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2023/4/6 10:00

最強スマホGalaxy S23 Ultraがやってきた! 小型ハイエンドのGalaxy S23と一緒に早速インプレ

サムスン電子ジャパンは4月6日、Galaxyシリーズのフラッグシップ「Galaxy S23シリーズ」の日本向けモデルを発表しました。発売は4月20日です。

 

3キャリアから発売、大容量1TBバージョンも

NTTドコモとKDDI、楽天モバイルの3キャリアから発売。また、NTTドコモとKDDIからは、ミッドレンジモデルの「Galaxy A54 5G」も発売されます。販売価格はauのGalaxy S23 SCG19が13万6330 円(税込)、Galaxy S23 Ultra SCG20が19万7650 円(税込)から。楽天モバイルのGalaxy S23(SM-S911C)は14万7700円(税込)。NTTドコモの販売価格は4月6日時点では明らかになっていません。

 

日本向けには、ペン対応の大画面モデル「Galaxy S23 Ultra」と、小型モデル「Galaxy S23」の2種類が投入。どちらも、2023年時点のスマートフォンとしては最高クラスの性能と、充実した機能を備えています。

 

前年のGalaxy S22シリーズと比べると、機能面で大きな変化はありません。デザインをより洗練させて、カメラやゲームなどのパフォーマンスを改良させた強化版的なモデルとなっています。

 

Galaxy S23 Ultraは、NTTドコモとKDDI(au)が販売。カラーは両キャリアとも「グリーン」と「クリーム」の2色の取り扱いです。

↑Galaxy S23 Ultra。機種名はNTTドコモ版が「Galaxy S23 Ultra SC-52D」 、au版が「Galaxy S23 Ultra SCG20」

 

また、日本向けのモデルとしては初めて、大容量ストレージのモデルが投入されます。NTTドコモ版が512GBモデル、au版が512GBと1TBの2種類で、各キャリアのオンラインショップ限定販売です。大容量モデルのカラーは両キャリアとも「ファントムブラック」となっています。

 

Galaxy S23シリーズはmicroSDカードスロットを搭載していないだけに、写真や動画を多く撮る人や、グラフィックにこだわったゲームを遊ぶ人には大容量モデルが重要な選択肢になるといえるでしょう。

 

Galaxy S23は、NTTドコモ、KDDI(au)、楽天モバイルが販売します。カラーはドコモとauがクリーム、ファントムブラック、ラベンダーの3色を展開。楽天モバイルはクリームとファントムブラックの2色展開です。

↑Galaxy S23。機種名はNTTドコモ版が「Galaxy S23 SC-51D」、 au版が「Galaxy S23 SCG19」、 楽天モバイル版が「Galaxy S23(SM-S911C)」

 

精緻な設計で作られていることを感じるデザイン

カラーは両機種共通で「自然」をテーマにした3色をラインアップします。自然界に存在する色のみが使用されており、落ち着いていて、大人びたテイストです。

 

側面はマット感のある金属素材を採用し、背面パネルは磨りガラス調仕上げ。前面・背面ともに頑丈なブランドガラス「Gorilla Glass Victus 2」を貼り付けて対衝撃性を強化しています。

 

前世代モデルと同様に、Galaxy S23 Ultraはカーブディスプレイ搭載でSペンによる手描きも対応します。カーブディスプレイの角に当たる部分なども丁寧に面取りされており、精緻な設計のもとに作られている印象です。

↑ディスプレイをよく見ると、側面がきれいにカーブしています

 

Galaxy S23 Ultraの大きさは約163×78×8.9mmで、重さは約234g。ほとんどの機能が最高峰なスマホらしく、重さもヘビー級です。パンツに入れて持ち運ぶには重すぎるかなと感じるほど。また厚みもあります。手の大きい人以外は、両手持ちで使うことになりそうです。

↑Galaxy S23 Ultraの上部。柔らかな丸みが付けられています

 

↑Galaxy S23 Ultraの左側面。下の方にある楕円の部分がミリ波アンテナ

 

一方、Galaxy S23は軽くてコンパクト、片手持ちにちょうどいい大きさのハイエンドモデルです。大きさは約71×146×7.6mmで、重さは約168g。冷却機構が追加されたためか、前年度のS22と比べるとやや角張った形状となっています。ほどよい厚みも相まって、片手持ちしたときの安定感は悪くありません。

↑男性の手であればしっかりと片手でホールドできるサイズ感

 

