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2016/10/18 18:45

ついに日本上陸! 音楽好きが「Spotify」を2週間使い倒して気付いたこと

ヨーロッパ発の定額制音楽ストリーミングサービス「Spotify」が、2016年9月29日より日本でのサービス開始を発表しました。先行する欧米各国では大人気となっており、早い段階から日本上陸もウワサされていたSpotify。ローンチから2週間使い倒して気づいたことをお届けします。

 

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Spotifyは、スウェーデン生まれの定額制音楽ストリーミングサービスです。会員数は全世界で1億人以上、有料会員だけでも4000万人に達する勢い。配信されている楽曲数は4000万曲以上を誇るので、日本の音楽ファンにも以前から注目されていました。

 

現在、日本でSpotifyを利用するにはSpotifyの公式サイトでのエントリーが必要となります。筆者の場合は、発表会で頂いた招待コードを使ったので、サービス開始当時から有料プランを利用できました。なお、サービス開始日に公式サイトからエントリーしたところ、翌日にはメールで招待コードが送られてきました。本格的なサービス開始は11月を予定していますので、いち早く利用してみたい方はウェブページからエントリーしましょう。

↑公式サイトでメールアドレスを登録すると、後日招待コードが届く
↑公式サイトでメールアドレスを登録すると、後日招待コードが届く

 

無料プランでも音楽が聴けるのはSpotifyの強み

Spotifyを利用するには、ウェブブラウザでサイトにアクセスする方法と、専用アプリを使う方法があります。専用アプリはWindows、Mac、iOS、Android、PS4/PS3版が用意されており、マルチデバイスで利用可能です。

↑iPhoneアプリのトップ画面。「登録する」をタップしてアカウントを作成する
↑iPhoneアプリのトップ画面。「登録する」をタップしてアカウントを作成する

 

↑ログイン後のトップ画面には「おすすめプレイリスト」や「人気プレイリスト」が表示される
↑ログイン後のトップ画面には「おすすめプレイリスト」や「人気プレイリスト」が表示される

 

Spotifyがこれまでの音楽ストリーミングサービスと異なるのは、無料で音楽が聴ける点。とはいえ、無料プランにはいくつかの制限があります。一番大きな制限は、3~4曲再生すると、YouTubeのように音声の広告や動画の広告が表示されることです。YouTubeでも広告表示がストレスに感じることがあるので、これを我慢できるかが大きな分かれ道かもしれません。

↑無料プランでは3~4曲ごとに広告が入る
↑無料プランでは3~4曲ごとに広告が入る

 

動画広告が表示された際に「ビデオを見る」をタップすれば、30分間は広告なしでの音楽視聴が可能になります。音楽にできるだけお金かけずに楽しみたいのであれば、この動画広告の視聴が欠かせません。

 

音質についても、ストリーミング再生する曲の音質を「自動」「標準」「高音質」「最高品質」から選べるのですが、無料プランでは「最高音質」が利用できません。とはいえ、スマホで聴くだけであれば、音質はそれほど気にならない印象です。

↑無料プランでは利用できない機能を使おうとすると、Premiumプランへの加入を促される
↑無料プランでは利用できない機能を使おうとすると、Premiumプランへの加入を促される

 

筆者がSpotifyの無料プランでは少し物足りなく感じた最大のポイントは、「オフライン再生ができないこと」と、「スマホではランダム再生しか利用できないこと」でした。Wi-Fi環境下でダウンロードしておけば、移動中にデータ通信量が発生しないのですが、無料プランはストリーミング再生しかできません。また、モバイルから利用する際は、楽曲をシャッフルプレイでしか再生できないというのも、「いまこの曲が聴きたい!」と思う筆者には最初はとてもストレスでした……。とはいえ、これには気持ちの変化が生じたので後述します。

 

ちなみに、パソコン、タブレット、PS4/PS3では30日間に15時間までという利用制限も設けられています。また、楽曲をスキップできる回数にも制限があります。

 

