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NECパーソナルコンピュータが2月に発売した15.6型ノートPC「LAVIE VEGA」は、フォトグラファーの利用を意識して作り込まれた、新たな方向性の一台。
フォトグラファー向けってどんなものだ? という疑問があると思いますので、まずは製品特長を端的にまとめたプロダクトビデオで概要をご確認ください。
プロのフォトグラファーが扱う写真は、撮影後に細かな編集を施すためデータ自体がとても大きくなります。したがってPCにもハイスペックが求められるのですが、LAVIE VEGAはCore i7のプロセッサー、16GBのメモリ、1TBのSSD(+32GBのOptaneメモリ)の搭載と性能面でも十分な仕上がりです。
しかし、「フォトグラファー」と言っても、人によってスタイルは様々。仕事現場や作風が違えば、視点は大きく変わります。そこで、前編の記事では、3名のプロ写真家にインタビューを実施。LAVIE VEGAのどんなポイントが、実際の仕事で役立つのか、インプレッションを語って貰いました。
【前編記事はこちら】
NECパーソナルコンピュータの写真家向けPC「LAVIE VEGA」のリアルな使い勝手を6人の気鋭フォトグラファーが語る【前編】
そして、後編となる本稿では、さらに異なるジャンルで活躍する3名のプロ写真家にインタビュー。各人の視点から、LAVIE VEGAに対して抱いた印象を伺います。
モデル撮影や風景撮影のプロは「LAVIE VEGA」をどう見る?
今回インタビューしたのは、モデルのポートレート撮影を行う花盛友里さん、風景撮影を得意とする山村健児さん、KYON.Jさんの3名です。前編では語られなかったポイントを含め、LAVIE VEGAの魅力を探ります。
1)影の表現で4K有機ELディスプレイは優れている
前編含め4人目のインタビュイーは、KYON.Jさん。彼女は、風景写真を得意とするカメラマンです。「Light Chaser(光を追う者)」を自称し、一見普通の景色でも、光があることで気づかない美しさが生まれるというコンセプトのもと、趣味・仕事で、世界各国の景色を独自の視点で捉えています。仕事の納期やクライアントによっては、現地での作業用にノートPCは欠かせない存在。
■KYON.Jさんのインプレッションを動画で
■KYON.J――LAVIE VEGAインプレッション詳細
「PCに限らず、有機ELならではの黒の引き締まり方がすごく好きです。自分は『光』をテーマに写真を撮っているのですが、光よりも気をつけなければならないのが影。影が立体になっているからこそ光がより目立つんです。自前のパソコンだと自分でコントラストを調整していましたが、有機ELは最初から引き締まった影のコントラストを綺麗に出すので、今までイメージしていたものがより鮮明に画面に出ている印象です」
「現像はクリエイティブな作業なので時間を掛けるタイプなのですが、それ以外の作業はなるべく時間を短縮したいと思っています。例えばSDカードから写真を読み込む、写真を書き出す、前と同じ設定で書き出す、フォトショップに移すなど、そういった作業をワンボタンで解決してくれるプロキーの存在は大きいと思います」
「顔認証がすごい楽ですね。写真を編集する時にぼーっとする時間が、私はとても大切です。イメージを固めている作業で、その間にPCはスリープしちゃうんだけど、それでPCを開くためにパスワードを入れてってなると…リラックスして写真を見つめる時間が途切れちゃうんです。ただの利便性だけじゃなくて、そういった時間の確保にも機能するかと」
KYON.Jさん曰く、光をテーマにして撮影するうえで大事なのは、実は「影」の表現とのこと。暗い影をいかに立体的に表現できるかが作品の出来を左右します。
良い影というのは、単なる黒ではなく、色や輝きを伴っており、被写体のテクスチャーが残っている——というのが彼女のこだわり。単にべったりと潰れた黒ではなくて、オイルを塗ったようなダークさを表現できるかどうか、がデジタル現像作業での腕の見せ所です。
そのうえで、表現力が十分ではないディスプレイは、過剰な編集を招きかねない、とKYON.Jさんは指摘。これまでも写真を確認するために、有機ELにこだわり、デスクトップ環境で作業することが多かったと言います。
しかし、LAVIE VEGAの階調豊かなディスプレイならこうしたこだわりをアシスト可能。“正直、過酷な撮影現場まで15.6型のPCを持っていくかどうかは分からないが、出張先のホテルなどでじっくり現像するには良い——”、と本音で評価されていました。
