WindowsやOfficeをリリースするマイクロソフトが11月10日、プレス向けのイベント「Windows Innovation Day」を開催。Windows Innovation Dayは、同社の今後における経営戦略やビジネス展開をプレス向けに発表するイベントで、当日は多くのメディアや報道陣で盛況となりました。
世界で4億台以上の端末で稼動するWindows 10の今後について語る
冒頭、日本マイクロソフトの平野拓也社長が登壇し、Windows 10が担う今後の展開について説明。Windows 10は全世界で4億台のPCやタブレット端末で稼動し、多くのユーザーに支持されていることを踏まえつつ、今後は「モノからコト」、つまり、デバイスありきではなく、デバイスを使って何をするかに重点を置いた展開にシフトしていくと述べました。
その一環として、クリエイターの創作活動を支援できる環境を育てて行くのが重要と位置づけ、プロからコンシューマーのクリエイターにWindowsを活用してもらえるようなプラットホームを目指すとのこと。また、Windows 10が現在推し進めている施策の一環として、「クリエイティブ」「エンターテイメント」「セキュリティ」の3つをキーワードとして掲げています。
ペンデバイスによるクリエイティブな現場を支援
1つ目の軸である「クリエイティブ」は、Surfaceシリーズに代表されるペン入力対応のデバイスとWindows 10の組み合わせにより、イラストやアニメーションなどの製作作業を効率的に、かつプロからアマチュアまで幅広い層に受け入れられる環境作りを目指すことを意味しています。そして、既に制作の現場で活用されている事例が紹介されました。
イラスト投稿サイト「ピクシブ」の伊藤浩樹氏は、「ピクシブに投稿される作品は6500万点に及び、そのうち88.1%がWindowsから投稿されたもの」と語り、制作ツールとしてWindowsデバイスが多く使用されていることをアピールしました。
また、アニメ「攻殻機動隊S.A.C.」シリーズや「009 RE:CYBORG」などで知られる神山健治監督も登場。来年公開予定の新作アニメーション映画「ひるね姫」について、同作の製作は絵コンテからWindowsデバイスを使用してフルデジタルで行ったと説明。
Windows 10とXbox Oneによるクロスプラットホームで展開されるエンタテインメント
次に、ゲーミングの分野において、同じタイトルがWindows 10とXbox Oneの両方でリリースされる「クロスプラットホーム」にも注力していくと語られました。注目は、日本でも正式発表された新型ゲーム機「Xbox One S」。Xbox One Sは、従来のXbox Oneよりも40%小型化され、HD Blu-Rayや4Kビデオストリーミング、HDRサポートなど各種機能が強化された据え置き型ゲーム機で、年末商戦に攻勢をかけるべく、2016年11月24日に発売される予定です。価格は3万4980円(税別)。
3つの要素でセキュリティを確保
Windows 10ではセキュリティも強化。WEBからの脅威に対抗する「SmartScreenフィルター」、マルウエアからPCを守る「Windows Defender」、パスワード漏洩からアカウントを守る「Windows Hello」の3つの要素でセキュリティを確保するとの説明がなされました。
各メーカーとの協業を推進する「マイクロソフトエコシステム」
マイクロソフトは、今後も各ハードウェアメーカーや、サービス企業、クリエイターなどとの協業を進めていく「マイクロソフトエコシステム」についてアピールするとともに、ユーザーがWindowsをより体験しやすいように、専門スタッフやデモ機を店頭に配置した「Windowsエリア」の拡充を図ることも発表されました。
残念ながら、海外で発表され話題となっているクリエイター向け一体型PC「Surface Studio」の日本発売については発表されず、記者からの質問に対しても「準備中です」と回答するにとどまりました。