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2021/2/3 18:15

新料金プラン目前の今こそ再検討しよう! iPhone現行5機種、10のチェックポイント

3月にはMNO各社からオンライン専用の新ブランドなどが提供されることもあり、5G対応の通信プランをリーズナブルに選択できるようになります。2020年秋に発売されたiPhone 12シリーズが気になりつつも、「5Gモデルはちょっと高いからなぁ…」と二の足を踏んでしまっていた皆さんにとって、今春は維持費の見直しとともに、端末を新調するのにも最適なタイミングとなるでしょう。

 

本稿では、iPhone SE(第2世代)を含めて、改めて現行iPhoneの選び方について、10のポイントでチェックしていきます。

 

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12シリーズ+SE(第2世代)=計5機種ある

2020年秋に登場した「iPhone 12」シリーズは、全部で4機種。価格が安い順に「iPhone 12 mini」「iPhone 12」「iPhone 12 Pro」「iPhone 12 Pro Max」です。これに、同年4月に発売された「iPhone SE(第2世代)」を加えた計5機種が、現行のラインナップとなります。なお、iPhone SE(第2世代)は、5Gには対応していません。

↑左から順に「iPhone SE(第2世代)」「iPhone 12 mini」「iPhone 12」「iPhone 12 Pro」「iPhone 12 Pro Max」

 

1)見た目を比べてみる → 12とSEに大きな差

外観については、ホームボタンのあるSE(第2世代)を除き、iPhone 12シリーズは、上部にノッチのある「X(テン)」シリーズのデザインで統一されています。本体のエッジはアンテナの都合もあって角張りました。前面ガラスには耐久性に優れる「Ceramic Shield」が使われていることも4機種で共通です。

↑SEより12 miniの方がディスプレイサイズが大きい。12と12 Proはサイズが共通している

 

また、iPhone 12シリーズには、ディスプレイにOLEDが使われており、コントラスト比が高いのが特徴。動画視聴時に、深みのある黒を表現できます。液晶ディスプレイを使う「iPhone SE(第2世代)」と比べると、視野角がついた際などに一定の差が出ます。

↑暗所で真正面からコンテンツを視聴する分には、SEでもバックライトが気になることはなく、黒の表現にそこまでの差は感じないが……
↑明るいところで、少し角度がつけてみると、黒の表現に違いがあるのが一目瞭然だ

 

一方で、「Touch ID(指紋センサー)」が使えることはSEだけの特権。どうしてもFace IDが苦手など、こだわりがある場合には、有力な選択肢となるでしょう。

 

2)サイズ感を比べてみる → 機動性は12 miniが◎

本体サイズに注目すると、最もコンパクトなのは「iPhone 12 mini」です。ホームボタンのある「iPhone SE」よりも小さく、筆者は片手で握った状態で、画面の対角線上もタッチ操作が行えました。

↑筆者の場合、片手持ちでは、SEと12 miniは最上段のアプリアイコンまで届いた。一方、12/12Proは上2段分が届かず、12 Pro Maxは上3段が届かなかった

 

12と12 Proは、これよりも一回り大きく、筆者の手では、端末を持ち直さないと画面上部には指が届きません。また、12 Pro Maxはさらに大きいので、片手でのタッチ操作では画面の半分程度まで届かすのがやっと。両手操作やリングタイプの周辺機器が必須です。

 

ただし、iOS 14では、背面タップ操作をカスタマイズすることで、コントロールセンターを表示するなどのショートカット操作が行えるようにもなっていますし、タッチ操作頻度の少ないホーム画面上部をウィジェット用に活用する手もあります。さらに、在宅時間が長い人ならば、「Siri(シリ)」を使って操作することで、最低限のタッチ操作で済んでしまう場面も増えているでしょう。文字入力も音声入力を活用できれば、さほど片手操作に囚われる必要はないかもしれません。

 

3)価格を比べてみる → SE(2nd)はやっぱり安い

各機種の画面サイズと、Apple Storeにおける価格(税別)は下記の通りとなります。

 

普段から外部ストレージを使って小まめに容量の整理を行えている人はともかく、一般的な運用を想定するならば、どの機種を選ぶ場合にも、長期的な運用を前提に128GB以上のモデルを選択するのが無難です。特に、SE(第2世代)/12 mini/12については、最小構成での価格の安さが目を引きますが、ストレージ不足に悩まされないためには、5000円プラスの128GBを基準に検討しておくべきでしょう。さらに、動画をよく撮影する人ならば、256GBを選んだ方が安心です。

 