デザインで気になる点があるとすれば、カメラの出っ張りです。2mmほどの高さがあり、たとえば机に置いてペン入力しようとしたときにガタガタと不安定になりがち。純正のケースを装着するとカメラの出っ張り部分まで覆えるため、ぜひ検討したいところです。

↑Galaxy S23 Ultraに純正フリップカバーを取り付けたところ。カメラ部の段差が埋まり、テーブルに置いた時に安定しやすくなります

 

ちなみに、両機種はリサイクル素材が多用されており、SIMトレーは再生アルミニウムで作られているほか、5Gのミリ波アンテナのカバーには漁網由来の再生プラスチックが用いられています。外箱や包装もすべて再生紙で作られているなど、サステナビリティにも配慮した設計です。

 

環境光に応じて画面の見え方を調整する精度が高い

ディスプレイはGalaxy S23 Ultraが約6.8インチ、Galaxy S23が約6.1インチ。両機種ともに「Super AMOLED」と呼ばれる最新の有機ELディスプレイを搭載しており、120Hz駆動にも対応します。

↑Galaxy S23 Ultraのディスプレイ

 

ディスプレイは実機を手にとってみると、特に印象的と感じました。ほかのスマートフォンと同様に、環境光に応じて画面の見え方を調整する機能を備えていますが、Galaxy S23シリーズは調整の精度が高いようです。照らす光が変わってもくっきりはっきりと、見やすい画面を保ちつづけていました。

 

ピーク輝度は1750ニト。明るい屋外にも対応できますが、実機では部屋を真っ暗にした状況下でも見やすくなることが確認できました。

 

Ultraは2億画素搭載、インカメラや動画も強化

今年のモデルから、カメラが縦に3つ並んだ構図が、Galaxyのトレードマークです。カメラでできることは前世代と大きくは変わりませんが、夜景撮影やセルフィー、動画の手ブレ補正など、カメラの性能がシビアに求められる用途で、写りが大きく改善されています。

 

Galaxy S23 Ultraは、超広角、広角、光学3倍/10倍相当の望遠レンズを搭載する4眼仕様。レーザーAFも搭載し、ズーム性能や暗所撮影の性能も高めています。

↑Galaxy S23 Ultraのカメラ構成

 

広角カメラは2億画素(200MP)と業界最高クラスの高解像度。遠くのものを切り出すデジタルズームの精細感が増したほか、複数の画素を束ねて「大きな1画素」として扱うピクセルビニング機能により、暗いシーンでの撮影に強くなっています。

 

デジタルズームでは、最大100倍相当の撮影も可能。屋内で多少試した限りでは、遠くにあるモノに書かれた文字などを写真に写して、読み取る程度のことはできそうです。

 

また、Galaxy S23 Ultraでは光学式手ブレ補正も改善されており、従来の2倍のブレ幅に対応します。動画撮影時の電子式手ブレ補正では、撮影時の状況(歩いている、立ち止まっているなど)を判断する機能が追加し、さらに強化されています。

 

Galaxy S23の背面カメラは、超広角、広角、光学3倍の望遠という構成です。広角カメラは5000万画素となっており、超広角と3倍ズーム、フラッシュはGalaxy S23 Ultraと共通。10倍レンズとレーザーAFセンサーは省かれています。

↑Galaxy S23のカメラ構成

 

【作例フォトギャラリー】(画像をタップすると閲覧できます)

 

インカメラは1200万画素のシングルカメラですが、全画素をフォーカスに活用するデュアルピクセルAFや、AIによる被写体の検出により写りを向上させています。たとえば、メガネに映り込んだ瞳を検出できるほか、髪の毛の一本一本を検出して、違和感のないボケを追加できるとのこと。

 

Galaxyのフラグシップモデルでは、特殊な撮影機能も搭載されています。2023年に加わったのは、天体ハイパーラプス機能。三脚とスマホだけあれば、星空の動きを動画で記録できます。

 

また、「Expert RAW」アプリを使えば、画像編集ソフトでの後編集に適した、RAW形式(.dngファイル)での撮影にも対応します。Galaxyの標準カメラアプリでは、“SNS映え”重視なパキッとした写りになりがちですが、RAWで記録した映像はより見た目に近い色合いで記録でき、あっさりとした画作りも可能です。

 

「for Galaxy」な最高峰チップを搭載。「原神」で実力を発揮できそう

Galaxy Sシリーズは業界最高水準のパフォーマンスを備えていますが、Galaxy S23やGalaxy S23 Ultraも例外ではありません。

 

