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2021/10/15 17:30

外仕事を拡張する「最強のサブマシン」ーー10.95インチタブ「HUAWEI MatePad 11」の‟ビジネス力”を徹底解説

「テレワーク」という概念が普及し、場所を問わない働き方が求められるようになった昨今、どこでも使える取り回しの良いデバイスは重要な存在だ。自宅にスマートフォンしか所持していない人にとっては、PCライクな作業ができる端末は不可欠であるし、すでに据え置き型のデスクトップやノートPCを「母艦」として運用しているビジネスパーソンにとっても、外出時にさっと持ち出して書類のチェック等が行える「サブマシン」の存在は心強い。

 

これらの需要に適した選択肢の一つが、スタイラスペンや物理キーボードによって2 in 1風に運用できるタブレットである。今回は、ファーウェイ・ジャパンが21年夏に国内向けに発売した「HUAWEI MatePad 11」のWi-Fiモデルについて、紹介していきたい。

↑MatePad 11の価格は5万4780円(税込、以下同)

 

同機の価格は、本体が5万4780円で周辺機器の純正キーボードとタッチペンをセットにしても、7万5400円(Amazon.co.jpでの価格)で、2in1タブレット市場においては手頃だ(価格は2021年10月11日時点のもの)。当然、VPNなどの設定も行えるので、企業方針にはよるだろうが、「BYOD(Bring Your Own Device=私物端末の業務利用)」のモバイルデバイスとして使うこともできるだろう。

 

 

サブデバイスとして魅力ある機動性

読者の中には「外出時のサブデバイス=スマホ」という方もいるかもしれない。しかし、ディスプレイサイズの大きいタブレットならば、複数のアプリを大画面に表示できることで、作業の効率化につながる。特にOfficeやPDFなどの“書類”を扱わなければならないビジネスパーソンならば、この傾向は顕著だ。

↑10.95インチサイズのHUAWEI MatePad 11

 

HUAWEI MatePad 11のディスプレイサイズは10.95インチ。わかりやすく言えば、A4用紙の長辺を半分に折り曲げたものを重ねて、一回り余白があるサイズだ。要するに、WordをA4原寸大で表示したら、ちょうど書類の上半分が表示できるくらいになる。

 

HUAWEI純正のキーボード付き保護ケース「HUAWEI Smart Magnetic Keyboard(for MatePad 11)」を装着すれば、物理キーボードでのタイピングもスムーズに行える。出先で長文のメールを作成したり、書類ファイルの細かい修正を行ったりするには十分。この11インチ前後というサイズ感は、持ち運ぶために大きすぎず、キーボードを使うために小さすぎず、という絶妙なバランスだ。

↑仕様にディスプレイ輝度は表記されていないが、最大にすれば晴れた屋外でも使えそう

 

キー・ストロークは1.3mmと深め。キーピッチは仕様に表記されていないが、手元のノギスで測ってみると17〜18mm程度はあり、キーとキーの間隔がやや広めだが、”ほぼフルサイズ”の感覚で使えた。慣れれば筆者のような文筆業でも問題なく使えるだろう。なお、このキーボードケースはマグネットで本体に固定でき、固定したタイミングでペアリングと給電を自動かつワイヤレスで実行してくれる。周辺機器管理の手間を減らせるという意味でも、使い勝手は良い。

 

↑端末カラーは爽やかな印象の「アイルブルー」

 

本体外形については、W253.8mm × H165.3mm × D7.25mmで、PC用のポケットがないバッグでも収納しやすい。なお、重量は本体のみで約485g、純正キーボードとペンを装着した状態で手元のキッチンスケールで測ってみると833gだった。これは、最軽量クラスのノートPCの本体重量とほぼ同じくらいの軽さだ。

↑ポートはUSB Type-C。スピーカーは側面に4基揃えており、動画視聴やビデオ通話などでも活躍

 

バッテリー持ちに関しては、フル充電時で40時間弱の連続駆動が可能(※)。さらに、バックグラウンドでのアプリ動作を制限する「省電力モード」を有効にすれば、50時間弱(※)まで延ばせる(上記数値は、設定アプリ内に表示されるバッテリーの残り時間目安を参照した)。

※使用アプリ、画面表示の設定や音声再生有無等の利用状況によって実際のバッテリー持ち時間がかわります。

↑左上のコーナー付近側面に電源キーと音量上下キーを配置

 

↑リアカメラの解像度は13MP。アプリを使った書類のスキャンなども精細に行える

 

 

ミニマルながらもマルチウィンドウの活用で作業効率化

OS標準の機能としては、複数アプリを同時に表示させる手段に注目だ。「アプリマルチプライヤー」を活用すれば、タブレットを横向きで使う際に、アプリを2画面並べて表示できる。ただし、こちらは対応するアプリが限られており、たとえば「Microsoft Office」アプリでは利用できない。

 

一方、一部アプリについては、縦長のミニウィンドウとして表示することが可能。ウィンドウサイズは微調整できるので、こちらの方が柔軟に使えそうな印象を受けた。たとえば、「チャットツールをミニウィンドウで使いながら資料を表示する」「ブラウザで調べ物をしながら書類を作成する」など、ミニマルな環境のなかで作業を効率化できる。

 

↑「ブラウザ」アプリをメインで起動しながら、「Office」アプリのWordを小さいウィンドウで重ねて表示している様子

 

また、同社が展開する対応スマートフォンを利用している場合、MatePad 11上に、仮想のスマホ画面を表示できる。同画面を通じて、ドラッグアンドドロップ操作で機器間のファイル転送処理が行えるようになるなど、ブランドを揃えた際のメリットは大きい。

 

