デジタル
2016/10/1 19:12

世界最強の音楽配信サービス「Spotify」ついに上陸――気になる無料プランと有料プランの違い

世界最大の音楽ストリーミングサービス「Spotify」がいよいよ日本でサービスを開始します。提供されるプランは、無料で広告ありの「フリープラン」と、全機能が広告なしで利用できる月額980円の「プレミアムプラン」の2種類。まずはエントリー制での提供となり、招待コードを取得したユーザーから順次利用できます。

 

「Spotify」は、スウェーデンで誕生し、2008年にローンチした音楽配信サービス。世界60か国以上で展開しており、アクティブユーザー数は世界で1億人を超えます。数年前から日本上陸間近と言われ続け、ようやく今回の発表を迎えました。

↑エントリー制の申し込みを実施中。現時点での利用申し込みには、まず招待コードをリクエストする必要があり、コードは順次提供となる
↑エントリー制の申し込みを実施中。現時点での利用申し込みには、まず招待コードをリクエストする必要があり、コードは順次提供となる

 

↑発表会場のスクリーンには“Konnichiwa Japan.” の文字が
↑発表会場のスクリーンには“Konnichiwa Japan.” の文字が

 

日本で視聴できる楽曲数は4000万曲以上。国内外の人気アーティストの楽曲が聞き放題となり、ストリーミングだけでなく、ダウンロードしてオフラインでも視聴できるのが特徴です。スマホやタブレットのほか、パソコンからも利用可能。また、今回新たにPlayStation 4、PlayStation 3にも対応することが明かされました。

↑国内外の様々なアーティストの曲が聴き放題に
↑国内外の様々なアーティストの曲が聴き放題に

 

利用可能なプレイリストは20億本以上。専門家選りすぐりのプレイリストが楽しめるほか、ユーザーの視聴履歴に基づき楽曲をキュレートしたプレイリストも毎週提供されます。ランニング時に走るペースに合わせてテンポの違う曲を楽しめる機能や、ゲーム音楽が充実している点にも注目です。自身の好みの曲でプレイリストを作成し、友人とSNS経由で共有することも可能。日本では、世界に先駆けて歌詞が表示される機能も導入されます。

↑カラオケ文化がある日本では「歌詞」機能の導入は重要、と述べるスポティファイジャパン代表取締役のハネス・グレー氏
↑カラオケ文化がある日本では「歌詞」機能の導入は重要、と述べるスポティファイ・ジャパン代表取締役(発表会時点)のハネス・グレー氏

 

フリープランとプレミアムプランの大きな違いは?

このような音楽聞き放題サービスでは、月額利用料を支払って使い放題となる「サブスクリプション(定期購読)型」が主流。しかし、Spotifyでは月額980円のプレミアムプラン(Spotify Premium)のほかに、広告が表示される代わりに無料で利用できるフリープラン(Spotify Free)も提供される点がユニークだと言えます。

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↑プランは「Spotify Free」 と「Spotify Premium」の2種類

 

まず前提として、Spotifyの楽曲再生方式には2つの方式があります。アーティスト・アルバム・プレイリスト別に楽曲をランダムで聴ける「シャッフルプレイ」方式と、自由に望んだ楽曲を聴ける「オンデマンド」方式です。

 

フリープランでは、スマホから利用する場合、楽曲の再生は常にシャッフルプレイに限定されます。一方、パソコンやタブレットなどから利用する場合には、少しだけオンデマンドで再生できます。ただし「30日間あたり15時間まで」という条件付き。これを超過した場合には、スマホからのシャッフルプレイのみ引き続き利用できる仕様です。なお、再生はストリーミング限定で、楽曲をダウンロードすることはできません。

↑「Spotify Free」は広告入り
↑フリープランの「Spotify Free」は広告入り

 

プレミアムプランでは、スマホから利用する場合もオンデマンドで楽しめます。パソコン、タブレットなどから利用する場合にも、制限なくオンデマンドで楽曲を視聴可能。再生はストリーミングだけでなく、ダウンロードにも対応し、オフラインで楽曲を楽しめます。また、ストリーミング再生はフリープランよりも高音質な320kbps。楽曲のスキップも制限なく行え、広告表示もありません。

↑「Spotify Premium」はオンデマンド再生・オフライン再生が利用可能
↑「Spotify Premium」はオンデマンド再生・オフライン再生が利用可能

 

↑プレミアムプランで「Spotify Connect」を利用すれば、手持ちのスピーカーやテレビ、車でもSpotifyを視聴可能となる
↑プレミアムプランで「Spotify Connect」を利用すれば、手持ちのスピーカーやテレビ、車でもSpotifyを視聴可能となる

 

プレミアムプランは、お試しで利用できる期間が30日間用意されます。まずはフリープランで利用し、アップグレードすることも可能です。なお、プレミアムプランを契約する場合、支払いはクレジットカードに対応。また、近日中には、携帯電話会社やコンビニ決済、オンラインバンク、ATMなどにも対応する予定です。

 

1年遅れのローンチで巻き返しなるか

10月1日よりスポティファイジャパン代表取締役に就任する予定)の玉木一郎氏は、今回の発表会で3つの約束を掲げ、以下のように語りました。

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↑スポティファイジャパン代表取締役・玉木一郎氏(10月1日より就任)

 

「1つ目は日本の音楽ファンの皆さんを、世界中の200万以上の才能あるアーティストに結び付けるだけでなく、楽しい時、うれしい時、悲しい時、皆さんの気持ちに合わせてそれをお届けすることに、まい進していきたい。二つ目は、日本の才能あふれる多くのアーティストを、世界中の1億人を超えるSpotifyのユーザーに結び付けることによって日本の音楽業界に貢献するだけでなく、日本の音楽文化を少しでも世界に伝えていけたらと思っている。そして、最後に“音楽をいつでもどこでも”をいち早く実現できる環境を、あらゆるパートナー企業と一緒になって作っていきたい。それによって、日本の社会全体に貢献していきたい」(玉木氏)

 

Spotifyの競合サービスとしては、「LINE MUSIC」「AWA」「Apple Music」「Google Play Music」などが挙げられます。これらは2015年に既にローンチされており、すでに多くのユーザーを獲得済み。参入が遅れたSpotifyは、「無料プラン」や「オフライン再生対応」などを武器にいかに巻き返しを図っていくのか。今後の施策にも注目です。