「懐かしデジタル製品」を紹介するコーナー。前回に引き続き、1998年に若者を中心にブレイクしたポータブルMDプレイヤーを紹介していきます。デジタル録音を搭載したことにより、カセットテープではなしえなかった高音質を実現したMD。前編では、ソニーのMDウォークマンが多数登場しましたが、今回はどんなモデルが登場するのでしょうか。ここでは、1998年当時の目線で商品を紐解いていきます。
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使い勝手No.1モデルは? ズバリ超薄型ボディ&長時間再生を狙え!!
ここでは、アウトドアにストリートに活躍している各社のニューモデルポータブルMDを見てみよう。軽量・小型化が進み、電池の持続時間が飛躍的に増えているといっても、実際はメーカーやモデルによって、どのくらいの差があるのか。もちろん、スタイリングやカラーリング、価格も気になるところ。最終的にチョイスするのは好みと使い方の問題だが、一挙比較することでによって、自分がポータブルMDに何を求めているのか見えてくるはずだ。
■内蔵充電池だけで12時間再生が可能!
パナソニック
SJ-MJ30
実売価格:3万3000円(当時)
ローディング方式にスロットインを採用しながらも、胸ポケットに入るコンパクトなサイズが最大の特徴。しかも、内蔵のガム型ニッケル充電池だけで、最大12時間のロング再生というのは、ヘビーユーザーにとって嬉しい機能だ。
ヘッドフォンジャック、操作ボタン類は本体のサイドにレイアウトされている。ボディがわずか16.9㎜の厚さに収められているわりには、ボタン操作の使い勝手もいいデザインだ。
トップキャビネット全体が上下に昇降するリフトアップ式スロットイン機構により、フタを開けることなくワンアクションでディスクの出し入れができてしまう。ディスクチェンジが楽しくなる作りだ。
リモコンは本体と同様にコンパクトですっきりとした薄型デザイン。バックライト付き液晶で、暗いところでの操作性も抜群だ。
ボディには中に入っているディスクが見える小窓が付いている。ここからディスクのラベルを確認できるのも意外に便利だ。
【SPEC】
サイズ:約W75.5×H16.9×D83.5(mm)
重量:約149g(充電池含む)
充電時間:約3時間
電池持続時間:約12時間(付属ガム型ニッケル水素電池使用時)
■見た目以上にタフな純チタンボディ!
パナソニック
SJ-SW9MD
実売価格:3万9800円(当時)
外観から見ても、いかにも堅牢そうなボディ。若者層を中心に絶大なる支持を得ている「SHOCK WAVE」シリーズのポータブルMDバージョンだ。見た目も頑丈そうだが、実は中身もすごい。外観の素材に剛性の高い純チタンを採用しており、これぞまさしく正真正銘の堅牢ボディ。さらに、ボディ全体をラバー素材のプロテクターでガードすることで、よりヘビーデューティな使用に耐える。個性的なデザインは今回のラインナップの中でもピカイチ。
サイドに集中的にレイアウトされた操作パネル。ポータブルMDの中では、それぞれのボタンが大きめで操作性は良好だ。ただし、厚みは他のモデルと比べて厚い。
ディスクの出し入れには、いったんロックを外してからフタを開ける方式。他のモデルのワンタッチ操作に比べるとやや面倒だが、操作部をタフにするとともに、誤った操作によるボディの開き出しを防止している。
再生、巻戻し、早送りのボタンが1か所に集中しているので、慣れてしまえば指先の感覚だけで操作できてしまう。もちろん液晶はバックライト機能付き。
ショック(振動)機能がついた、本格的なステレオヘッドホンが標準装備。ストリートアイテムとしてのアピールはもちろん、音にこだわる人にとっても嬉しい。
【SPEC】
サイズ:約W79.4×H21.8×D80.0(mm)
重量:約192g(充電池含む)
充電時間:約2時間
