米Twitterは2022年第1四半期決算発表にて、少なくとも3年間はユーザー数を200万人近く過大に見積もっていたことを認めました。ユーザー数が思ったほど多くなかったことが、イーロン・マスク氏による買収案を受け入れる理由の1つとなったのかもしれません。
同社の発表によると、「(意図的ではなく)ユーザー数を水増し」したのは複数アカウントのリンクに関する技術的なミスのためだそうです。
Twitterは2019年から、複数のアカウントを持つユーザーがアカウントを簡単に切り替えられるようにしています。それらは実質的には1人に過ぎませんが、Twitterはそれぞれを別々のmDAU、つまり 「収益につながる日間アクティブユーザー」としてカウントしていたとのことです。
もともとmDAUは一般的な指標ではなく、Twitterが独自に考え出したアプローチでした(他社は使わず)。四半期ごとの月間アクティブユーザー数が成長していると示すのに苦労したため、このアイディアを思いついたわけです。
このmDAUは、広告主が広告のターゲットとなるTwitterのユーザー数を把握するための目安です。そして広告費こそがTwitterにとって収益の大部分を占めているため、経営の健全性を測るうえでも正確なことが求められるはず。でも、その根本が間違っていたことになります。
Twitterによれば過去の四半期について再計算し、合計を調整したとのことです。その結果、各四半期ごとに140万~190万の範囲でmDAUを多く見積もりすぎていたことが判明したと述べています。
この程度の調整は、19.6億人ものユーザー数を誇るFacebookであれば大したことはありません。が、Twitterは長年にわたりユーザー数の横ばいに悩まされており、間違いを修正した後のmDAUは2億2900万に過ぎず、十分に大きな問題と言えそうです。
今回のミスは、Twitterの広告主をさらに不安にさせる恐れもあります。また「言論の自由」を強調するマスク氏が買収したことで、デマやヘイトスピーチが増えることを嫌った広告主がTwitterへの出費を減らすとの予想もあり、今後の経営がどうなるのか見守っていきたいところです。
Source:TechCrunch