4)チップセットを比べてみる → 12とSEで1世代違う

チップセットに関しては、iPhone 12シリーズは共通して「A14 Bionic」を搭載しており、4機種間に大きな性能差はありません。一方、iPhone SEも、2019年モデルの「iPhone 11/11 Pro/11 Pro Max」にも使われた「A13 Bionic」を搭載。5Gには対応しないものの、アプリ利用で不満を感じることはほぼありません。

 

iPhone SE(第2世代) :A13 Bionic
iPhone 12シリーズ   :A14 Bionic

↑両手持ちでゲームアプリをプレイするならば、画面サイズ的に、12/12 Pro/12 Pro Maxがおすすめ。SEや12 miniでもできなくはないが、特にSEでは表示領域がかなり小さくなるので、画面上にゲームパッドなどが表示されるタイトルでは不利になる

 

5)スピーカーを比べてみる → 12シリーズの圧勝

内蔵スピーカーについては、iPhone 12シリーズ、SE(第2世代)のどちらもステレオスピーカー搭載しています。しかし、音質を聞き比べてみると、かなり差を感じます。

↑SEも十分な音量がでるものの、12シリーズの方がクリアかつ迫力ある音響を楽しめる

 

SEでも、10畳以上の部屋でスピーカー代わりになりそうな十分大きな音量は出せますが、低音域のクオリティでは、iPhone 12シリーズのそれに劣ります。

 

なお、iPhone 12シリーズに関しては、12 miniと12 Pro Maxを聴き比べてもさほど違いはありません。機種間での差分はさほど気にせずに選んで問題ないでしょう。

 

6)MagSafe対応は? → 12シリーズのみ

iPhone 12シリーズのみが使える新機能としては「MagSafe」があります。これは、背面に対応周辺機器をぴったりと張り付けられるという規格です。例えば、対応のワイヤレス充電器を使う場合、iPhone 12シリーズでは、充電器のコイルがずれるような心配がありません。また、カーマウントやカードを収納できるケースなども便利です。

↑カードを収納できるレザーウォレット(左)とMagSafe充電器(右)

 

一方で、iPhone 12シリーズには、端末自体に磁力があるため、腕時計などの磁力に弱い機器類などは重ね置きしないように気をつけておいた方が良い注意点も——。英語版のサポートページでは、ペースメーカーやICD(植込み型除細動器)から15cm以上の距離を離すように、という注意書きも追記されています。

 

7)電池もちを比べてみる → 12 Pro Maxが有利か

各機種の画面輝度を最大にした状態で、Wi-Fi接続下でYouTubeの動画を3時間視聴し、バッテリーの減り具合を記録してみました。視聴した映像は、夜間に焚き火がゆらめいている動画で、OLEDに有利な条件ではありましたが、SEと12シリーズには大きな差が出ました。

 

↑Wi-Fi接続下でYouTubeを視聴し、30分毎にバッテリー残量の%を記録。120分経過後には、iPhone 12 Pro Maxが89%、iPhone 12/12 Proが85%、iPhone 12 miniが81%、iPhone SE(第2世代)が67%になった

 

また、iPhone 12シリーズの中でも、12 miniと、iPhone 12/12 Pro、12 Pro Maxのそれぞれには僅かに違いがありました。特にバッテリーもちが良かったのが、12 Pro Maxです。なお、今回のテスト条件では画面サイズが共通するiPhone 12と12 Proの間に大きな差は生まれませんでした。

 

なにより、iPhone 12 miniは電池もちが心配、という人も多かったでしょうが、SEと比べてみて、十分スタミナは高いと思うので、そこまで過敏に構える必要はないでしょう(まぁ、5G通信をした場合はどうなるかわかりませんが……)。

 

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8)背面カメラを比べてみる → 望遠ならProを

背面カメラの仕様に関しては、SE(第2世代)がシングルカメラを、iPhone 12/12 miniがデュアルカメラシステムを、iPhone 12 Pro/12 Pro Maxがトリプルカメラシステムを搭載します。各機種のカメラの仕様は下記の通りです。

 

・iPhone 12 Pro Max
画素数:1200万画素 超広角:ƒ/2.4絞り値 広角:ƒ/1.6絞り値 望遠:ƒ/2.2絞り値
・iPhone 12 Pro
画素数:1200万画素 超広角:ƒ/2.4絞り値 広角:ƒ/1.6絞り値 望遠:ƒ/2.0絞り値
・iPhone 12
画素数:1200万画素 超広角:ƒ/2.4絞り値 広角:ƒ/1.6絞り値
・iPhone 12 mini
画素数:1200万画素 超広角:ƒ/2.4絞り値 広角:ƒ/1.6絞り値
・iPhone SE(第2世代)
画素数:1200万画素 広角:ƒ/1.8絞り値