電池持続時間:約6時間(付属ガム型ニッケル水素電池使用時)
■携帯電話感覚で使える手軽さ
シャープ
MD-ST521
実売価格:3万5000円(当時)
MDをおしゃれ感覚で使いたくなるようなポップなデザインに、薄さ16.3㎜というライト感覚をプラス。携帯電話感覚で使えるストラップが付いているところもおしゃれ。カラーバリエーションはシルバー、ブルー、ピンクの3種類。
厚さ16.3㎜はやはり薄い。これなら胸ポケットに入れても違和感なし。ストラップを付ければ手頃な感覚で持ち運びができる。なお、ボディのサイドには操作パネルはなし。
ディスクのローディング方法は、ボディをパカッと開けるポップアップ式。使い勝手は、他のポップアップ式のモデルと同じように使いやすい。ボディ表面に小窓があるので、中のディスクを確認できるのもいい。
リモコンは3つのシャトルを回したり押したりするだけで再生、停止、スキップが可能。片手で簡単に操作ができる。再生すると光るバックライトのデザインもユニーク。
本体側の操作ボタンはすべて裏にレイアウトされている。サイドにあるタイプに比べ、一つ一つのボタンが大きく操作しやすい。
【SPEC】
サイズ:約W74.7×H16.3×D82.8(mm)
重量:約132g(充電池含む)
充電時間:約3時間
電池持続時間:約11時間(付属ガム型ニッケル水素電池使用時)
■スリムなボディにビビットな3色で登場!
ビクター
XM-P55
実売価格:3万5000円(当時)
薄さ16.6㎜、本体重量103g。フラットでスリムなボディはジャケットサイズ。充電池を入れてもわずか128gの重さは、カバンや服のポケットに入れても邪魔にならない。カラーはビビッドなグリーン、シルバー、ブルーの3色。
側面には再生、停止、巻戻し、早送り、ボリュームの操作ボタンとヘッドホン端子がレイアウトされている。ボタンはどれも大きめで操作性がいいのが特徴だ。
ディスクの取り出しはポータブルMDとしては標準的なワンアクションのポップアップ方式。ディスクの出し入れはスムーズで、混雑した電車の中で立ちながらといった状況でも思いのほかラクに行える。
独自に開発したリモコン「ジョグコントローラー」は、指1本で操作ができるスグレモノ。バックライト機能付きの液晶パネルは最大10文字まで表示可能だ。
外からでも中のディスクが見える小窓が付いている。大きめにデザインさえ、視認性も高い。中のラベルを確認することもできる。
【SPEC】
サイズ:約W84.4×H16.6×D80.1(mm)
重量:約103g(充電池含む)
充電時間:約1.5時間
電池持続時間:約7時間(付属ガム型ニッケル水素電池使用時)
■シックなボディに秘密兵器を搭載!
ビクター
XM-P55
実売価格:3万5000円(当時)
ツートーンのカラーリングでシックなデザインは、幅広いユーザーから支持されそう。カラーはシャンパンゴールドと、メタリックブルーの2色。サイズはやや大ぶりだが、これは中に秘密兵器が隠されているため。
サイドには操作ボタンをレイアウト。ちょっと変わったボタン配列だが、一つ一つのボタンの間隔が離れているので操作ミスがなく、実際には使いやすいという印象だ。
ディスクの取り出しが簡単な新開発のプッシュ・インジェクトメカを搭載。文字通り、ボタンをワンプッシュするだけでディスクがポンと飛び出すシステム。ロック機能も付いており、不用意にディスクが出てこない仕組みだ。
XM-P55と同様にリモコンは「ジョグコントローラー」を採用。単に回せばボリューム調節、押して回せばスキップやサーチで選曲できる。
見た通り、ガム型充電池と単3充電池(普通の乾電池でも可)が併用出来るデュアルバッテリー方式。まさに電池のコンパチブル仕様だ。
【SPEC】
サイズ:約W81.0×H17.0×D103.0(mm)
重量:約120g(充電池含む)
充電時間:約1.5時間
電池持続時間:約7時間(付属ガム型ニッケル水素電池使用時)