KYON.Jさんは会社員としての立場も持っています。休暇を使って写真撮影のために旅行することも多く、現場での時間は貴重。現像作業に労力を割くためにも、作業効率を良くするのがとても重要だと言います。例えば、高性能な4Kカメラで撮影するときに、1枚で数百MBの大容量データになってしまうといい、写真を取り込むスピードが遅いだけで、ストレスになることもあるそうです。
こうした視点において、Thunderbolt 3やWi-Fi 6に対応して、SDカードから直接読み書きが行えることは見逃せないポイント。モダンスタンバイや顔認証に対応して、開いて使うまでのストレスがないことも、KYON.Jさんは評価されていました。
また、プロキーについても、“こんなのあったらいいな〜”と思っていたと好印象。もちろんトーンカーブを弄るような繊細な作業にはペンタブレットが必須、と前置きしたうえで、“5つのボタンは、毎回繰り返す「メニューから複数回クリックする」作業などを効率化できるのが良い”、と話していたのが印象的でした。
2)長時間の編集作業があるから、キーボードやパームレストの質にこだわる
続いては、アウトドアフォトグラファーの山村健児さん。専門分野は、風景写真や、屋外でのポートレート写真です。風景撮影では、現場に何度も訪れることができないため、その場で撮影した写真を確認するために必ずノートPCを携帯していくそう。
■山村健児さんのインプレッションを動画で
■山村健児――LAVIE VEGAインプレッション詳細
「PCは編集で『操作をしている』時間が最も長い。だから操作面でストレスがあると使いたくなくなってしまいます。その点、このパソコンはキーボードの質感、パームレストの仕上がりが良い。指に触れる時の質感、ボタンを押した時のちょっとした反発力、キーボード自体が少し真ん中が凹んでいる感じが、操作でのストレスを無くすでしょう」
「風景写真のロケ地でノートPCで作品を確認しています。その際、ディテールや色合いの表現が重要になってきます。4Kで詳細まで確認できるのと、有機ディスプレイで色合い・明るさが自然な形で見えるのは、作品イメージをきちんと描くのに重宝すると思います」
「海外渡航も含めて長い時間、ノートPCを背負うことが多いため、ぶつけてしまうことはありますね。リュック型のカメラバッグに入れるので軽さよりも、Gorilla Grass 6で担保されている耐久性はけっこう重要だと思います。小さいと画面が見づらいので大きさ的にはこれぐらいがちょうどよくて、厚みも特に問題なさそうなので、良いバランスです」
山村さんは、アメリカで写真を学んだ経験から、写実的な写真だけでなく、デジタル現像によるアート表現に重きをおく「フォトグラフィー」の考え方を大事にされています。特に、自身の作品として整える渾身の一枚なら、デジタル現像にかける時間は20時間に及ぶこともあるそうです。
長時間操作が前提となるため、重視するポイントとして使い心地は外せません。“もし、操作性でストレスを感じるなら、そもそも使いたくない——”、と断言する山村さん。LAVIE VEGAで注目したのは、キーボードやパームレストの質感でした。
同機のキーボードは、キーボードのセンターと、ディスプレイの中心が一致しているのが特徴。ホームポジションで構えたときに、左右のズレがありません。また、それぞれのキーは、中央部がわずかに窪んだデザインを採用。表面には耐久性の高い「プレミアムUVコーティング」が施されており、サラサラしたマットな質感に整えられています。山村さんも、“こうした細かい配慮は日本メーカーならでは——”と好印象を抱いていました。
風景写真をデジタル現像によって作品に整えるコツは、「主役を定めること」と山村さんは言います。人間の目は、暖色や明るい部分に注目しがちなので、最も綺麗に見える部分へと、視線を誘導するように仕掛けるのがプロの技。写真全体を明るくしてしまって、不自然になるのがアマチュアカメラマンによくある失敗だそうです。
こうした作品作りにおいて、撮影時に最も注意すべきは白飛びや黒つぶれの存在。“どれだけ暗くてもどうにかなるが、黒くつぶれてその部分のデータがなければどうしようもない——”と山村さんは指摘します。風景撮影においては、ピントの微妙なズレや、気づかないうちにレンズに付いていた虫などにも注意が必要とのこと。現場で取り返しがつかないミスがないかをチェックするうえで、広色域の4K有機ELディスプレイは、細部を確認しやすく良いアシストをしてくれるはずです。
3)良音スピーカーは現場でスピーカー代わりに
最後を締めるのは、花盛友里さん。2児の母親でありながら、雑誌や広告案件などでモデルのポートレート撮影を行っています。家庭に仕事を極力持ち込まないよう素早く仕上げたい彼女にとって、ノートPCは必須の仕事道具です。
■花盛友里さんのインプレッションを動画で
■花盛友里――LAVIE VEGAインプレッション詳細