 

旅行先の記念撮影など、超広角カメラでの撮影が行い場合には、12シリーズの方がメリットがあります。特に12シリーズは「スマートHDR 3」に対応したことで、逆光下などの難しい条件下でも鮮明かつ綺麗な写真が撮れることがポイント。下記の作例のように、従来機と比べてもカメラ性能の進化は顕著です。

↑「iPhone 12」の超広角カメラで撮影。「スマートHDR 3」の恩恵で、色味も自然に写っている。超広角やスマートHDR 3はSE(第2世代)にはないメリットの一つだ

 

↑比較用に、同じ構図を19年モデルの「iPhone 11 Pro」で撮影したもの。こちらはスマートHDR 3非対応なので、iPhone 12で撮影したものと比べて色味がやや不自然だ

 

また、望遠カメラが必要な場合には、Proシリーズを選択した方が満足度は高まるでしょう。例えば、遠くの被写体を撮影する際や、小物や食べ物を撮影するときに手元の影を入れたくないような場面で活躍します。

 

ちなみに、12 Proの望遠カメラが光学2倍相当なのに対し、12 Pro Maxは2.5倍相当で、倍率がやや異なります。実際に撮影してみると、12 Pro Maxの方がぐっと被写体に寄れるので、使い勝手は良好。屋外で花や鳥を撮影したり、遠くから子どもやペットを撮影するなら、後者の方が便利です。

↑各機種で一番上の枝を撮影。望遠カメラのあるProシリーズなら精細感を失わずに、葉の形を捉えられる

 

ちなみに、12シリーズは前面カメラでも、やや広角での撮影ができます。こちらは従来機種でも使えた特徴ではありますが、カメラアプリの中心に表示されるUIで、画角を切り替えられるのは、SEにはない特徴です。

 

9)動画撮影を比べてみる → 12シリーズが良好

動画撮影に関しては、iPhone 12 シリーズが「ドルビービジョン対応HDRビデオ撮影」をサポートしたのがポイント。明暗差の激しいシーンでも、階調豊かな映像が撮影可能です。

 

↑「設定」>「カメラ」>「ビデオ撮影」から「HDRビデオ」をオンにして(左)から撮影。焚き火を撮影した動画ファイルの左上に「HDR」と表示されている(右)

 

↑HDRで撮影した動画の一部をスクリーンショットで撮影したものがこちら。薪の黒い部分も黒つぶれせず、ディティールが残っているのがわかる(※ただし、表示するディスプレイや輝度によって見え方が異なることがあるかもしれない)

 

例えば、実際に撮影したHDR動画では、炎の明るい部分と、影になる薪の表面も精細感を残したまま、撮影できているのがわかりました。

 

なお、Proシリーズは60fpsまで対応しますが、12と12 miniは最大30fpsまでしか対応していない点が異なります。動画作品を作るのを目当てに購入する場合には、Proシリーズの方がおすすめですよ。

 

10)こだわり撮影機能を比べてみる → Proが◎

Proシリーズには、カメラシステムのなかに、iPad Proにも搭載された「LiDARスキャナ」が組み込まれました。AR機能を活用する際の空間認識が素早くでき、暗所や棚などの通常認識しづらい空間でも、AR機能が使いやすくなっています。

 

また、同センサーは、ポートレートモードの強化にも利用されています。12シリーズでは、暗所での「ナイトモードポートレート」撮影に対応するほか、被写体の輪郭をより正確に認識できるようになりました。

 

実際に撮影してみて、大きな違いを感じるのは、コップにストローが刺さっているような場面。LiDARスキャナーなしのモデルでは、ストローが背景として認識されてボケてしまうのに対し、Proシリーズではストローも被写体として認識されます。

↑iPhone 12 Pro/12 Pro Maxでは、ストローまでしっかり被写体として認識されているのがわかる。特にPro Maxではコップ全体を大きく捉えら得ているのが特徴だ。一方、12/12 miniではストローの先端がボケてしまっている。SEでは同条件でポートレート撮影自体がうまくできなかったので、上記の画像は画面をキャプチャしたものとなっている

 

バリエーションが多く、どのiPhoneが良いか悩んでしまうところではありますが、やはり自身の使用スタイルにあったモデルを選択するのがおすすめです。価格や新しく追加されたminiなども気になる要素ではありますが、それだけでなく、総合的に使いやすいモデルを判断して選んでみてください。

 

【フォトギャラリー】※画像をタップすると閲覧できます。一部SNSからは表示できません。