チップセットは、「Snapdragon 8 Gen 2 for Galaxy」と名付けられています。2023年のクアルコム製チップセットの中も最上位の製品「Snapdragon 8 Gen 2」から、高クロックで動作するチップを選んだもの。高クロックコアの動作周波数が他社向けの最大3.2GHzから、for Galaxyでは3.32GHzに引き上げられています。このチップセットを安定して動作させるために、ベイパーチャンバー式の高効率な冷却システムも内蔵しています。

 

処理性能の高さを存分に活かせるのは、「原神」のような3Dゲーム。また、5Gのミリ波帯やWi-Fi 6Eも対応しているため、高速通信ができる環境ならクラウドゲームもより快適に遊べそうです。

↑Galaxy S23シリーズでは新たに「ゲームプレイ中の直接給電」に対応しました

 

Ultraはペン入力も対応

Galaxy Noteシリーズから受け継いだペン入力機能については、最上位のGalaxy S23 Ultraでスタイラスペンを搭載しています。

 

ワコムの技術による、高精度のペン入力に対応しており、手書きでメモが取れるほか、画面を囲った部分を保存したり、スクリーンショットの上から手書きしたりといった使い方が可能です。

↑スクリーンショットにメモできます

 

↑Galaxy S23 UltraのSペンは、ややスリムになり持ちやすくなっています

 

ロゴは「Galaxy」から「Samsung」に

スマホの背面に印刷されているメーカーロゴは、これまで「Galaxy」が用いられてきましたが、今回のモデルから「Samsung」に変更されています。

 

実は、Galaxyというブランドを背面に印刷していたのは日本向けモデルのみでした。Samsungロゴへの変更は、海外で販売されているGalaxy スマートフォンと合わせた形となります。

↑背面ロゴ

 

「Galaxy S22シリーズ」も価格を抑えて販売継続

2022年のフラグシップモデルのうち、小型モデルの「Galaxy S22」は2023年も値下げして販売されます。SamsungはGalaxy S22世代からOSバージョンアップを4世代に渡って実施する方針を示しているため、今から購入しても3世代分のバージョンアップが提供されるなど、長く使うことができます。

 

なお、新モデルのGalaxy S23シリーズと比べると、チップセットは1世代前のものを搭載しており、バッテリー容量が200mAh少ない3700mAhとなっています。ベイパーチャンバー方式の冷却機構も非搭載です。

 

小型のスマホでゲームをガッツリ遊ぶ人や、写真や動画撮影を撮る機会が多い人なら、Galaxy S23を選ぶことをおすすめしたいところですが、それ以外の多くの用途には、Galaxy S22シリーズの性能でも十分に対応できるでしょう。

 

安価で性能のバランスがいい「Galaxy A54」も発表

より安価でバランスが取れた選択肢として、ミッドレンジの「Galaxy A54」も発表されています。NTTドコモでは「Galaxy A54 5G SC-53D」として、KDDIは「Galaxy A54 5G SCG21」として、5月下旬以降に発売します。

↑Galaxy A54。NTTドコモとauが取り扱います

 

こだわりは、明るいディスプレイ、高画質カメラ、大容量バッテリーの3点です。

 

画面サイズはやや大きめの6.4インチ。有機ELディスプレイで、日中の屋外でも見やすくなるように、ピーク輝度を前世代モデルから25%アップさせています。

↑画面サイズは6.4インチ。S23 UltraとS23のちょうど真ん中くらいのサイズ感

 

カメラは広角・超広角・望遠の3眼仕様で、シーンの変化に応じて綺麗な写真を撮影できます。バッテリー容量は5000mAhで、1日使っても十分な電池残量を確保しています。

↑ぷくっと浮き出したようなカメラ部の形状はS23シリーズに似ています

 

チップセットは8コアのExynos 1380を搭載。メモリーは6GB、ストレージは128GB。microSDカードも利用できます。防水・防塵仕様となっており、生体認証では高速にロック解除できる超音波式指紋認証に対応。もちろん、おサイフケータイも搭載しています。大きさは約158×77×8.2mm、重さは約201g。

 

ドコモは紫系色、黒系色、白系色の3色展開。auは紫系色と白系色を取り扱います。

↑Galaxy A54のカラーバリエーション

 

【フォトギャラリー】(画像をタップすると閲覧できます)