「撮影現場では、写真を撮ることと同様に現場の雰囲気作りを大切にしています。雰囲気作りのために音楽をかけるようにしていて、いつもはスピーカーを持ち込んでいたのですが、これ一台ですごくキレイな音が楽しめますね。音楽はモデルの良い表情に繋がるので、実は私の仕事ではとても役立ちます」
「同じシチュエーションでも色々な構図、光、背景を探すので、一か所にとどまらずにすごく動き回ります。その間、アシスタントに持ってもらっているPCとカメラをケーブルで繋いで、撮った写真をすぐに確認できるようにしていて。LAVIE VEGAのバッテリーなら撮影中に電源ケーブルを繋がなくてもいけそうだし、何より細部までモデルさんとチェックできるディスプレイがすぐ側に置けるのはうれしいですね」
「家事と仕事で毎日本当に時間がないんですが、LAVIE VEGAは家で作業するのに安全な設計かも。いつも子どもがPCを触らないか心配で、リビングにはPCを持ち込まないんですが、顔認証でロックがかけられるし安心できそう。天板が強いから壊しちゃう心配もなさそうだし。子どもの目の届くところでPC作業が出来たら、それだけで仕事面でも助かります」
花盛さん曰く、“モデル撮影で最も重要なのは、モデルさんの表情を引き出すこと——”。写真のクオリティを上げるための下準備は、実は撮影前から始まっているとも言っています。だからカメラマンから積極的にコミュニケーションを取り、緊張をほぐしていくのも仕事だとのこと。
こうした場の空気感を作る要素として、花盛さんが注目したのが、LAVIE VEGAのヤマハ製ステレオスピーカー。スピーカーの音圧は大きく、かなり大きなボリュームを出せるので、20畳くらいあるスタジオでうっかりスピーカーを忘れたとしても、LAVIE VEGAをスピーカーとして使えるのではないでしょうか。
ヤマハ独自の音場補正技術「AudioEngine」によって、映像や音楽に合わせて最適化した音質が再現されることもポイント。花盛さんは撮影する媒体やモデルの雰囲気に合わせて音楽を変えるそうですが、楽曲ごとの音量レベルも自動で調整して合わせてくれるため、曲が変わったタイミングで音量調整に走らなくてよくなるのでは。なお、AudioEngineでは、正確な音像位置や、奥行き感のあるサウンドによって、臨場感のある楽曲再生が可能。ノートPCの前に座り、自宅で作業するときにはより良い音でBGMを楽しめるでしょう。
手早く綺麗な写真を撮ってモデルのモチベーションを上げるのは、女性誌を撮影するカメラマンならではの匠のワザ。そんなシーンでは、撮影中には、LAVIE VEGAの4K有機ディスプレイが真価を発揮します。
例えば、黒と黒が重なって潰れてしまいやすいテクスチャーや、繊細な髪の毛の動き、小物として手に持った商品のロゴマークなどが、鮮明に確認可能に。また、一般的には実物よりも薄く撮れてしまいがちなメイクの色味も、広色域なLAVIE VEGAの画面では正しく再現できます。いつもの撮影では化粧の厚塗りで対応せざるを得ない場面でもその必要がなく、“メイクさんの負担も減るし、過剰なメイクにならずに済むのでは?——”、と花盛さんが感じていたのも印象的でした。
ちなみに、撮影現場でノートPCを持ち歩き、ふと床に置いてしまうようなことも多々あると花盛さんは言います。となると、天板のガラスはちょっと心配と思うかもしれません。しかし、ここにはスマートフォンのディスプレイなどにも使われる耐衝撃性に優れた「Gorilla Glass 6」が使われています。うっかり割れてしまうリスクも、実は少ないのです。
まとめ
以上、前編とは異なる視点からLAVIE VEGAの魅力に迫りました。やはり、カメラを愛する多くの人にとって、撮影した写真を階調豊かに再現できる4K有機ELディスプレイや、作業効率を高めるインターフェース・プロキーなどが魅力的に映るようですね。出張先やロケ先で活用するノートPCを探している人にとっても、これからカメラを始めたい人にとっても、有力候補として検討してみる価値はありそうです。
また、作業効率はビジネスツールであるPCにとって本質的に求められる要素です。テレワーク導入など自由な働き方が推進される中、LAVIEブランドではVEGAの他にも速さと質にこだわったモデルが存在します。
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※LAVIE VEGAは対象外
SNSだけでなく自己表現ツールとしても、ビジネスの側面でも「写真」というクリエイティブに関心が集まる今、今回紹介したフォトグラファーのインプレッションを参考にLAVIE VEGAに触れてみてはいかがでしょうか?
撮影/中田 悟、我妻慶一 動画/Production Beta
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