ちなみに、MatePad 11では、OSにファーウェイが独自カスタマイズをした「HarmonyOS(ハーモニーOS)」を搭載する。Androidでお馴染みのアプリストア「Google Playストア」が利用できないが、「AppGalery」という同社独自のアプリストアが展開されており、たとえば「Micosoft Office」アプリはインストールできた。まだ出来てから日の浅いアプリストアという点で、配信アプリ数に心配がある人もいるかもしれないが、一般的なオフィスワークでのサブマシン運用を想定するならば、不自由はあまり感じないだろう(ただし、OSアップデート直後のバグ発生などは起こる可能性はあるので、注意しておく必要はある)。

 

ペン入力やディスプレイを活かせる応用力の高さも魅力

また、リモートで働くことを想定すると、意外と欠かせなくなるのが“手書き”だ。タッチ操作非対応のノートPCでも、別途ペンタブレットなどを購入すれば対応できるが、ノートPCを持った状態で、さらにペンタブレットも持ち運ぶというのは、取り回しの面であまり賢明ではない。特に在宅勤務や外回りの仕事では、十分なデスクスペースを確保できるとは限らないので、そういった点で、スタイラスペンが使えるタブレットは小回りが効き、省スペースな運用にもつながる点でありがたい。

↑やはり、ペンが使えるのは大きな魅力だ

 

HUAWEI MatePad 11では、4096段階の筆圧感度と傾斜感度に対応した純正スタイラスペン「HUAWEI M-Pencil(第2世代)」が使える。特に、第2世代モデルは、ペン先が半透明になっているほか、丸みを帯びたデザインでグリップ感も安定するのが特徴だ。ペン軸のダブルタップ操作を行うことで、ペン先を消しゴムに切り替えるなど、素早い使い分けにも対応する。

↑第2世代の「M-Pencil」。側面の溝はMatePad 11の側面にフィットしており、マグネットで固定&充電できる

 

たとえば、メモアプリの「Nebo for Huawei」アプリを使えば、手書きのノートが作成できる。また、Officeアプリを活用して書類ファイルに電子署名をするような運用も可能だ。また、手書きの文字をテキスト変換できる「FreeScript」機能も備わっており、しっかり日本語も対応している。たとえば、ブラウザの検索ボックスにペンで文字を手書きすれば、それがテキストに変換されるわけだ。立ったままタブレットを使わなければいけないような場面や、派手にタイピング音を鳴らせない場面などで重宝するだろう。

 

また、カメラマンやデザイナー、編集者など、クリエイティブな職業では、データを確認するモニターとしてタブレットを運用したい人もいるかもしれない。その点、MatePad 11は対応する色域が広いので、正確な色味を把握しやすい。なお、ディスプレイ仕様については、WQXGA(2560×1600ピクセル)解像度で、画素密度275ppi。さらに1670万色をサポートし、DCI-P3の広域色もサポートしている。

↑ディスプレイは、写真やデザインの色味をなるべく正確に確認したい場合にも役立つ

 

特に、同社の対応ノートPCと連携させる場合、MatePad 11をセカンドスクリーン化できることは見逃せない。母艦にしたノートPCを利用している間も、モニターとしてMatePad 11を無駄なく活用できるのは嬉しいポイントだ。

 

 

機器のちょい足しやカスタマイズでさらに賢く運用も

MatePad 11は、SoCにQualcommの「Snapdragon 865」を搭載する。同SoCは、2020年のフラグシップスマホに多く搭載されたものだ。そのため、処理性能は十分で、一般的なオフィスワークを想定するならば、不安はあまりないと言える。ROMは128GB、RAMは6GBを搭載。なお、別途microSDカード(microSDXCカード)を用意すれば、最大1TBまでストレージを拡張することもできる。microSD分の追加費用はかかってしまうが、たとえば動画編集作業などを想定しており、128GBではストレージが全然足りないという場合には、拡張を検討しても良いだろう。

↑microSDカードでストレージを拡張できる

 

また、持ち運びを想定するとなると、気になるのがセキュリティ面だが、MatePad 11は顔認証に対応しており、セキュリティと利便性を両立しやすい。さらに、対応するウォッチなどがあれば、Bluetooth接続を前提に認証過程をスキップできる「スマートロック解除」機能も用意されている。これを活用すれば、マスクを装着する機会が増えた昨今でも、ストレスなく運用できるはずだ。

↑屋外へ携行することを考えても、セキュリティ面がしっかりしつつ、使い勝手がよいのは重要だ

 

さらに、設定したパスワードや生体認証を用いないとアクセスできないファイル保存場所を作る「セキュリティボックス」機能や、同じく認証しないと開けないホーム画面を作る「PrivateSpace」を備えていることも、ファーウェイデバイスならではの機能。たとえば、ビジネスシーンで秘匿性の高い情報を扱わなければならない一方で、家族のいる自宅では動画視聴やゲーミングなどのエンタメ用途に使うかもしれないという場合には、こうした機能をカスタマイズすることで、安全な運用が可能になるだろう。

↑「PrivateSpace」として設定した暗証番号で認証すると、通常のデバイスとは切り離されたホーム画面、データ等にアクセスできる。PCでいうところのユーザーを切り替えてログインする機能に近い

 

場所を問わずに使える機動性、ミニマルな環境のなかで作業を最大限効率化できる機能、周辺機器を用いた際の拡張性——と3拍子揃ったHUAWEI MatePad 11。「スマートフォンしか持っていなくてPC風のデバイスを安く入手したい」「外出時のサブデバイスが欲しい」と思っていた人は、ぜひ検討の際に思い出してほしい。

 

 

撮影/松浦文生、井上 晃