「懐かしデジタル製品」を紹介するコーナー。前回は、多彩なダビング機能を搭載したMDコンポを紹介しましたが、ここでは若者を中心にブレイクしたポータブルMDプレイヤー9モデルを、2回にわたって検証していきます。
デジタル録音を搭載したことにより、カセットテープではなしえなかった高音質を実現したMDですが、当時はCDからMDに夢中になってダビングをしていた人も多いのではないでしょうか。ここでは、1998年当時の目線で商品を紐解いていきます。
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使い勝手No.1モデルは? ズバリ超薄型ボディ&長時間再生を狙え!!
ここでは、アウトドアにストリートに活躍している各社のニューモデルポータブルMDを見てみよう。軽量・小型化が進み、電池の持続時間が飛躍的に増えているといっても、実際はメーカーやモデルによって、どのくらいの差があるのか。もちろん、スタイリングやカラーリング、価格も気になるところ。最終的にチョイスするのは好みと使い方の問題だが、一挙比較することでによって、自分がポータブルMDに何を求めているのか見えてくるはずだ。
■買うべきポータブルMDの狙いの10ヶ条
①表面積はジャケットサイズに限りなく近付き、60㎟を切るもの
②厚さは17㎜以下が常識。15㎜以下も狙える
③重さは充電池を入れて150gを切ること。100gを切るものも登場しているので要チェック
④充電池の連続持続時間は8時間以上。16時間モデルも狙い目
⑤ディスクの挿入型式は出し入れが確実なポップアップ式を
⑥リモコンは暗闇でも見やすいELバックライト付きを
⑦音飛びガード機能は40秒メモリーが常識
⑧重低音強調回路はイヤホンで聴く際には必需
⑨変化が欲しい場合は、カラーバリエーションの多いモデルに注目
⑩とにかく価格にこだわるのなら旧型モデルも考慮すべし
■軽量&タフなボディが魅力
ソニー
MZ-E55
実売価格:3万8000円(当時)
幅79.7㎜、厚さ14.9㎜、奥行き9㎜というサイズからも分かる通り、まさにMDジャケットサイズという表現がピッタリのボディ。しかも、ボディ全体に軽く手丈夫なマグネシウムダイキャストを採用しているので、少々の荒い扱いにも十分に耐えられる構造だ。
本体の操作パネルはサイドに集中している。プレイ、巻戻し、早送り、ボリュームなど、それぞれボタンはコンパクトになっているが、触った感覚だけでどのボタンが認識出来る親切設計。
ディスク挿入方法は、ワンタッチで開くポップアップ式。ディスクの挿入はスムーズで、電車の中や歩きながらでも違和感なく(ひっかかるような感じがなく)出し入れすることが出来る。中に入っているディスクが見える小窓も便利。
リモコンにはソニー独自のスティックコントローラーを採用。リモコンも本体の色に合わせてゴールドとブルーが用意されている。
バッテリーは付属のガム型ニッケル式電池の他に、バッテリーケースによる単3電池が使える。もちろん、ガム型ニッケル充電池と単3電池の併用も可能。
【SPEC】
サイズ:約W79.7×H14.9×D71.9(mm)
重量:約105g(充電池含む)
充電時間:約1時間
電池持続時間:約7.5時間(付属ガム型ニッケル水素電池使用時)
■斬新なデザインボディを搭載
ソニー
MZ-E44
実売価格:3万3000円(当時)
ボディキャビネットにあしらわれた「X(エックス)」のデザイン、さらに見る角度によって微妙に色合いが変化するスパークリングカラーを採用した斬新なデザインが印象的なモデルだ。色はシルバーとブルーの2色。兄弟モデルに迷彩模様とシックなメタリックグレーのMZ-E45がある。
サイド部分は片手で持ちやすいようにカーブした形状となっている。片手で持ったときに、ちょうどボタン類を操作できるようになっており、操作性もかなり高いといえる。
ディスクのローディング方式は、ボディキャビネットを上下に開閉するポップアップタイプ。イジェクトのボタンが大きく、操作しやすいので歩きながらでの操作も可能。ボディには小窓がなく、ディスクが見えないのが難点。
ソニー独自のスティックコントローラーを採用。ただし、このモデルにのみブルーのスケルトン素材を採用した新色が付いてくる。
コーナー部分にはラバー素材のショックプロテクターが装備されている。落下など、少々の衝撃でもキズが付きにくい構造になっている。
【SPEC】
サイズ:約W87.0×H17.8×D91.5(mm)
重量:約115g(充電池含む)
充電時間:約1時間
電池持続時間:約5.5時間(付属ガム型ニッケル水素電池使用時)
■多彩なバッテリー性能を搭載
ソニー
MZ-E44
実売価格:3万1000円(当時)
MDジャケットに単3乾電池ケースをプラスしたイメージの縦型ボディ。単3型ニッケル水素充電池のほかに、ガム型ニッケル水素充電池、単3型アルカリ乾電池の3タイプのバッテリーが使えるのが最大の特徴だ。カラーはゴールドのほかにブラック、ブルーの計3色が用意されている。
本体のサイド部分にはデジタルメガバスの操作ボタンがレイアウトされている。デジタルメガバスは好みの重低音をセレクトできる音質こだわり派向けの機能だ。
こちらもほかのソニーのMD同様、ボディを上下に開閉するポップアップ式が採用されている。もちろんワンタッチ&ワンアクションでディスクの出し入れが可能。上部には小窓がついているので、中のディスクを確認できる。
このモデルにはファッション性の高い、専用のホワイト&スケルトン素材のジョイスティックリモコンが標準装備されている。
本体の裏側には再生、低痔、巻戻し、早送り、音量調節の各操作ボタンが配置されている。三角形状に配置された斬新なボタンレイアウトで使い勝手もまずまず。
【SPEC】
サイズ:約W80.0×H17.3×D92.0(mm)
重量:約113g(充電池含む)
充電時間:約3時間
電池持続時間:約8時間(付属ガム型ニッケル水素電池使用時)
■おしゃれなデザインで人気を博す
ケンウッド
DMC-K5
実売価格:3万6000円(当時)
表面にダイカット処理を施した8本のラインは、女性の化粧用コンパクトをイメージさせるちょっとかわいいデザイン。もちろん大きさはポケットにもスッポリ収まるMDジャケットサイズが魅力。持ち運びに便利なハンドストラップも標準装備している。
厚さは16.3㎜と薄く、携帯電話のようにポケットに入れても違和感を感じさせない。サイド部分には、基本的な操作ボタンがコンパクトにレイアウトされている。
ディスクの出し入れ方法はボディを上下に開閉するポップアップ式。ワンアクションでディスクの出し入れが出来るので、電車の中でも操作が簡単。上部に小窓はないので、中のディスクを確認することはできない。
3つのシャトルキーによるダイヤル操作が可能なウォッチタイプのトリプルシャトルリモコン。もちろん、バックライト機能付きで、暗いところでの視認性もバッチリだ。
充電池にはリチウムイオン充電池を採用。リチウムイオン充電池は継ぎ足し充電でも、メモリー効果による電力低下が生じず、電池の寿命が長いのが特徴だ。
【SPEC】
サイズ:約W74.7×H16.3×D82.8(mm)
重量:約132g(充電池含む)
充電時間:約3時間
電池持続時間:約11時間(付属ガム型ニッケル水素電池使用時)