo Show 5は、低価格スマートフォン向けに量産されている5.5インチディスプレイを転用することで、よりコストパフォーマンスの良い製品を作ったが、Googleは7インチのディスプレイを採用するために、どうしても価格が高くなってしまうのだ。
現状、価格面で不利、というのがGoogleサイドの問題点だが、そこに、別の角度からの援軍もやってきた。サードパーティー製の、Googleアシスタントを使ったスマートディスプレイだ。
レノボ・ジャパンは7月19日から、Googleアシスタントを搭載したスマートディスプレイ製品を2種類販売した。
ひとつは「Smart Display M10」(2万4624円)。10.1インチディスプレイを備えたスマートディスプレイで、Google Nest Hubとほぼ同じ機能を備えている。本家よりもちょっとサイズが大きいバージョン、といってもいい。こちらは一足先に海外でも販売されているが、大きなヒットには結びついていない。特徴があまりないためだ。
だが、もうひとつの製品は非常にキャラが立っている。その名は「Smart Clock」。名前でわかるとおり、「ベッドサイドに置く目覚まし時計」として作られたスマートディスプレイである。
この製品は、Google Nest HubやSmart Display M10に比べると機能が限定されている。具体的には、YouTubeなどの動画再生には対応していない。ただし、ネット検索や家電のコントロールはできる。もちろん、音声アシスタントは、ほかと同じGoogleアシスタントだ。
一番の違いは、その名前のとおり「賢い時計」であることに特化していることだ。時計が常時表示されるのはもちろん、Googleアシスタントの持つ「ルーティン機能」を利用し、1つのコマンドで複数の操作ができる。例えば、「おはよう」といえば、その日の天気やスケジュール、ニュースを教えてくれる。ホワイトノイズを再生し、快適な眠りへと誘う機能もある。
そして、サイズが小さくて安い。ディスプレイは4インチで、Echo Show 5よりさらに小さく、価格も9817円とGoogleのスマートディスプレイのなかではもっとも安価である。
低価格かつコンパクトなスマートディスプレイは、ベッドサイドでの利用が中心になる。Echo Show 5もそこを狙っているが、レノボはGoogleとのコラボレーションにより、明確にその市場を狙いに来た……といっていいだろう。
では、こうした「小型スマートディスプレイ」はなにをポイントに選ぶべきなのか? 具体的には、AmazonとGoogle系、どちらが良いのだろうか? そのへんは次回のVol.81-4で解説しよう。
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