“プレイリストを楽しむ”のがメイン

Spotifyを使って感じたのは、楽曲を検索して聴くというよりは、あらかじめ用意されたプレイリストを楽しむサービスだということです。

↑日本のユーザーに向けたプレイリストが充実している
↑日本のユーザーに向けたプレイリストが充実している

 

2015年にサービスを終了したソニーの定額制聴き放題サービス「Music Unlimited」に始まり、ようやく「Apple Music」に落ち着き始めた筆者としては、プレイリスト単位で音楽を聴くことになじみがなく、最初は少し不便に感じていました。しかし、これまであまり意識していなかったヒットチャートの曲や、偶然再生された過去の楽曲を聴いているうちに、知らない楽曲との出会いが少しずつ楽しくなってきた気がします。すでにこの2週間で新しく知ったお気に入りのアーティストが5組いて、ある意味“(新たな音楽との)出会い系サービス”だな、と感じました。

 

用意されたプレイリストのおすすめの仕方にも感心しました。最近めっきり秋らしい気候になってきたと思ったら「秋の気配」、雨の日には「雨のメロディー」というプレイリストをおすすめしてくるなど、レコメンドの仕方にリアルタイム性を感じられるのも面白いところです。

↑↑雨の日には「雨のメロディー」というプレイリストをおすすめしてくる
↑↑雨の日には「雨のメロディー」というプレイリストをおすすめしてくる

 

他国に先駆けて「歌詞表示」機能を搭載

Spotifyでは、一部の楽曲の歌詞表示に対応しています。iOS 10のアップデートに伴い、Apple MusicやiTunes Storeで購入した楽曲も歌詞表示に対応しましたが、やはり日本人は歌詞を見ながら歌う文化が根付いているのでしょう。この機能は、他国に先駆けて搭載されたそうです。筆者もお恥ずかしながら、ついついお風呂にスマホを持ち込んで、Spotifyで歌詞を表示しながら熱唱しています。

↑ジャケット写真を下にスワイプすると、歌詞が表示される。曲に合わせて表示が切り替わる仕様
↑ジャケット写真を下にスワイプすると、歌詞が表示される。曲に合わせて表示が切り替わる仕様

 

課題は邦楽のラインナップ

楽曲のラインナップとしては、他社のサービスと同様、洋楽にはかなり強い印象です。グローバルでの「トップ50」というプレイリストを聴けば、世界中で流行っている人気の曲がわかりますし、新曲もしっかりカバーしています。とはいえ、筆者自身は邦楽のロックやエレクトロ音楽が好きなので、ラインナップ的にはもうひと頑張りして欲しいところ。日本でのサービス開始から日が浅いので、これは今後に期待したいところです。

 

邦楽のラインナップにはまだまだ改善の余地があると思いますが、洋楽に関してはコアな音楽ファンも満足できること必至。「あーここもしっかりカバーしてるのか」と感じる部分は多いので、フジロックに毎年行く人や海外のクラブミュージック好きな人も気に入るのではないでしょうか。

 

まずは無料でお試しを

有料プランは「Premiumプラン」と呼ばれ、月額980円で利用できます。スマホから加入すると、7日間は無料でPremiumプランの機能が使えるようになるので、実際に試してみてから考えるのがいいでしょう。

↑7日間の無料トライアルはクレジットカードの登録が不要
↑7日間の無料トライアルはクレジットカードの登録が不要

 

聴きたい曲にこだわりがあるわけでなければ、無料プランのままで十分楽しめます。スマホからの利用には制限時間もなく、音質もそれほど気になりません。

 

逆に、「いまあの曲が聴きたい」とYouTubeで音楽を探すような感覚で使いたい人や、これまでほかの音楽ストリーミングサービスを愛用してきた人は、有料プランを検討してみてもいいでしょう。現在はクレジットカードでの決済のみですが、キャリア決済やコンビニ決済なども近日中に導入されるようなので、有料プランを利用するハードルは比較的低くなっていくと思われます。

 

後編では、ほかの音楽ストリーミングサービスとSpotifyを比較しますので、お楽しみに!

 

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